森と蜂
大変遅くなり、申し訳ありません。
仕事が忙しく度々遅くなると思いますが、これからもよろしくお願いいたします。
出来上がったオムライスにサラダ、スープをリビングに運び、ディレスティナさんと席に着き、オムライスを先ずは一口。
・・・旨い。自分で言うのもあれだけど。
ディレスティナさんも一口食べて一言。
「美味しいです!」
そう言ってどんどん食べていく。喜んでもらえたみたいで嬉しいな。
全部キレイに食べ終え、ディレスティナさんと皿を洗い、リビングで一休み。
ソファーに座りながらポーラの頭を撫でるディレスティナさんを見ながら、メイをぷにぷにとつつく。程よい弾力のメイはとても触り心地がいいなと思ってたら、撫でられて気持ちがいいのかポーラのしっぽがゆっくり動いてすぐ近くにあったからモフってみる。ポーラのしっぽもモフモフで気持ちいい、帰ったらいっぱいクロをモフろう。
「そろそろ昨日の場所に行きますか?」
「そうですね、お願いします」
昨日蟻を倒したところに連れて行ってもらう為に家を出る。結構倒したから素材ウハウハだな。
メイには腰に貼り付いてもらいながらディレスティナさんとポーラと歩く。
自分が今どこにいるのか一切分からないけど、ディレスティナさんとポーラは迷うことなく進んでいく。一人だったら確実に迷ってるな。
スマホの地図アプリが欲しいと切実に思う。
一時間ほど歩くと徐々に蟻の死骸を見かける様になってきた。
ディレスティナさんに拾っていいか聞き、「構いませんよ」と言われたので、目につく蟻を回収していく。
ひたすら前かがみの状態で回収してたら、中々に腰にくるので、立ったまま出来ないかな?と思い試してみると二メートル弱だったが、立ったまま回収が出来た。
歩きながらも出来るか試してみるとこれも出来て、回収速度が大幅に上がった。
進むに連れ増えていく蟻をどんどん回収しながら進んでいくと、大量の蟻の死骸と三十センチくらいの蜂が複数と五十センチくらいの蜂が飛び回っていた。
良く見ると五十センチくらいの蜂が一匹に対して三十センチくらいのが複数で戦っているように見える。
小さい方の蜂が針で刺そうとするのを大きい方の蜂が避け、また別の蜂が刺そうと突っ込んでいっていた。防戦一方って感じだな。
「すみません、ちょっと行ってくるんでここで待っててもらえますか?」
「分かりました。ジャイアントビーは毒はありませんが針が鉤爪の様に引っ掛かり抜けないので気を付けてください」
「なるほど、分かりました」
十中八九敵だと思うけど、一応確認はしておこう。
ディレスティナさん達と離れて蜂に近づくと蜂が漸く俺に気付いた。
小さい集団の方は敵意剥き出しになり、大きい方は・・・ってあれ、さっきカニ食べにきたやつじゃないか?
こっちに敵意を向けてこないし、大きい方に付くかな?
一匹に対して集団でよってたかってってのが気にいらん。
「勝手に加勢するぞ」
大きい方の蜂が頷いたのを見て、アイテムボックスから形の変になってしまった薪を取り出して構える。
「おらあぁぁぁぁ!」
蜂の集団に向かってぶん投げると、高速で回転し、複数の蜂を切り刻んで飛んでいった。
何が行ったのか分からない様子の蜂に向け更に薪を投げていく。
十本ほど投げる頃には蜂の集団がいなくなったので、手に持った薪をアイテムボックスに収納し、近くでホバリングしている蜂に向けて言う。
「大丈夫か?」
蜂は頷く。
「・・・一緒に来るか?」
蜂が今までで一番大きく頷いた。
「よろしくな、えーと」
名前どうしよう。蜂だからハッチー・・・ないな。黄色と黒のシマシマ、蜂。・・・うーん。キイロ、蜂、ビー・・・。
「お前の名前はキーだ!」
蜂もといキーは頷いた後、縦横無尽に飛び回った。喜んで貰えて良かった。
さてそろそろ、ディレスティナさんとこ戻ろうか。
「キー、そろそろ行くぞー」
そう言うと顔辺りまで降りてきてホバリングをする。こんなに近ければ羽音が聞こえるはずだけど、キーからは音がしなかった。まあ耳元で五月蝿くないからいいか。
キーを引き連れてディレスティナさん達のとこに戻りテイムしたと伝わると、ディレスティナさんに驚かれた。
「ジャイアントビーが人に従うなんて・・・」
「まあ、ご飯もあげたし、助けて恩に感じたんじゃないですか?」
「そうですね・・・聞いたことがないだけで、あり得なくはないですね」
「そうだ、キー、この人はディレスティナさんで、その相棒のポーラ、このスライムが俺のペットのメイだ。メイ、このジャイアントビーがキーだ、後帰ったらクロって言うブラックウルフもいるから皆仲良くな」
そう言うと、メイはぷるぷると震え、キーは頷いていたので大丈夫だと思う。
「じゃあそろそろ回収しましょうか」
「はい、私も容量は少ないですが、アイテムボックスがあるのでお手伝い致しますね」
「ええ、お願いします入りきらないのは集めといてもらえますか?」
「分かりました」
そう言って近くの蟻を回収し始めたのを見た後、反対側に向かって歩きだす。
三十分ほど歩き回り、山の様にあった蟻の死骸を全て回収し、ついでにキーを襲っていた蜂も回収した。蜂は四十匹ほど回収出来た、蟻は・・・二百までは数えていたけど、止めた。
回収と言う名の散歩をして、ディレスティナさん達と家に戻る。ディレスティナさんが百匹くらい集めれたらしく、そこから二十匹を貰った。
「多い」「少ない」と言い合い、なんとか二十匹にした。大量に回収出来てるし、要らなかったけど、「どうしても」と上目遣いで言われ、押しきられたとも言える。
・・・美女の上目遣いには勝てないと悟った今日この頃。
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