緊急着陸
懲罰動議は私がトイレ設置工事をする事で決着した。書類に残らないのが救いだ、昇任には響かない。つくづく希少な管制官で助かった。
ともあれ天気予報をチェック。「予報官によると昼から北東の風、砂嵐は終日まで続くだろうとの事だ。機器をチェックせよ」
アデン国際空港、またの名をキャンプ・アディム。我々がイエメン政府軍から借り上げた対テロ戦争の橋頭堡だ。我が連隊もここに拠点を置いている。
....とはいえ2ヶ月前からだが。
少佐「中尉、現状報告を」
「視界、通信共に良好。問題ありません。燃料備蓄に不安がありますが、事故でも起こらなければ次の補給までは凌げます。」
たかが5人の部隊。こう電力不足だとどうしようもない。
入電。ビープ音が鳴り響く。
「コールサイン・アーマデール210よりアデン国際空港へ、着陸許可を求める」
オーストラリア陸軍のヘリだ。普段は非常時くらいしか来ないんだけどな
「確認した。第3離発着場に進入を。」
慎重に。恐らく大事ではない。怪我人でも出たなら理解出来る。
「防火班と救護班は緊急着陸に備え待機を!」
窓が震える。ローター音は不定期に響き、機体の故障を明らかにする。
管制官A「管制よりアーマデール210へ、状況を報告されたし」
エンジン部分からの黒煙が、管制塔からでもはっきりと確認出来る。
「視界不良、燃料漏れだ!レーダー失調!」エンジンオイルへ引火もあり得る。操縦士からの報告としては最悪といって良いだろう。
「着陸まで3, 2, 1...着陸。防火班は接近せよ。揮発による爆燃に注意されたし」
双眼鏡では何も見えない。煙臭さが鼻を突く。
消火員A「負傷者を確認、油圧ニッパーを使用する。救護員は待機せよ」
「了解。3等空曹はオーストラリア空軍基地へ連絡し、機体の照会を急げ」
どろっとした夜風が首を掠める。夜風に耳を澄ませば、金属を捻じ切る際のグギギという音が聞こえてくる。
救護員B「負傷者を発見!」
煤だらけの兵士が傾れ込む。
今にも救護員を薙ぎ倒しそうなくらいだ。
怒声にも似た医師の言葉が、兵士の微かな呻きを消し去ってゆく。
軍医「ブドウ糖輸液800ml、直ちに!」
救護員A「離れろ!3, 2, 1, ショック!」
待合室に朝日が昇る。
そろそろシフト交代の時間だが、この状況ですんなり点呼も出来ないだろう。
地の文が思いつかないー!!!んぎゅぃいいfぢぃjhで!!!!!!