#7
そのご婦人は琴波ちゃんの親戚らしい。
声をかけられたことから分かるように、琴波ちゃんとは会ってないらしい。
思わずわたしを見かけて、琴波ちゃんかと思い声をかけてしまったとの事だった。
連絡もとれない、こない、消息不明だそうだ。
親戚だからといって、必ず親しいとは限らないけど、琴波ちゃんの件も踏み込めない何かがそこにはあるみたいだ。
琴波もこのくらい成長してるのか、と間近でわたしを見れてよかったと感謝された。
改めて、琴波ちゃんが愛されていたのだけはわかった。
「わたしの顔も役に立つのか」
そう頭の中でタイピングしていた。
《琴波くんのこと?もちろん憶えてるさ!》
パソコンの授業中、わたしは日高さんにメールした。
《君たち仲良かったよね!》
《わたしと琴波ちゃん似てた?》
突っ込んで聞いてみた。
《似てたかなぁ?どっちにしろ君たち2人はかわいかったのは憶えているよ》
やはり、顔が変わっている事には気づかなくても、そこら辺の記憶は曖昧になるか書き換えられるのかな?っとみずきは思った。
ふたりはかわいかったか‥
というか、日高さん、わたしの顔に興味ありすぎなのでは?
そう考えながら日高さんの方を向くと、見事にみずきをロックオンしていた。
その顔はある意味忘れられない。
みずきにとって、琴波の顔は忘れようにも忘れられない。
それが今の顔に関係あるのかないのかわからない。
そもそも、自分の顔が朝起きたら変わっていたのは覚えている。
しかし、いつなのかが曖昧なのだ。
琴波ちゃんと遊んでいた時は、この顔じゃなかったと思う。
思うなのだ。
もし、仮にも、みずきがこの顔になったことと、琴波ちゃんが消えたことが関係あるならっと考えているみずきがいた。
だからそれがどうしたんだ?と言われると、言葉に詰まるが。
「焦らず真実を見つけるか」
そうみずきは呟いた。
空は嘘のように青空が広がり、一本の飛行機曇が未来へ、前へ進めと指し示してるかのように伸びていた。