#3
神門みか
通称お嬢様は、ホントお嬢様みたいだ。
見た目に関しても振る舞いに関しても。
しかし、実はお嬢様ではないらしい。
あまりの綺麗さ、立ち振る舞いから、そして噂が広まり、お嬢様となった。
普通、嘘ならそうそう持たない。
いつかはバレるし、バレないとしても怪しまれはする。
しかし、神門は違った。
お嬢様キャラなのに、なぜか憎めないのだ。
お嬢様というより、アイドルなのかもしれない。
まあ、それはそれでいいかもしれない。
わたしも、少しは気持ちがわかるかも
そうみずきは思った。
「‥ということでよろしいかしら?みずきさん!」
え?なに?
みずきはプチパニックになった。
「神門がフレになりたいんだってさ!」
友慈が補足してくれる。
「フレ?‥と、友達ってことかな?」
いきなりすぎて何がなんだかわからないぞ?
「PS4とPCのフレだ」
「Apexのな」
と、友慈が教えてくれる。
「神門さんやってるんだ!」
そうわたしが言ったすぐそばから神門が切り返す。
「いいえ!やったことないわ!」
わたしは言葉を失った‥。
後日談はこうだ。
友慈がわたしとApexをやってると話してしまったらしく、神門がやりたいといいだした。
友慈は、わたしがいないとやらないと言ったらしく、神門がフレを申し込んできた。
PS4やゲーミングPCはあるらしいが、FPS系はやったことがないらしい。
PS4やゲーミングPC持ってる事自体すごいけどね!
つまり、わたしは友慈とやりたいという神門の糧になったにすぎない。
神門も本来の目的を見失っているのではないかと少し心配だ。
結局、教えるのも一緒にやるのもわたしだし、わたしに重荷が委ねられただけだった。
ウェイトハンデだな!とかカッコつけてわたしに言った友慈に、そのあとの3人で初めての試合でチャンピオンになったのを報告しておきます。
その時友慈は、ただただすごいしか言ってなかった。
友慈やられてたからな。
2人でよく頑張ったと思う。
ふぅー、疲れたな‥そんな心の声を天井に反射させるかように見上げる。
「上手くやっておるようじゃの」
そう聞こえた。
みずきは慌てて、頭を起こす。
モニターをみても、ゲーム画面、周りをみてもいつもとかわらない。
「夢の中だけかと思っていたのに、聞こえた‥いや、もしかしたら一瞬寝ちゃったのかな?」
人は慣れるほど、怖いものはないと言うけれど、あれは嘘だ!
この後、それを痛感することになる。