甲府第二首都のお話 【暇人エッセイ】
甲府第二首都のお話
東京=横浜都市圏[※1](以下、東京都市圏)は、世界最大の都市圏で3805万の人口を誇る[※2]。
さらに、数々の企業の本社が存在し、中央省庁・国会議事堂・首相官邸・最高裁判所など、首都機能が集中する、名実ともに日本の首都である。
しかし、東京一極集中の状況は、災害に弱い、と思う。
もし、首都直下が起こるなら、霞が関周辺は震度6強の揺れに見舞われる[※3]。震度6強の揺れに、建物が耐えたとしても、内部は物が散乱し、使用が困難になるはずだ。
しかも、停電が発生し、電力が不安定な状況が1週間以上続くという[※3]。地震によって線路が使用できなくなるであろう鉄道はもちろんのこと、信号機が動かない道路を含めて、都内の交通は麻痺し、満足な物資の援助、救助活動などが行えなくなるだろう。
そうなれば、迅速に移動する手段は、ヘリコプターだけになる。
もちろん、物資などの支援は行われるだろうが、1000万都民、3800万東京都市圏民に物資を空輸だけで届けることは難しいのではないか。
さらに、(首都直下地震では起きないだろうが)津波が東京湾内に入った場合、湾内に入った津波による被害は大きくなる。
また、水にも弱い。首都圏外郭放水路はあるものの、そもそも海を埋め立てた低地自体が日本の首都に向いていない。
東京都作成のハザードマップ[※4]を見ると、高潮の際に東京のかなりの部分が浸水するかもしれないことがわかる。400万人近くが被害を受け、一週間以上浸水が続く可能性が有る。
もうね、絶望的に向いてないでしょ。コレ。
そしてそして、なんとなんと!
地震についての情報を発表し、警戒を呼び掛ける気象庁も、本庁は東京にある。
地方に支分部局や、施設等機関もあるものの、本庁は東京である。
これ、東京で大災害が起こったらどうするんだろうね。
立川に政府広域防災基地があるようだが、そこでも震度5弱の揺れが観測されるおそれがある。
さて、(無駄なことを)長々と書いてきたが、私が言いたいのは、(タイトル通り)これである。
『甲府を第二首都にしよう』
別に、みんな甲府に移住しろとか、甲府に国会を置けとか言っているわけではないのである。
ただ、東京に災害が起こった時の災害対策本部のようなものを甲府に置いたらどうか、という話である。
普段のアクセスも、中央本線特急で2時間、普通で3時間と、好立地である。(中央自動車道もある)
西日本各地から集まった物資を、甲府に集積する。甲府駅のすぐ近くに、甲府城跡がある。広い、その敷地を、救援物資の置き場として利用できるだろう。
普段は、そこそこの大きさの丈夫なビルを作って、そこに内閣府防災担当甲府分所を置く。今はね、インターネット環境さえあれば仕事どこでもできるんだから。
というか、働き方改革を本気でやるんだったら、それくらいはやらなきゃダメでしょ。
常駐で数十人置いておくだけでいいんだ。いざという時のために、様々な備蓄と、通信設備と、ヘリポートがあれば。
もうね、文化庁移転とかどうでもいいよ。半分くらい在宅勤務にしたらどうなんだろう。
これだから、お役所仕事は非効率的なんだ。
まあ、別に甲府じゃなくてもいいんだけどね。
無理なら立川でいいよ、立川で。
(ちなみに、山梨県議会議事堂は立派な建物です。)
[※1] 東京=横浜都市圏:東京・神奈川・千葉・埼玉の広い地域と、群馬・栃木・茨城の一部地域を含む。(拙訳)
Tokyo-Yokohama, Japan : Includes large areas Tokyo, Kanagawa, Chiba and Saitama prefectures and smaller areas of Gunma, Tochigi and Ibaraki prefectures.
DEMOGRAPHIA, Demographia World Urban Areas 14th Annual Edition : 201804 (p.17), http://www.demographia.com/db-worldua.pdf, 2018/12/31閲覧
[※2] DEMOGRAPHIA, Demographia World Urban Areas 14th Annual Edition : 201804 (p.22), http://www.demographia.com/db-worldua.pdf, 2018/12/31閲覧
[※3] 内閣府(2013), 特集 首都直下地震の被害想定と対策について(最終報告), http://www.bousai.go.jp/kohou/kouhoubousai/h25/74/special_01.html, 2018/12/31閲覧
[※4]東京都ほか(2018), 高潮浸水想定区域図[想定最大規模](浸水深), http://www.metro.tokyo.jp/tosei/hodohappyo/press/2018/03/30/documents/03_01.pdf, 2018/12/31閲覧
首都圏と関東の違いは、山梨が入ってるかどうかです。
やっぱ山梨大事だね!