近くの森と初依頼
初依頼の為に、村から歩いて5分くらいの森にやってきた。ここに依頼の魔物が出るらしい。
さあ剣と魔法の世界で生きていく為の初めての仕事だ。結構緊張している。
会社の面接を受ける時くらい緊張している。・・・一旦落ち着こう。こうゆう時はやっぱりリン姉のお胸さまを見て落ち着くしかない。
・・・ゴク。落ち着かない。てかチラ見してるのバレたら怒られそう。あまりにもジロジロ見過ぎて怒られたら嫌だしあまり見るのはよそう・・・。たまにならいいよね?
依頼の内容はホーンラビットとフォースコッコ5匹ずつの討伐と、癒し草10本の納品だ。これは一人分だからこの倍の10匹ずつと20本だな。
癒し草は俺達が居た魔の森で結構多めに採集しているので2人分の20本の納品はクリアしたも同然。
問題はホーンラビットとフォースコッコだ。どこに居るか分からないので探して行くしかない。
とりあえず歩き回れば居るだろうと思い、森の奥に行こうとしたらリン姉に止められた。
「ジン君ちょっと待って、ホーンラビットとフォースコッコの居る場所が分かったから付いてきて」
・・・リン姉?まさか索敵スキル手に入れたのか?
「索敵スキル手に入れたの?」
「ううん。魔法で索敵魔法作った」
・・・おや?魔法を作れるの?確か全属性魔法だけでしたよね?
新しくスキル手に入れたのか?魔法を作れる素敵スキルを?
・・・う、羨ましい。魔法が使えない脳筋な人にも使える魔法って作れませんか?
魔法でリン姉がどんどん万能になっていく。
・・・負けてられないな。
このまま姉だけが万能になりすぎていくのをただ見ているだけなのは性に合わない。
リン姉に少しでも近づく為に、今まで以上の努力はしないとな。
とりあえずリン姉の索敵魔法より早く敵の場所を探せるようにならなくては!
最悪索敵出来るスキルを手に入れさえすれば、魔法がなくてもいけるはず。
こっち側に居るらしいから、居るであろう魔物の気配を探るんだ。
なんとなく視線を感じるとかの上位互換だと思えば、いけそうな気がしなくもない。
・・・うん。少しやったが分からん。やっぱそんな甘くないか。すぐには無理か。でもこの先重要なスキルになるだろうから、続けていこう。
森に入って5分ほど歩くと、リン姉に服を軽く引かれて止められた。奥の方を見るようにと奥の方を指差してきた。
指差された方向を注意深く見ると、額に角が生えた50センチくらいの白い兎が見えた。
きっとあれがホーンラビットだろう、名前通り角生えてるし。
さて、リン姉が静かに教えてくれたからまだ、ホーンラビットにバレてない。これ以上近づくとバレそうだしどうするかな。
「ジン君魔法で倒していい?」
耳元に小声で話してくるリン姉。そのまま唇をほっぺに当ててもええんやで?
「いいよ」
「じゃあ」
リン姉は人差し指をホーンラビットに向ける。
指先が光った後、小石が指先に現れ、徐々に速度を上げながら回転して、高速でホーンラビットの頭を撃ち抜いた。
・・・ごめんちょっと待ってね?
俺の投擲も大概やったけど、リン姉のなんかもっと大概やん。もうそれ銃じゃん。
狙いは指差しだけで正確に行えて、威力も申し分ないし、持ち運びしないといけないものもないし。欠点とかあるの?
それに比べて俺の投擲なんて・・・。物凄い魔法の格差を感じる。
それ連射とかさすがに無理だよね?無理ってことにするからね。
ステータスが上がったところで、あれ連射されたら勝てる気がしない。
「・・・凄いな」
もうね、いっぱいいっぱいの時の感想ってシンプルだよね。
「凄いでしょ、頑張って作ったんだよ」
もっと褒めてとニコニコしながら言ってくるリン姉。
可愛いなぁ~リン姉は、もうこの子俺のこと好きなんじゃないかな?お持ち帰りしていいんじゃないかな?
とりあえず魔法も作れて、ますますパーフェクトさに磨きがかかるリン姉の頭を撫でてと。まずはホーンラビットが一匹。この調子ならすぐに達成出来そうだ。
それから10分くらいでホーンラビット十匹の討伐が完了した。
リン姉は魔法で、俺は投擲で交互に倒し、お互い最後の一匹は、リン姉の作ってくれた剣で倒した。
俺達のステータスが高い為か、ホーンラビットの動きは早くなく走って近付いて、そのまま首を斬った。
豆腐を切るくらい抵抗なく斬れ、骨ごと斬ったのに刃こぼれ一つなかった。
この剣実はめちゃくちゃ良いものじゃないかね?硬くて、切れ味が良くて、瑪瑙みたいな感じで綺麗だし、リン姉が作ってくれたしな。うん、大事にしていこう。
リン姉は刀で斬っていた。まあ剣道とか居合いとかやってたし、刀振るう姿も凛々しくていいね。
リン姉の索敵魔法と俺の索敵スキル(予定)で、フォースコッコを探す。
リン姉に方向だけ教えてもらって、フォースコッコの居るらしい方向に集中しながら進んで行く。
なんとなく、気配が分かった様な気がした後、すぐにフォースコッコを見つけた。
鶏を1メートルの大きさにしたらこんな感じって言ったら伝わるか?てかそれ以外の言葉が見つからない。語彙が貧困な俺を許して。とりあえず、唐揚げとかにしたら何十日分にもなりそうだ。
何匹、いや何羽か。何羽か売らずに取っておこう。
そういえば、兎も何羽って言うんだっけ?兎も取っておこう、食べたことないけど美味しいかも知れないし。
さて、じゃあさっさと狩りますか。
5分くらいでフォースコッコの討伐が終わった。
たまたま5羽くらいが固まっていたりして、凄い楽でした。
『レベルが上昇しました』
最後の1羽を倒したら、レベルが上がった。
昨日はレベルアップに浮かれて忘れていたが、昨日倒したのは俺だけど、リン姉もレベルが上がって、今日はリン姉が最後倒したけど俺のレベルが上がった。
RPGのパーティーみたいな感じで、誰が倒しても経験値的な物が入るのだろう。
しばらく見なくてもいいかなとか思ったけど、やっぱり気になるよね?うん、教えてもらおう。
「リン姉、ステータス鑑定してもらっていい?」
「いいよ、はい」
リン姉は半透明のパネルみたいな物をこちらに見せてくる。
「リン姉これって?」
「鑑定のレベルが上がって、見せれるようにもなったよ」
「マジで?じゃあたまにステータス見せてくれる?」
「もちろん、見たいときはいつでも言ってね」
笑顔で、言ってくるリン姉。うん、可愛い。
じゃあ俺がどんだけ強くなったか見てみますかね。
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名前 西城 仁
年齢 18歳
レベル 9(↑1)
第一職業 討伐者
HP 3620/3620(↑310)
MP 0/0
力 1805(↑180)
耐久 1400(↑105)
魔力 0
器用 796(↑72)
俊敏 1063(↑82)
運 390
スキル
武術LV9(↑1) 剣術LV1(↑1) 肉体強化LV10 投擲LV2(↑1)
料理LV8(↑1) アイテムボックスLV3(↑1) 索敵LV1(↑1)
成長限界突破LV1
称号
異世界を渡った者 大器晩成 早熟 脳筋 魔法が使えない者
討伐者 採集者
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ステータスの壊れっぷりがヤバいな。
・・・もう魔力とMPは諦めたよ。こいつらはレベルでは上がらないと思う。道具だな道具でならいけるかもしれない。
運は上がらないから置いとくとして、器用以外4桁行ったな。
力が600とかの時点でヤバかったのに・・・。
上がり方はばらつきがあるのかね?力の上がり方が大きい、もしかしたら朝練とかが効いているのかもしれないな。
スキルも色々増えたな。やっぱりやれば覚えれるみたいだな。索敵とか増えてるし、けどレベル1になったくらいじゃ違いが分からない。少しでもやれば覚えれることも分かったし、これからもスキル習得は頑張っていこう。やればやるだけちゃんと成果が分かるのはいいね。
朝練や筋トレも怠らないようにして、ステータスやスキルを上げていくのはもちろん。やはり技術は磨かないといけないな。そうゆう技術は弱い者が強い者に勝つ為に長い時をかけて洗練されてきた技術だしな。磨いていくうちにステータスやスキルも上げれて一石二鳥ってやつだな。
だけどどうする?このステータスでは、相手になるのが今のところ居ない。朝練や筋トレだけでは限界があるし、同等以上の奴がそう簡単に見つかるとは思えないし、丁度いい相手なんて簡単に見つかる訳がないし、だけど少しでも早く出来ることをやっていきたいし・・・。
ああダメだいい案が浮かばん。後で頼れるリン姉に相談しよう。
「リン姉ありがとう」
「もういいのね、じゃあ今晩はお姉ちゃんのステータスだよ」
半透明のパネルが一瞬消えまた目の前に表れた。
「じゃあ見せてもらうね」
「どうぞ~」
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名前 西城 りん
年齢 19歳
レベル 9(↑8)
第一職業 討伐者
HP 820/820(↑500)
MP 3802/3802(↑2437)
力 815(↑320)
耐久 625(↑245)
魔力 3665(↑1760)
器用 1680(↑850)
俊敏 1370(↑620)
運 500
スキル
刀剣術LV8 魅了LV6(↑1) 肉体強化LV4 鑑定LV3(↑2)
隠蔽LV2(↑1) 魔力操作LV3(↑1) 全属性魔法LV3(↑1)
魔法創造LV1(↑1) アイテムボックスLV2(↑1) 精神強化LV1
称号
異世界を渡った者 極度なーーーー。 才色兼備 大器晩成 早熟
討伐者 魔法を操りし者 理を創りし者
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なんだ俺のステータスは問題じゃなかったのか。
結構真面目に考えてたんだけどな。
もうね魔力やMPとか、途中まで色々ツッコもうと思ってたけど、称号の最後みたら、全部飛んだわ。なんだよ理を創りし者って!
理ってなんか揺るがない法則みたいに思ってたんだけど、違うの?合ってるよね?合ってたら、うちのお姉様は法則を創ってしまうことになりますよ?流石にリン姉でもそんなことは無いよねぇ?
・・・あれ?なんだろう。ちょっとやりかねない気がする。
ま、まあ俺の姉ってことは変わりないし、可愛いし、別にいいかな?いいよね?
それよりも、理でもなんでも変えていいんで、魔法使えるようにしていただけませんか?
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