兵と訓練1
お胸さまに目を奪われて顔を見れなかったが、挨拶の後、顔を上げた時に顔を見たらアイナとエレナだった。
その二人の顔を見ると今でも鮮明に思い出す。あの柔らかく幸せの塊の感触を。それが自らを強く主張するように布を押し上げていたのだ。それに目を背く事が出来るか?いや、出来ない!
今も視線は二人の顔とお胸さまを行き来している。
ジンさんの初チューと初お胸さまの相手に動揺してガン見してしまうのはしょうがない事だと思う。
たった数十秒だったけど、いい目の保養になった。
綺麗な子の大きなお胸さまとかおしりは眼精疲労に効果があるんじゃないかと思う。
「二人がメイドをやってくれるのか?」
「はい、村長にジンさんの家のメイドを募集しているって聞いて、ジンさんのところで働きたくて村長にお願いしたんですよ」
それって俺と一緒居たいって事なのか?
いやいや、そんな都合がいい訳ないよな。
「そうか、二人がメイドになってくれて嬉しいよ」
「そ、そうですか?頑張りますね」
「僕も頑張るよ」
「ジン君。二人をお姉ちゃんに紹介して欲しいな~」
「お、そうか。二人はゴブリンに捕まってるところを助けたんだよ。姉のアイナと妹のエレナだよ」
そう言いリン姉に二人を紹介する。
「よろしくお願いしますね。リンお義姉様」
「よろしくお願いします。リンお義姉様」
「ええ、よろしくね」
なんか二人の言い回しが違う気がするし、なんかこう三人はピリピリしてないか?
「それでは私は一度戻って兵を連れてまいります」
そう言い、有無を言わさず立ち去った村長の後ろ姿を見ながら、村長が戻ってくる十分ほど、このピリピリとした雰囲気の中に一人残された。
十分ほど経ち十名の兵と共に戻ってきた村長のお陰でこのピリピリした空間から解放された。
・・・もっと早く戻ってきても良かったんだよ?
結局なんで三人はこんなにピリピリしていたのか分からずじまいだったのが引っ掛かったが蒸し返すのもあれなんでスルーしておく。
ピリピリした雰囲気を解消してくれた村長と、連れていた十名を軽く見る。
兵達は全員やる気に満ちていて、鍛えがいがありそうだ。
早速全員を引き連れ一度村の外に出た。
「皆を鍛えることになっているジンだよろしく。さて、この前のゴブリン達の襲撃は皆知っているよな?」
そう言うと全員が頷いた。
「二度と同じような事がないようにしたい。かといって、俺がいつもこの村に居るわけではない。俺が居ない時はここの兵、つまり皆に守ってもらわないといけない。だけど今のままでは蹂躙されるのが目に見えている。よって皆を鍛えることを村長と約束し、報酬もしっかり頂いた。よって必ず皆を鍛え上げようと思う。最初に言っておく、やる気がないのは例え能力が高くても今すぐ戻れ。逆に能力が多少低くてもやる気さえあれば、俺が鍛えてやる!」
それを聞いて一人くらい戻るかと思ったが誰一人戻らず代わりに歓声が上がった。
「マジで厳しくするからな?」
歓声は鳴り止まなかった。
「じゃあまずは武器、防具フル装備で村の周りを走れ」
「装備は着たままですか?」
「当たり前だ。あんた何も着けずに戦闘するのか?」
「いえ・・・」
「本来なら50キロくらいの重りを抱えて走ってもらおうと思ってたけど、準備出来てないし、最初だから軽めと思ったんだけど・・・」
「いえ、このまま走らせていただきます」
全員が同時に敬礼をした。
「じゃあいいって言うまで走れ。それじゃあよーいどーん」
俺はそう言い終わった後軽く走り始める。が兵達はまだスタート地点で狼狽えていた。
「あ、俺に抜かれたら連帯責任で一周追加な」
「「「!?」」」
漸く走り始めた兵達を軽く見た後速度を上げていく。
次はリン姉に訓練様に更に負荷がかかる装備でも作ってもらうか。
5分ほどかけてゆっくり走りスタート地点まで戻ると、リン姉と村長だけが残っていた。
「あれ?アイナとエレナは?」
「二人は兵と一緒に走って行きましたよ」
「あの二人も参加するのか・・・。まあ、いいか、リン姉悪いけど人数分の重りと、俺用に更に負荷がかかる重りを作ってもらえる?」
そう言うと。
「じゃあこれ着けてみて」
そう言いアイテムボックスからブレスレットを二つ取り出して渡してきた。
「これは?」
ちょっとおしゃれなブレスレットを見ながら聞くとリン姉は笑顔で答えた。
「お姉ちゃんの魔法でも、ジン君のステータスを下げるのにも限界かなって思ってね、魔法だけじゃなくて魔導具も合わせれば効果上がるかなって思って作っておいたよ」
なるほど、流石お姉様です。
早速このおしゃれなブレスレットを着けてと・・・!
なんだこれ・・・。体が鉛みたいに重くなったぞ。
これ二つ着けて動けるのか?
・・・いや、折角のチャンスだ。兵達だけじゃなくて、俺自身も鍛え上げてやるぜ!
もう一つのブレスレットも反対側に着ける。
「ぐぅ・・・」
めちゃくちゃきついなこれ。動くのもしんどいが、修練ってのはこうじゃないとな。
「じゃあ行ってくるよ」
そう言って歩き出した。
「行ってらっしゃい」
一歩進む度に、よろけそうになるのを必死に耐える。
全力で歩くこと十分。後ろからガシャガシャと鎧の音が聞こえてきた。
「ジンさん大丈夫ですか?」
横に着いたアイナ達に声を掛けられる。
「リン姉に半端なくきつい重り貰ったから、ついでに自分を鍛え直してるだけだから、皆はそのまま走ってくれ」
「分かりました」
そう言って再び走り始めた皆を見ながら、そのまま歩き続ける。
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