第十二話『思い出した』
大変お待たせいたしました。
曜日は水曜日。今日は調理実習。それぞれがエプロンを身に纏っていた。やはり、奈緒の姿は破壊的だった。まぁ、いつもの格好なのだが…メイド服はないだろ…。他の女子も負けずとお気に入りのエプロンをしているので娘たちが多かった。
「ヨッシー…かわいい…」と亮介は呟いた。何故だか奈緒に聞こえ奈緒はおもいっきり亮介を叩いた。しかし、学習したのか亮介は見事かわした。
「亮介!!」
「くっ!!何しやがる!!」
「あんたが他の子見てたのが悪いんでしょ!!」
「俺の勝手だろぉがぁ!!」
「うるさい!!うるさい!!うるさ〜い!!」奈緒はぷいっといってしまった。
「ったくなんなんだよ」
「まったく。お前は罪な男だよ。」
「神谷…ほっとけ…」神谷は呆れたと言わんばかりの顔をして自分の持ち場に戻った。
もう、亮介のバカ!!バカ!!バカぁ〜!!心の中で叫んでも意味ないわね…。
さて、神谷にこう言われた。
「追い掛けろ」と。俺は悪くない。ってか女見てねぇし!!男だし!!俺ホモだし!!ってカミングアウトすることねぇか…。追い掛けてみるか。
「奈緒!!」
「何よ!!」
「俺の話を聞いてくれ!!」
「嫌よ!!」奈緒は逃げる。しかし、亮介は手を掴んだ。そして
「俺はホモだ。吉田が大好きだ」
「さ、最低!!不潔!!」
「だけど!!お前も好きだ。俺は思い出した。ホモになったのは当時お前が男だったからだ!!」
「あ、あたしのせいだっていうの!?でも、思い出してくれたんだ。」奈緒はぽろぽろと泣き出した。
「お前も記憶が戻ったんだな。泣くなよ」
「亮介…」亮介はそっと奈緒の頭を撫でた。
「ああ、ヨッシーの事は本気だ」
「…………最低〜!!」
「ぎゃあぁぁぁ!!」奈緒の説教と亮介の悲鳴が鳴り響いたとさ。