異世界の案内人~その3~
「古の時代から伝えられる悲劇…それが全滅戦争なのです…」
重苦しい空気が場を包み込んだ
しかし、それがどう野球と繋がるのか私は気になっている
興味を持ち始めた
「私とセシリアは元々、『風のエレメントを守護する国=シルフィ』で暮らすエルフ族です…
私たちは破壊龍族と魔族と裏切りのダークエルフ軍団から壊滅的打撃を受けました…
野球のスコアで例えると九回裏100点差2アウトランナー無しの状態くらいです…
暮らしていた村々は燃えて灰と化しエルフ族やウィンド族などは……塵になりました……」
「ワタシも敵に捕まって『魔王』召喚の為に魔力供給の贄にされたのよ!」
なるほど、野球のスコアの例えしか理解できない
その手の冒険ゲームに全ッッッく興味がないから全ては理解できない…
こっちのことも理解してくれない彼女たちは説明を続けた…
「でもね、その『魔王』召喚の儀式のおかげで私たちは助かったの!」
「…彼らの目的は『魔王』を現世から召喚して私たちが暮らしている世界を闇の世界に変える恐ろしい計画でした…」
私は尋ねた
「もしかしてあなた達の世界を救った英雄が人間界から召喚された人物だったの?」
女神は肯いた
「そうです…彼こそ英雄であり…私たちを救った『魔王』そのものだったのです…」
なんてことだ
野球が異世界を救った例なんて私は知らなかった
それをこれから知ることになるけれど…
続く