代打はエルフ
相手ロッカールームまで私は走ったッ!
滅茶苦茶走ったッッ!!
すんごいスピードで走ったッッッ!!!
廊下は走らないの!注意の一声なんて聞こえなかった
私と代打バッターは何が違うのかわからない
どうしても確認して聞きたかった
その一心で走ってた
……なんて考えてたら相手のチームの選手が帰り支度を済ませてロッカールームからワラワラと湧いて出てくる
ひとりひとりの顔を確認しながら(アイツじゃない!コイツじゃない!)と心の中で呟く
最後の一人まで確認をしたのだが、「アイツ」は居なかった
代打のアイツはいなかった
集団の中で相手の一人を胸倉をつかんで私はアイツの居所を聞き出した
「ねぇ!最終回の代打のバッターはどこに行ったのよ!?」
「ハァ?知らねーよ!いてぇな!!その手を離せよ!」
「だったら居所を話してよ、そうしたら離してあげる」
「(なんだァ…コイツ…女の癖に腕力ががが…)」
私は相手の胸倉を離した
すると相手も観念して話した
ダジャレである
「もしかして『ボブ』のことか?」「ボブ?誰よ…私が探しているのは女の子よ」
「え?女って?アイツは大柄の男だぞ」「え?」
私は混乱した、私の眼に映っていた人は華麗で華奢な女の子
彼の話をしているアイツは大柄で外国から来た助っ人選手なのである
唖然としていると背後から口笛を吹きながらアイツ=ボブがやってきた
「トイレが混んでたわー!疲れたわー!ワワワワーワー!」
アホ丸出しでハンカチで手を吹きながらポニーテールの女の子が現れた
「ほ~ら!女の子じゃない!」「どこがだよ!180㎝の大柄の外国人だろうが!」
え?え?どういうことだろうか…
身長に関しては160㎝ぐらいで私とどっこいどっこいの身長差
腕は細くて色白で甘い香りがする
瞳の色も翡翠色
声に関しては甲高い声 耳も尖がっている
っていうか髪の毛が長いポニーテルであることも改めて驚愕した
しかし向こうも驚愕してた
いかにも正体がバレた怪盗の顔をしている
この出会いがお互いの運命を変えることになることになるなんて…
続く