装備と外出
美味しい朝食を食べ終わり今日の予定を話す。
「リン姉今日はどうするの?」
「皆のブレスレットと新しい装備作りかな?」
新しい装備?興味ある。
「ちなみにその新しい装備って?」
リン姉は顎に手を置いて答えた。
「えーと、お姉ちゃんの刀にジン君の手甲と脚甲にアイナとエレナの剣とか防具かな」
新しい手甲と脚甲・・・。気になる。
「なんか必要な素材とかある?今日は訓練は休みにする予定だったから、狩ってくるよ」
俺がそう言うと。
「なら皮が丈夫な魔物が居たら狩ってもらえるかな?」
「分かった、任せといて」
今日は素材集めだな。魔の森の奥にでも行くかな。
「アイナとエレナはどうする?」
メイド姿の二人に聞いてみる。
「今日は訓練ないんですよね?」
「ああ、昨日結構やったから今日は休息日にして身も心も休めてもらって、また明日からやろうと思ってる」
「昨日ほどじゃなければ、やっても大丈夫ですか?」
「まあ、昨日の疲れ具合と、明日に疲れを残さない程度ならいいかな」
「なら私とエレナはお屋敷の清掃などして少しだけ走ってこようと思います」
「そっか、無理しない程度にしてね」
「「はい」」
一度部屋に戻り、ブレスレットに手をかける。魔の森に行くから流石にブレスレットまで着けた舐めプは出来ない。ステータス10程度であの森に行くのは流石の俺でも無理だな。技術云々ではなく、攻撃がくると分かっていたとしても反応出来ずにやられそうだ。
うん。『減衰』『負荷』『厳戒』のリン姉の魔法だけでも、魔の森では結構厳しいけど、まあそれくらいなら修練と思って頑張ろう。ヘルゴブ並みに強いの出たら、その時はすぐに解除したらなんとかなるだろ。
ブレスレットを外すと、一気に体が軽くなる。
ああ、この解放感堪らないな。
ブレスレットをアイテムボックスに収納し、朱色のコートを取り出し腕を通す。
コートの重量を感じるより、身体が軽くなった気がした。
・・・一度着たコートを脱いでみると、軽くなった気がしたのはなくなった。もう一度着るとまた軽くなった様な気になる。
・・・これってもしかしたら、装備で能力が上がってるのか?
今までそんな風に感じたことはなかったけど、ブレスレットでかなりステータスが下がっていたから気付けたのか?
・・・分からん。まあ、でも大して強くない素材の装備でも能力が上がるならいい素材ならその分上がるかもしれないな。そう考えると素材集めにも力が入るな。
「じゃあ行ってきます」
リビングで寛いでる三人に声をかけた。
「行ってらっしゃい。気をつけてね」
「行ってらっしゃいませ」
「行ってらっしゃい」
美女達に送られながら家を出る。
これで「行ってらっしゃい。あなた」なんて言いながらチューとか憧れるよね。
うん。必ずハーレムを作って"行ってらっしゃいのチュー"をしてもらおう。そう心に誓い玄関の扉を開けて外に出る。
相変わらず村は賑わっている。早く兵達を強くして、ここの人達を守れる様になってもらわなきゃな。そんな風に焦ってしまうが、休息も大事だからしっかり休んでもらわないとな。
露店で食材を買い漁る。そろそろ小遣い稼ぎしないと食材代だけで大変なことになりそうだ。
一通り、露店を回ってそろそろ森に行こうと門の方に向かうと、また金髪ドリルとおかっぱの二人組を見かけた。
幸いこちらに気付いてないようだ。なら絡まれない様に少し迂回するかな。
そう思い、反対側の門に向き歩き始めた。
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