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#1

マイライフ・マイフェイス







ある日突然それは起きた!





朝起きたら、僕の顔はめちゃめちゃ可愛い女の子の顔になっていた!





僕はその瞬間、一目惚れをした。






自分?の顔に‥







【フェイス1 みずきの場合 】








みずきちゃん、おはよー!

あー、今日もかわいいわー!

母の定番の挨拶だ。






み、みずきおはよー!

相変わらず、か、かわいいな!

父の定番の挨拶だ!

なぜ、新聞の横から見てるのだ!





みーにぃ、おはよー!

きゃー!今日もかわいいー!

妹の定番の挨拶だ!

バンバン肩を叩くんじゃない!

それでは立ち話しているおばさんみたいじゃないか!







というか、妹も兄からみてもかわいいのだが‥兄でなかったら‥と、話がそれたのだ!




こんな風に一日がスタートする。




わたしの顔は、かわいいのだ!







顔だけね!







わたしは、普通の高校生だった。





ある朝がこなければ。











おはよー!みずき!



後ろからラリアットでもするかのように肩に手を回してくる。





親友の友慈ゆうじだ。





肩に手を回しながら、わたしの顔を除きこみながら


「みずきはいいよなー!その顔はずるいわ〜」


と、毎朝言ってくる。




「なあ!キ」



「断る!」




「なんだよー!まだ、キしか言ってないじゃんかー」




「なにがしたいかわかるわ!バレバレだわ!」




「いいじゃないのー!減るもんじゃないしw」






「減る減らないとかの問題ではないだろ!まったく‥」






「みずき!」







「ん?」







「今日は水泳があるな!」







「そうなんだよなー、憂鬱だわ!」





そう言ったあとすぐに、友慈はみずきの背中をバンバンたたいた!




「オレたちの楽しみを奪う気か?」




と、言いながら背中を強く押された。








バシャーン!






みずきは、プールの中に落とされた。






友慈の作戦である。






みずきは大きなTシャツを着ている。






いや、着せられている。






普通の男子の水着のスタイルでは、まわりの男子がみんな前かがみなってしまうからだ。





思春期真っ只中の彼らには、妄想も計り知れないレベルにある。






そのため、先生がTシャツを着せたのだが、それは彼らの妄想をさらに煽るものとなった。





「かわいい‥」






「いける‥」





そんな妄想者たちがみずきの周りに群がった。






濡れたTシャツがさらに彼らの妄想を加速させる。







先生の作戦ミスでは?






と、みずきが思いながら先生をみると、いいね!をもらった!








ミスじゃなかったのねw







これが水泳の時間とは思えない。







「いやーみずきのおかげで今日もがんばれるわ」






友慈は満足そうにそう言った。








わたしの通う高校は、男女の制服は自由に着れる。




つまり、男と女の固定がない。






なので、パンツスタイルの女の子もいる。





男の子でもスカートはいる。







その1人がわたしだ。







わたしの場合は自分から履きたいわけではなく







「みずきお願いだ!」





「ズボンもいいけど、やはりスカートがいい!」






「一生のお願いだ!」






とか、友達や周りに言われたのでそうしてる。







顔だけかわいいだけだよ?





どんだけ妄想力あるんだか‥






まあ、わたしの体型も細身だし、胸を除けば女の子らしくみえるのも悪いかもしれない。





「キャー!みずき今日もかわいいー!」






そう言ってバンバン肩を叩かれる。






わたしはどれだけ叩かれればよいのだ?





この女子も親友のひとり、真理まりで、幼馴染三人衆がひとりの子である。







つまり、わたし、ゆうじ、まり、というわけだ!








友慈も真理もわたしに対する溺愛ぶりが半端ではない!







「おい、まり!みずきのことバンバンたたくじゃない!」







「はぁ?ゆうじだってみずき叩きすぎ!触りすぎだろ!」








また、始まった‥









「まりり、なんか用があってきたんでしょ?」







そう言うと、友慈も真理もさっと意味のない争いをやめた。





「いけない!わすれてたわ!」







真理らしいと言えば真理らしい。








「みずき、今日配信する?」








「多分配信すると思うけど、その前に練習するよ??」






「練習?マジ!あたしも一緒にいいかな?」






「かまわないよ!じゃあ、やる時連絡するよ!」






「きゃーありがとう!楽しみだわ!」






「みずきは有名配信者だからな!」


友慈が間髪入れず真理に言った。





そう、わたしはゲームの配信者であり、Apexでは有名な方らしい。





「マスクしてたけど顔出しした時ヤバかったもんな!」


友慈が自慢気に言った。






「あれは記念にやっただけだから、もう顔出ししないよ」





つい、自分の顔可愛くて顔出ししちゃったとは言えないよな。








そんなわたしの顔が変わったことは、友慈や真理をはじめ、周りの誰ひとりとして気付かない、疑わない。






「凄いことだな、これ」






みずきの本音が口から溢れた。













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