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姉弟と狩り4

  森の奥に進んで行くと、一本一本の木々が太く高くなり、枝同士が当たる様になってきて、徐々に薄暗くなっていく。


  まだ昼にもなってないのに、これは中々・・・。

  もっと奥に進んでこれ以上暗くなるようなら、灯りが必要になるな。


  とりあえず今日はこの辺を回るか。


  索敵スキルで辺りを探すと、今までより多くの敵を感じる。あれか?RPGで言うところの"フィールドが変わった"ってところか?数だけじゃなくて、強いのが増えているのかね?・・・とてもワクワクしますね。


  更に2分ほど進むと、近くの森でよく狩っていたコッコより一回り大きなのを見かけた。

  魔の森で初めて見たけど、コッコがこんなとこに居て大丈夫だろうか?


  まあいいか、それじゃあ鳥肉ゲットしますかね。

  そう思い、近くにいるコッコに向けて走り始めたところで、コッコから火の玉が飛んでくる。

  それを横に飛んで避ける。

  「あのコッコ魔法使えるのか?」

  「あれは、マジカルコッコって言って、今まで狩ってきたフォースコッコが進化したものだね」

  なるほど。進化して魔法を使うようになったと。このコッコはいつも狩っていたコッコより強いのだろう。もしかしたら肉も更に美味しくなっているかもしれない。

  思わずにやけてしまう。

  「おっと」

  飛んでくる火の玉を手甲を使って流す。

  流した火の玉は後ろの木に当たり、小さな爆発を起こした後、木が倒れた。

  木って水分含んでるから燃えにくいんだっけ?

  それでもあんまり魔法を撃たせるわけにはいかないな、森がなくなってしまう。

  という訳で、速攻しかないな。

  コッコから火の玉が飛んでくるのと、後ろから水の弾丸が飛んでいきぶつかり消滅した。

  後ろをチラッと見ると、リン姉が親指を立てた。

  ・・・可愛い子がする動作はどれも可愛いよね。俺も親指を立てて応える。

  火の玉はリン姉に任せて、俺はコッコちゃんを直接狙いますかね。


  コッコに向け、全力で走り出す。飛んでくる火の玉を手甲で滑らして、リン姉に任せ、そのままコッコに飛び蹴りをするが、コッコの目の前で透明な膜の様なものに弾かれた。

  着地した瞬間にコッコから火の玉が放たれた。

  避けれないと判断して、防御する為に構えた。

  火の玉は手甲に当たり、先程と同じくらいの爆発を起こした。


  「ぐっ!熱っ!」


  手甲で防御をしたが、隙間から熱風が、当たる。流すか避けるかじゃないといけないのは中々厄介だな。それにあの蹴りを弾いた膜みたいなのは魔法か?あれもどうにかしないとじり貧になるな。連射はしてこないところが救いだな。

  俺の蹴りを弾いた魔法は、練気でどうにか破れたらいいな。駄目だったらリン姉にお任せしよう。リン姉の魔法なら普通に破れる気がするが、それは最終手段で取っておく。

  コッコの出す膜に蹴りや拳で攻撃しつつ気を溜めていき、時々放たれる火の玉を受け流したり、避けれるのは避けていく。


  5分ほど気を溜め、開放する。強い紅色の光を纏う。

  それじゃあ第2ラウンドといこう。

  先程とはうって代わり、力が上がった俺の攻撃はコッコの膜を一撃で破壊した。

  先程まで涼しい顔をして火の玉を撃っていたコッコも流石に焦りだし、下がり始める。

  走ってコッコの首を掴み、捻って仕留めた。

  意外にあっけなかったな。魔法使うコッコは防御力とかが低いのかね?

  あれだけ苦戦していたのに、練気使ったら余裕だな。・・・ただ、こんだけ光っていたら、今から何かしますよって言ってる様なものだから光が出ない様にしたいね。


  コッコを回収して、リン姉のところに戻る。

  「『ヒール』」

  「ありがとうリン姉」

  「うん。けど、もうほとんど治ってるけどね」

  どんどん人間離れしてくるな。

  「このコッコ後で調理してみよう。いつもより美味しいかもしれないし」

  「うん。楽しみだね」

  笑顔で言うリン姉。とても可愛いです。


  「じゃあどんどん行こう」

  俺とリン姉は近くにいる方向に向かって歩き出すと、全長が4メートルほどの体から火の粉が出ているバッファローと、足回りが異様に太くなった猪を見つけた。

  「イグニッションバッファローとパワフルボアだね」

  パワフルボアはなんとなく分かるけど、イグニッションってなんなんだ?・・・分からん。分からんけど、いつものホーンバッファローより強いだろう。あんな火の粉出してて弱かったら詐欺だろう。

  パワフルボアの方も全長は変わらないけど、あの足回りの太さ。とても力強そうじゃないの。

  おっと自然とにやけてしまった。

  「リン姉どっち行く?」

  「じゃあイグニッションバッファローで」

  「了解」

  さあ、行こうか。

  パワフルボアに向かって走り出し、飛び蹴りを当てる。

  蹴りを受けた、パワフルボアは多少よろめいたくらいで、ほとんど効いてないようだ。

  いいよ、いいよ。ワイルドボアはいつも一撃だったからな、そうでなくちゃ。

  パワフルボアは見た目とは裏腹に素早く動き、突進をしてくる。

  横にステップしながら手甲で受け流す。

  「ふぅ・・・」

  さっきのマジカルコッコみたいに、普通に防御したら腕へし折れるな。

  いいね。受け流しの練習に最適じゃないか。


  その後も、高速で突進してくる、パワフルボアを受け流し続けていく。


  10分ほど続けると、パワフルボアの動きが鈍くなってきた。とても楽し・・・いい練習だったけど、そろそろ倒そう。

  気を溜めていき、開放して紅色の光を纏う。

  「いい練習になったよ」

  そう言って、膝で顎を蹴り上げて、仕留めた。


  こいつも美味しくいただきましょう。アイテムボックスに収納しながら、リン姉の方を向くと、イグニッションバッファロー・・・長い!牛でいいか。牛の角と、刀で鍔迫(つばぜ)り合いをしていた。

  全長4メートルの火の粉を纏った牛と可憐でグラマラスな美女が角と刀で鍔迫り合いって・・・。リン姉も減衰とか自分にかけてあるはずなんだけど、どんだけ強いのよ。


  鍔迫り合いから、角を流しながら、胴を切り裂く。

  良く見ると、刀に水の膜みたいなのが付いていて、意図も容易く牛を切り裂いていく。

  遂にお姉様はRPGに良くある魔法剣的な物も使えるようになってしまったらしい。


  ・・・とても羨ましい。

 

 

お読みいただきありがとうございます。

ブックマーク登録ありがとうございます。

次回は2月8日に投稿させて頂きます。

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