表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
一般人Rの独白  作者: 一般人R
2/3

R-期待について-

諸君久しぶり.一般人Rだ.前回から少し日がたったかな.まだまだ蒸し暑い日が続いているが,諸君らは元気に過ごせているかな.私はクーラーのきいた部屋でどんよりとこれを書いているぞ.


さて,第二回目の話は期待についての話だ.なに,難しい言葉じゃない.明日晴れるといいなとか抽選が当たるといいなとかそういった確定しない事象についての希望的観測のことだ.

諸君らも何かに期待したことはあるだろう.私もある.そして,みんな一度は必ず期待を裏切られたことがあるはずだ.気体を裏切られたとき,人は何をするだろう?怒るか,悲しむか,呆然とするか,絶望するか,人によって様々だろう.私の場合は心に穴が空くような気分になる.実際に空いているのかと錯覚してしまうほどに空虚な気持ちになる.先ほども大きな期待を裏切られたところだ.メインディッシュの蓋を開けたらドライアイスの煙だけ出てきたようながっかりとした気分だった.


諸君らの中にもそのような経験をしたことがあるという者たちが一定数いる思う.今回は,そんなものたちのために期待して傷つかないための方法を伝授しよう.簡単な話,期待しなければいいというだけのこと.まず前提として,期待とは主観による希望的観測だということを忘れないでもらいたい.期待のもっとも恐ろしいところは,期待を際限なく膨らましたとき,その期待を裏切られた反動も非常に大きなものになるということだ.風船を限界まで膨らませたものと少しだけ膨らませたもの,割った時にダメージが大きいのは限界まで膨らませた方に決まっている.余談だが,「胸に穴が空く」という表現があるが,これは期待を風船で考えるとわかりやすいだろう.心という入れ物の中に期待という風船をいれる.期待はどんどん膨らみ他のものを押し除け心を圧迫する.そして期待を裏切られた時,風船は割れ,今まで占有していた場所は大きな穴となって残る.それが文字通り心に穴が空くということだ.


ほぼ余談だったが,簡単に言えば期待とは自己満だ.自己満で勝手に期待したのに傷つきたくないというのは筋が通らないだろう.期待してくれと言われたわけでもなし,自分が勝手に期待を膨らませただけ,なのに相手に怒るのはお門違いもいいとこだ.攻めるのは期待通りにいかなかった相手ではなく,勝手に期待して理不尽な感情をむけている惨めな自分であろう.物事が常に自分の思い通りにいくかといえばそんなことはない.イレギュラーはあって当たり前.なにかに期待をすることが間違いなのである.


むしろ,期待していなかったものが思い通りにいくと普段より嬉しいだろう?期待しなければがっかりもしないし,悲しくなることも怒ることもない.うまくいけばちょこっと嬉しい.期待をしてしまえば裏切られた時どうなるかわからないし,相手にとってもプレッシャーになるかもしれない.期待とは重りだ.する方もされる方もいいことなんてありはしない.だから私は期待なんてしない.


......じゃあなぜ冒頭で期待を裏切られていたのかって?勘のいいガキは嫌いだよ.ひとついいことを教えよう.人は過ちを繰り返す.なぜか?忘れるからだ.どれだけ嫌なことがあろうが,どれだけもう二度としないと心に誓おうが,人は痛みを忘れてえしまう.私は,過去に二度.期待をしたせいで死にたくなるほど胸にポッカリと穴が開いた経験がある.その時の痛みはもう思い出せない.辛かったのは覚えている.しかし痛みを思い出すことはできない.だからまた繰り返すのだ.私は愚かな生き物だよ.


最後にまとめるが,期待はしないほうがいいがしても仕方ないことである.だが,それは自己満であるということを覚えておくといい.決して怒りの矛先を間違えるなよ.期待するのはいいが,「してやっている」のではなく,あくまで期待「させていただいている」んだ.そこを間違えると良くない.


期待については以上.膨らませすぎには要注意.それでは諸君,またいつの日か.


それはそれとして期待を裏切られたことにはショック!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ