妹弟子と狩り1
渡された二丁を確認する。
どちらもシリンダーは付いておらず所謂オートマチック式になっていた。
「意外とシリンダー付けてリボルバーにするの時間がかかるからね、それよりマガジンに魔石を入れてそれをスライドさせて使用する方が簡単だったよ」
なるほど、確かにくるくると高速で回るシリンダーを取り付けるのは、シリンダーの軸部分とかしっかり作らないといけないだろうから手間がかかるのだろう。
「じゃあキャノンとラピッドはなんでリボルバーなの?」
「ジン君そうゆうの好きでしょ?」
シリンダーが回転して威力が上がったり、弾丸を発射したり・・・うん。めちゃくちゃ好きだわ。
「俺のは是非リボルバーでお願いします」
「分かったよ。ジン君の模擬戦用とユッコ達用はオートマチック式のマテリアルショットとマナラピッドシューターで、ジン君のはマテリアルキャノンとマナラピッドファイアで作っていくからね」
「是非お願いします」
新しいマテリアルショットとマナラピッドシューター・・・長いな。ショットとシューターでいいか。
キャノンとラピッドをアイテムボックスに収納し、ショットとシューターをホルスターに納める。
試し撃ちをしに行こう。
「ありがとうリン姉」
「後これ、魔石入れてハンドル回したらマガジンに入る大きさに加工出来るから、魔石手に入れたらそれで加工して使ってね」
拳くらいの大きさのハンドル付の箱を渡された。
鉛筆削りみたいだな。
「ありがとうリン姉」
鉛筆削りもとい魔石削りをアイテムボックスに収納し、早速魔物を狩りに行こう。
部屋に戻り、服を着替えてから一階に降りて玄関で靴を履いていると後ろからユッコに声をかけられた。
「あれ?ジンさんどっか行くの?」
「ああ、リン姉に新しい銃作ってもらったからその試し撃ちにな」
「私も付いて行っていい?」
「もちろん」
そう言い玄関の外に置いてあった、トランスポーターをアイテムボックスに収納して、ユッコと共に村の外へ向かう。
門のところでガイルと少し話した後、門を出てトランスポーターを取り出し、跨がる。
ユッコが後ろから乗ってくると思っていたが乗ってこないので、振り向くと、ユッコはトランスポーターより一回り小さいバイクに跨がっていた。
「そのバイク作ってもらったのか?」
「うん。皆で狩ったときの素材でね~」
いい笑顔で言うね。
「原付の免許しか持ってないんだから無理すんなよ」
「ふふん。ジンさんより運転上手かもしれないよ」
「言ってろ」
そう笑いながら返しスロットルを回し走り始める。後ろで慌てて動かし始めるユッコを置いていく。
流れる景色を楽しみながら走る。
この世界はどこまで広がってんのかね。・・・ハーレム作ったら皆で世界を走りながら回るのも面白いかもしれないな。
森に近づき速度を落とし、森の入り口でトランスポーターから降りて、ユッコを待つ。
遠くから砂ぼこりを巻き上げながらくる。
「やっぱバイクって最高だな」
やがて目の前で止まり降りてくるユッコ。
「ジンさん速すぎだよ」
「だろう。まあ頑張りたまえ」
ドヤ顔で答えた。
「次は勝つもんね」
そう言い、森に入って行こうとするユッコを引き止める。
「とりあえず、これ使ってな」
キャノンとラピッドを渡す。
「いずれリン姉から魔導銃作ってもらえると思うから、貸してあげるから練習しておきな」
俺はホルスターからショットとシューターを取り出し、ユッコに見せる。
「多分もらえるのはこっちだと思うけど、とりあえずそのピーキーなの貸してあげるから後で、これと変えてあげるから」
「なにがピーキーなんです?」
「キャノンは溜めないと威力出ないし、ラピッドはすぐには撃てないってとこかな」
「なるほど」
「まあ使ってみてだめならすぐにこれと変えよう」
「はーい」
本当に元気だなと思いながら、索敵スキルを使いながら森に入っていく。
すぐにホーンラビットを見つけた。
ショットを構えて、引き金を二度連続で引くと、拳大の弾丸が発射された後、一秒ほどでもう一発発射され、一発はホーンラビットに当たり吹き飛ばして木にぶつかり地面に落ちた。
・・・威力はフルチャージのキャノンの三分の一くらい・・・と。反動もなく、遅いけど連射もいけるな。
お次はと、シューターを木の影に隠れてるホーンラビットに向けて引き金を引く。木に傷を付けるだけで、ホーンラビットには全く当たらない。
・・・ラピッドの半分くらいの威力かな・・・。模擬戦には使えそうだけど、狩りでは使えないな。ユッコ達用のはもう少し威力を上げてもらおう。
逃げ出そうとしたホーンラビットを追いかけようとしたら、後ろから見覚えのある白い弾丸が飛んでいき、ホーンラビットの頭部を撃ち抜いた。
「やるな」
「銃の腕ならジンさんより上じゃないかな?」
「うるさいよ。こっち使ってから同じ事言ってみろ」
そう言い、ショットとシューターを投げて渡す。
ユッコはキャノンとラピッドをアイテムボックスに収納した後、俺が投げたショットとシューターを一度掌に当てた後、指と掌を使って回転させて、グリップを握り腕を重ねて構えた。
・・・無駄に似合ってるのがイラッとするな。
「ほら、さっさとキャノンとラピッド返せ」
「ええージンさん頂戴」
「うるさいさっさと返せ」
「ぶーぶー」
アイテムボックスから二丁を取り出し、しぶしぶ渡してくるので、受け取りそのままホルスターに納めて、森の入り口に引き返そうとする。
「え?ジンさんもう帰るの?」
「試し撃ちしに来ただけだし。それに新鮮なウサギ肉も入ったからな」
「もっと試し撃ちしようよ」
「いたぶって遊びたいって事か?」
「違うよ、食べる量が多いお肉はいくらあってもいいでしょ?」
たしかにうちには腹ペコさんが多い・・・ってユッコもその一員じゃないかな?
まあいいや。
「じゃあもっと狩って帰るか」
「流石ジンさん話が分かる」
「うるさいよ。ほらさっさといくぞ」
「はーい」
俺とユッコは更に森の奥に向かった。
お読みいただきありがとうございます。
ブックマーク登録ありがとうございます。




