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森と美女2

遅くなってすみません。

  包まれるような感覚の中ゆっくりと目を開ける。


  目に映るのは知らない天井だった。・・・え?ここどこ?

  何時もの「知らない天井だった」とか言ってるのと違って、本当に分からない。

  起き上がろとすると、不意に腕から痛みが走る。


  「痛!」


  痛む腕を見ると、肘から先には包帯が巻かれていたが、所々抉り取られた形に沿っていて歪な形になっていた。

  ・・・これリン姉に言うのやだな・・・。

  リン姉がどんな反応するか考えるだけで気が重くなった。


  まあ、問題はこれは後回しにして、とりあえず再度起き上がろうとすると布団の隙間から見える俺の身体は何も着ていなかった。正確にはパンツ以外だが。更に隣には助けた?あのお姉さんがネグリジェみたいなスケスケな服で俺の腕に絡み付いていた。めっちゃ透けてるから!見たいとこ全部透けてるから!

  ・・・え?何この状況。

  目覚めると、裸(パンツ一枚)の俺に扇情的な格好の美女が横で眠っている。


  ・・・ゴクリ。俺まさか覚えていないだけで大人の階段登っていたのか?

  ちょっと待って、全く記憶に無いんだけど。助けたお礼にこの堪らない身体を無理矢理俺のモノにしようと襲ったとかじゃないよね?俺、そんなクズじゃないよね?


  純愛がいいとか、無理矢理は嫌だとか言ってるけど、この扇情的な格好に「我慢出来るか?」って言われたら、すぐには返答出来ない・・・けど、自分で言うのもあれだけど、俺ヘタレだし・・・。うん。なんか悲しい気持ちになったけど大丈夫だろう。


  でも流石に恋人でもない男女が、一緒の布団で寝るのは流石に不味いだろうと、ちょっと離れようとするが、反対側の腕は痛んで上手く動かせないし、身体を起こそうとすると、お姉さんは更に腕に絡んできて、弾力のある幸せの塊が俺の腕を包んでくるので、一旦離れるのは中止して全神経を腕に集中する。少しだけ腕の位置が悪いから少しだけずらすけど、他意はない。

  夢でしか揉んだこと無かったけど、お胸さまは色々な種類があるんだな。夢リンの柔らかい胸に、このお姉さんの弾力性も持ち合わせた胸。・・・皆違って皆いいと思う。女の人の身体は本当に神秘に満ちてるぜ。

  いつかハーレム作るから心おきなく、色々なお胸さまを揉ませてもらおう。

  五分くらい幸せについて考えながら感じていたけど、そろそろ起きよう。ちょっと我慢出来なくなりそうだし。名残惜しいがバインバインさんから腕を引き抜き、今度こそ起き上がる。

  嬉しいハプニングで、考えを放棄しちゃってたけど、意識失った俺の治療してくれたんだろう。起きたらお礼を言おう。後、口には出さないけど、お胸さまありがとうございましたと、一礼しておく。

  さて、流石にこのままパンツ一丁でいるのはちょっとあれなので、アイテムボックスから予備の服を取り出して着る。片腕が使えないから結構苦労した。

  着替え終わった頃にお姉さんが起きてきた。


  「おはようございます」

  「あ、おはようございます」

  「早速で悪いんですけど、自分はジンって言います。お姉さんの名前はなんて言うんですか?」

  「私の名前はディレスティナ・アーガルと言います。この度は助けていただきありがとうございます」


  ベッドから立ち上がり頭を下げてくるディレスティナさん。


  「頭を上げてください。困っている人を助けるのは当然じゃないですか。それよりも、治療していただきありがとうございます」


  そう言って頭を下げる。


  「いえ、私を庇って負傷されたのですから治療するのは当然です。でも、私では完全に治せなくて・・・申し訳ありません」

  「気にしないでください」

  「でも・・・」

  「知り合いに回復魔法をかけてもらうので大丈夫ですよ」

  「そうですか・・・ではせめてなにかお礼をさせてください!」

  「(お礼は既にもらったので)お気になさらずに」

  「助けていただいて、お礼をしないのは・・・」


  だんだん語尾が弱くなってきたディレスティナさんが顔は綺麗だけど、ちょっと小動物っぽくて可愛く見える。


  「なら二つほどいいですか?」


  そう言うと目を輝かせてこちらを見てきたディレスティナさん。


  「はい!」

  「じゃあ一つ目は朝食をいただけますか?」

  「ええ、この後準備しようと思っていたので、もちろん大丈夫ですけど、そんな事でいいんですか?」

  「いえいえ、食事はかなり大事ですよ。後は珍しい食材や美味しい食材があったらどこで入手したかも教えてください。それが一つ目です」

  「分かりました。では二つ目は?」

  「実はクレント村から来たんですけど、迷ってしまいまして、自力で帰れる自信がなくて、申し訳ないんですけど森の入り口まで連れて行ってくれませんか?」

  「なるほど、分かりました。案内は任せてください。ですが、ここから森の入り口まで、歩いて二日ほど掛かりますので、夜営の準備をしますので、帰るのは明日からで大丈夫ですか?」

  「え?そんなに遠いんですか?」


  半日くらいで着くと思ってた。俺は一体どんな速度で森を走ったんだ?


  「ええ、距離もありますけど、一番はここが魔の森の深層でして、出てくる魔物に注意しないといけないんですよ。この辺りの魔物は十体くらいなら余裕で倒せるのですが、昨日の様に群れで来られると太刀打ちできないんですよ」

  「なるほど、あの蟻とか大量にいたらヤバそうですね」


  最後に戦ったあの蟻を思い出す。確かに一体で万全の状態なら余裕だろうけど、あれが群れで襲ってきたらと思うと、ゾッとする。


  「いつもは最高でも十匹程度の群れのはずなんですけど、あんなに大群になっているのは初めて見ました。それにジンさんが戦った最後の蟻も見たことがありません」

  「え?そうなんですか?」

  「ええ、あんなに強い個体が居たら、こんなに長く生きてないですよ」


  なるほど大量にいた蟻も最後の蟻もイレギュラーみたいなものか。

  毎度あんなに大量の蟻やあの強さの蟻と戦うのはしんどいよね。

  けど、また腕が治ったらもう一度戦わせて欲しいと思う。


  途中気になってはいたけど、「長く生きてない」って、角も気になるとこだけど、ただの人じゃないのかね?

  けど「女性に無闇に年齢を聞くな」と、何があったかは分からないが、モテていた同級生から耳にタコが出来るほど言ってたから聞かないでおこう。

  けど年齢より気になるのは付き合っている人又は配偶者が居るかどうかだ。

  え?大事な事だよね?こんなに美人な人が彼氏や旦那が居ないって奇跡みたいなもんだから、居て当たり前、居なかったら儲けもので、是非とも親密な関係になりたいと思うのは当然ですよね。

  居たら?友達として仲良くなって終わりかな。人の家庭や人間関係を壊してまで、親密な関係になりたいとは思わない。

  どうせなら皆に祝福されて幸せになりたいと思うので、付き合っている人や配偶者が居た場合はスッパリ諦める。

  そういう考えを同級生に話たら、「だから仁は彼女が出来ないんだ」と言われた事があるが、それで出来なかったら諦めるので問題ないかなと思う。

  ・・・そんな事を考えていて今気付いたけど、奴隷を買ってハーレムにするのって実はほぼ強制なんじゃないかと気付いた。

  購入された方はほぼ拒否権がなくいからな、向こうが本当にいいって言ってくれるように頑張ろう。それなら大丈夫だと思う。


  「ちなみになんですけど、あの蟻の死骸とかってどうしたんですか?」

  「まだ、手を付けていません。よろしければ、朝食の後、あの場所に行きませんか?」

  「それはこちらからもお願いします」


  ふふふ・・・森の中で美女とデート(気分だけ)を取り付けたぜ。

  まだ相手が居るか分からないのがモヤモヤするが、とりあえず一緒に居れるだけでも良しとしよう。

 


 

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