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1時【おはよう】

それは、朝の事だった。

「おはよう。きみ。」


私は、目の前に映る彼に挨拶をする。


普段なら、ここで返ってくる筈の挨拶だが、


返事が返ってこない。


(元気が無いのかな…?)


どうやら彼は元気が無いようで、下を俯いたまま歩いている。


今は学校への登校の真っ最中。


夏の暑い日差しの中、歩いて学校へ行かないといけない。


だから、沢山お喋りしたいし元気を付けてあげたい!


私は彼に声をかける。


「ねぇ君、昨日の【消失】っていうドラマ見た?」


私はいつも通り日常会話を口にする。


「あれ感動するよね~。特に、主人公がさ!…」


その後も、ドラマの話で盛り上がる。


でも、彼は


「…だったんだよね~。君はどうだった?」



問いかけをしても、



「君、このドラマ好きだったから見てるよね?どうだった?」



何度、問いかけをしても



「・・・」



返ってくることは無い。



いつもなら、返ってくる筈の声。


愛おしく、大好きな彼の声。


今日は返事が無い。


・・・違う、昨日からだ。


昨日から急に元気が無くなって、声を聴かせてくれなくなった。


(何で・・・・どうして・・・?)


疑問は増えるばかりだった。


汗が滴り落ちる。


私は理由を聞くことにした。


「ねぇ、昨日から元気ないけど、どうしたの?体調でも悪いの?」


そう問いかけるが、彼からの返事は無かった。


(そんなに元気が無いんだ…私が助けてあげないと!)


彼が元気が出るように、腕を組んで歩いた。


それから登校中、彼との静寂が来ないように私は、話を続けた。


何故かその時、静寂が怖かった。


・・・


・・


そして【大切心たいきしん高等学校】と書かれた門を通過し、私と彼のクラス教室に向かった。


もちろん、腕を組みながら。


教室に入ると、周りの騒めきが耳をつんざく。


朝から騒がしい喧騒と笑い声とクーラーの音で、ふと我に返る。


だが、私たちが教室に入るや否や


喧騒は止み、笑い声も止む。


視線だけが、こちらに注がれていた。


「もしかして、私と彼って人気者!?いやぁ、照れるなぁ」


その視線は、学園の美男・美女カップルの私たちに嫉妬しているからだと思う。


(やっぱり、彼と私はベストパートナーなんだね!)


そう思いながら、私と彼の机に向かった。


机は隣同士だから、一緒に歩いて向かう。


だが、一つだけ気になる事があった。


右隣りの彼の机の上に、あるものが置かれていた。


それは、【一輪の花】だった。


花瓶に入れられ、綺麗に飾られている。


(もしかして…他の女からのプレゼント!?)


思考が動転する。


彼の席に急に花が置かれていてビックリしない方がおかしい。


もしかして、誰かが仕組んだ…?


は!?


(もしかしたら…いじめ!?)


絡まったイヤホンを丁寧に解くように、


思考を整理していく。


そして、とある事を思いついた。


それは、


「どう?君。私が昨日こっそりプレゼントを置いて行ったの」


その、花を自分のものにしてしまえばいいのだと。


「綺麗でしょ、君にあげるね」


そんなやり取りをしていると、ホームルームの鐘が鳴る。


彼に笑顔を見せ、先生の立っている教卓に注目する。
















”その一連の光景を見ていた周りのクラスメイトの中には、泣き出す者も居たらしい”

神果みかんです。

短編12時で終わりの小説になります。

ちなみに、サブタイトルの【1時】などは、【1話】のようなカウントです。

是非、コメントなどよろしくお願いします。

誤字脱字のご報告もよろしくお願いします。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 1話目から続きが気になる様な展開で待ち遠しいです! [気になる点] 全てで無くていいので難しそうな漢字にはルビ(読み仮名)を振るといいと思います! [一言] 執筆頑張って下さい。
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