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翡翠色の青春  作者: 葉月美月
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1限目・甘とは正義ですよ!

記念すべき第1話をなんとか書ききりました!


文章レベルは本当に幼稚で読みにくくなってしまってこれは申し訳ないです。


最後まで楽しんで読んで頂ければ幸いです。


本編お楽しみくださいm(_ _)m

「は〜っ……。」


彼女は重い溜め息をついた。

また、コンビニバイトの面接に落ちたのである。


「これで4店目…」

スマホを机に置き、ベッドに横たわる。

彼女の名前は伊勢いせ まどか

お菓子作り好きのどこにでも居るような、高校2年の女の子。

ベッドに横たわって枕に顔を埋めていると…

「〜♪」

また鳴るスマホ、時刻はまだ21時にもなってはいないが、今の円は、

「もう…寝かせてよぉ…」

そう悪態をつくも、渋々スマホを手に取り、着信に出る。


「おい〜っす!円ちん起きてる〜!?」


今の彼女のテンションにはとても相容れない、元気爆発みたいな声が響く。音量を高くしていないはずだが部屋全体に響く位の大きい声。


「何よ…こんな時間に…そんなに声出さなくとも聞こえてるわよ瑠衣。」


円は半分キレ気味だ。そんな今電話相手で瑠衣と呼ばれた彼女は、千曲ちくま 瑠衣るい。元気という言葉をそのまま体現した円のクラスメイトだ。


「テンション低いね〜…もしかして。」


今みたいなやりとりもこれで4回目だ。即ち、瑠衣もこの時点で察していたのだ。


「もう…言わせないでよ…。」

円はまた溜め息をつき、無理やり電話を切ろうとした。

しかし、今回は瑠衣がこの後にとある住所を円に紹介した。


「そこに…何があるの?」

半ば信じられないような円に瑠衣は、


「それは見てみてのお楽しみだよ☆」

そう言うなり瑠衣から電話を切られた。


もちろん半信半疑のまま翌日を迎え、土曜日だったこともあり、その日の昼下がり、その住所に向かうことにした。


家から30分経たないうちにその住所に到着。


「えっと…住所だとここよね……っ!?」


円の身体に電撃が走った。


「嘘…でしょ…?」


目の前に見えたのは小さい洋菓子店。

みた感じで築30年はいってそうな、古い、しかし温かみがある店舗。


しばしそこで呆けていると、


「おや…君が円ちゃんだね…?」


出て来たのはこの店の店主であろう老婆が姿を現した。


「す、すみません!伊勢 円と言います!」

慌てたように自己紹介をした円に老婆は、

「はっはっは!若いってイイねぇ!堅くならんでも大丈夫。細かいことは全部瑠衣から聞いているからねぇ。」


そして


「紹介が遅れたねぇ、あたしゃ千曲ちくま 嬉稀ききって言うんさ。よろしくね円の嬢ちゃん。」


え…?


まさか…


「ちなみに瑠衣は私の孫だよ。」


色んな意味で驚いた。円は未だに状況が飲み込めていない。

そこに老婆…いや嬉稀さんはこう切り出してきた。


「さっきも言ったけどね、大体の事情は瑠衣から聞かされてるんだよ。私も、もう長くない身だからねぇ…ここらでちょうど店を継げそうな子を捜してたんだよ。」


円は「瑠衣じゃダメなんですか?」


無意識に、自然に出たこの言葉に嬉稀さんは、


「あの子には別に夢がある。お菓子作りが重荷になるようなら私も任せるのはどうかなと思ったんだよ。」


円は嬉稀さんの話を真剣に聞いていた。


「そこに円ちゃんがやってきた!私としては君がこの店を手伝うなら、こんなに嬉しいことがない!だから…」


私と勝負をしよう。


嬉稀さんは確かにそう言った。


「私を唸らせる逸品を作っておくれ。」


いきなりの宣戦布告に円は、


「い、今からですか!?」


当然の反応。いきなり力が見たいと抜き打ちテスト勧告。


「どうじゃ…やるかい?どうしてもなら日を改めて勝負しても良いよ。」


「嬉稀さん…その勝負、今!お受けします。」


円もここまで来たら後へ引けない、期待されてるからには応えたい、期待と夢と意欲が円の中で渦巻いている。


「円ちゃん流石だね。じゃあ品目はお菓子で行こう、制限時間は3時間、材料は厨房にあるのは何でも使って良いよ。」


その言葉を足切りに、嬉稀vs円の戦いの火蓋が切って落とされた…


「さて…と!」


準備は出来た。材料や調理器具を確認して回る。そして一言呟いた…


「ここケーキとかの材料が多いわね…」


洋菓子店ならこうなるのは当たり前、しかし量は想像を超えていた。


「卵だけで500個近い…小麦粉は一般的だけど薄力粉もちゃんとあるのね…」


他にもケーキのトッピングになりそうなブルーベリー、苺、何故かアサイーまで。


「こんなに材料がある…これなら!」


円は強気に調理にかかろうとするが…


違う。そうじゃない。


円は冷静に考え直した。


これは真剣勝負。材料で意表突いて勝っても勝ちになる?


違う。それは勝ちじゃない。


少ない材料でどれだけ素晴らしいお菓子が造れるか?


そうすれば嬉稀さんに完全な形で勝てる?

円は考えた。かつて自分の作ったお菓子を思い出して、またかつて調べた色んな調理を思い出して。


「…これよ。これならっ!」


品目は決まった。


材料は薄力粉、卵、牛乳、コーンスターチなど、ケーキの材料。


しかし、作り始めたのは…


「シャコティス…これでっ!」

シャコティスとはリトアニアやポーランドで食べられるケーキよりはバウムクーヘンに類似したお菓子。

リトアニアでは結婚披露宴で食べられることもある祝の料理であり、バウムクーヘンに棘が生えたような外見だ。

その棘を折りながら食べる食べ方が主流であり食感はバウムクーヘンよりはやや硬く、サクサクした食感になる。


「完全に本物は無理でしょうけど…ここは日本だしそれなりのアレンジを…」


元々は異国の料理、材料も本来は今使っているものとは違う。だからこそ、創作意欲が刺激される。

彼女は今、新しい新境地を邂逅したのかもしれない−


「…見せてもらおうさね」


出来た日本風シャコティス、しかし色は緑色に染まっていた。


嬉稀さんは何も言わずに口に入れた。


「私しゃこんなお菓子は初めてみた…」


「ちょっとした異国の料理です。」


円がそう言うなり


「それを日本風へ一気に落とし込めたその手腕、気にいったよ。」


「緑色…これは蓬さね。」


円は正解ですと言わんばかりに頷いた。

バウムクーヘンの蓬味は既に存在しており、それをそのままシャコティスとして変化させたのだ。


そして嬉稀さんは


「明日来れるかい?少しシフトの話をしよう。」


どうやら円のお菓子は嬉稀さんに気にいって貰えたようだ。

そんな激動の週末は終わり、翌週月曜日に。


円は朝一番で瑠衣の元へ向かった。お礼もしたいし話したいこともある。いそいそと瑠衣の席に向かうのだが、瑠衣は席に座っていなかった。


スマホを見てみると未読のメッセージが1件、瑠衣からだ。


「円ちん、ごめ〜ん…今日ちょっと高熱で身体が怠いから休むね〜☆」


まさかのお休み。

円は嘘でしょと言わんばかりのすごい顔でスマホのメッセージを見ていた。

するとそこに、


「円ちゃ〜ん?なんかすごい面白い顔してるよ〜?どうしたの〜?」


のびのびとした気の抜けそうな声。すると円はようやく話しかけてきた人の方へ振り返り、


「ちょ!?志織?いつからそこに!?」


「教室入ってきた時点からずっと見てたよ〜?」


どうやら最初から見られていたらしい。

この見ていた彼女は、黒石くろいし 志織しおり。言葉使いから分かるとおりのかなりのおっとりさん。円、瑠衣、そしてこの志織は全員クラスが一緒である。


「もしかして瑠衣ちゃん休み〜?」


「珍しいわ…明日は雪かしら。」


円はそう返すと、志織も同意するように頷き、


「夏に吹雪いちゃったりするんじゃないかなぁ?」


ちなみにまだ5月末である。


「取り敢えず、瑠衣の所にお見舞いに行きましょう。私少し瑠衣のお世話になっちゃったからお礼言いたいし。」


すると志織、


「だから、瑠衣ちゃんから昨日メッセージ来てたんだ〜私に〜。」


「無事にバイト出来そうなんだよね?」


どうやら噂が広まるのは早いようだ。

しかもこの話は何故かクラス中に広がっており(過去コンビニで落ちまくったことも広がっている)、


他のクラスメイトからも「おめでと〜!」と祝いの言葉。


ここまでするかと円は呆れ顔だ。そして…


「まぁ、お陰様で…」

こう返すしかない。


その後も様々な質問責めは放課後まで続き…


「なんか、倍疲れた…」


もう円はげっそりしている。しかしこれから瑠衣の家へお見舞いに行かなければいけないのだ。


普段の帰り道とはほぼ逆の方向へ歩き、約15分、瑠衣の家はあった。すると後ろから、


「あ、円ちゃん遅いよ〜」


志織は自転車に跨がったままで瑠衣の家の前に待機していた。

円は申しわけなさそうに


「ごめんごめん、普段から登校ずっと歩きだから意外とここまで時間かかっちゃった。」


「じゃあ呼ぶよ〜」


志織がインターホンを押す。


すると5秒くらいで瑠衣がドアから出てきた。


「あれ、2人とも来てくれたんだ、ありがとう!」


病人のはずだよね…?なんでこんなに元気なのか不思議だと円達は思っていた。


「瑠衣…具合はもう良いの?」


「まだ熱は38度あるけどね〜。でも身体はすごい元気なんだよ?変だよね〜。」


円の問いに答えた瑠衣の顔色は病人のそれでは明らかにない。一瞬仮病使ったかと疑ってしまった。


「立ってるのも大変そうだから中に入ってよ!」


すると瑠衣は円と志織を引っ張るように家に強引に上げていった。

瑠衣の部屋は8畳くらいはあろう1人であればそれなりの部屋。しかし今は3人がそこに入ったので自由に動き回るには少し足りなかった。


卓上に薬が置かれている。おそらくさっきまで眠っていたのだろう。


「2人とも本当にありがとうね〜。」


「瑠衣ちゃん、家の人は〜?」


「今皆居なくて私だけだったんだ〜。」


父母ともに働いて居るため夜まで両親は帰ってこないらしい。起きた時点で誰もいなかったのだ。


「大丈夫だったの?お昼とかってどうしてたのよ。」


「それは作り置きがあったからね〜。案外大丈夫だったよ。」


瑠衣は笑いながら円の方を向いて、


「聞いたよ。おばあちゃんから。」


「あんなに無茶な条件でよくお菓子作れたよね。おばあちゃん凄い褒めてたよ。」


「最初に瑠衣のおばあちゃんと聞いたときはびっくりしたわよ…なんか凄い申し訳ないわね…。」


「おばあちゃんにも…そして瑠衣、あなたにも。」


「な〜に言ってるの!それは円の実力だよ。私はキッカケを作っただけ。」


瑠衣は照れながらも謙虚に円にそう答えた。


「今度私その店に行って良〜い?私も食べてみたいなぁ。」


志織はすでに興味津々である。

もちろん、円が作るお菓子そのものに。


「だったら週末!私と志織で店に行くからさ、美味しいのをよろしく!」


親指を立てながら瑠衣は円に向かってそう言い放った。


「お待ちしています♪」


にっこりと円は返した。


その後夜まで3人の会話が途切れなかったのは言うまでもない…



1話終了時点で


4人のキャラが登場致しました!


今後嬉稀さんの出番は少し減ってしまうかもしれません。


何より基本的には学校を舞台で書きたかったので1話はキャラ紹介程度のものだと…


本編に出ました


「シャコティス」

本当にあるケーキでして、見た目はかなり禍々しいケーキなんですね。


バウムクーヘンの起源との説も一部では流れていたようです。


ちなみに作者の私は作るのは苦手です。

2話では、リアル学校みたいな内容にしてみたいです。


それでは-軽くキャラのプロフィールみたいなのを…



①伊勢 円


年齢 16

誕生日 1月27日

血液型 B型

身長 163cm

体重 47kg

スリーサイズ 80・60・81

好き お菓子全般(つくるのも食べるのも)

嫌い 大型犬(かつて噛まれた)


兄弟姉妹は存在しない。


取り敢えず主人公。ただその割にキャラが弱い。自分で作ってなんだが瑠衣よりも弱い。

お菓子作りは中学生から始めて、今まで創作含め50種は作ることが可能。


瑠衣、志織とは高校1年生半ばくらいで話し始めて、2年生でクラスが全員一緒になってから色々3人で出かけるようになっている。


大型犬は幼少時に襲われて以来、見る度に露骨に避けている。


②千曲 瑠衣


年齢 16

誕生日 7月8日

血液型 B型

身長 160cm

体重 48kg

スリーサイズ 77・60・75

好き マリンスポーツ、鯛焼き

嫌い 勉強、辛いもの

兄弟姉妹は存在しない。


円の対存在として作ってみた。自分的には案外気にいっています。


元気っ子なので周りのテンション関係なく盛り上がります。

しかし空気は読める子です。多分…


勉強は絵に書いたように苦手です。体育以外は成績表は見せられないレベルです。

志織とは中学時代からの付き合いです。2人はその頃からよく遊んでいます。



③ 黒石 志織


年齢 16

誕生日 9月18日

血液型 O

身長 155cm

体重 42kg

スリーサイズ 82・56・77

好き 果物全般

嫌い コーヒー


姉がいるらしい。


この2人にはおっとりさんしかないと思って出来たキャラです。


実は怒ると星が消し飛びます(マテ

普段怒らない人が怒ると…


言いたくないですね。


プロポーションも勉強の成績も2人よりは上です。


出番増やしたいなぁ…


④千曲 嬉稀


年齢 70

誕生日 11月15日

血液型 A型


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