いきなり九回裏のピンチ!?
「--野球がしたいか?
野球がしたいなら異世界へ行け…」
「…っとばせー!かっとばせー!」
夏の暑苦しい球場でボーっとしていたのか私は幻聴が聞こえていた
私は幼い頃から野球を始めて小学生までプレイをしていたのだが、体格や性別のこともあって中学生になってからは野球部のマネージャーに転生してした…
「よっしゃああ!九回裏!残り一人だぞ!」
ガラの悪い監督のガラガラ声がホームに響いた
中学生になってから三年間はマネージャーの裏方仕事に徹底していた
相手の戦力の判断をしたり選手の長所と短所を識別して己の野球経験を生かしたアドバイスもしてチームの勝利に献上していた
---だが、結局は個人の能力がモノを言う世界だ
どんなに守備が下手糞でも打たれない投手が入れば負けることは無い
チームプレイと言いながら投手個人の能力が極まればチームが負けることはない
結局、私が所属しているチームはそんなチームだ
スコアは九回裏3-0 2アウト 2ストライク
試合の流れはもう決まっている ここでいつも通りに投げれば勝利は確定
私の三年間が報われる
これで勝てば全国大会に出場決定 悲願の全国大会三連覇も夢ではない現実になる
あの時はそうだと思っていた-
そうだと思っていた-
あの代打交代から悪夢が起こるまでは-
カキーーーーーン
ピッチャーの汗で指が滑ってカーブボがド真ん中ストレートになってホームラン
3-1
スコアだと二点差のリードがあるが相手の陣地は数字じゃわからない程に盛り上がり燃えている
火から炎になってしまった 相手に反撃の狼煙が上がってしまった!
こうなると冷静にならないと行けないのだが、うちの監督は怒り心頭になった
結果は3-4 猛攻打線から逆転負けのスコアボードが写っていた
私の三年間は代打一人のホームランバッターから始まった打線によって打ち砕かれた…
続く