休みと日常1
目が覚めると知ってる天井だった。
いやね今日もいい夢見れるかなとか淡い期待を浮かべながら寝たけど、普通に良く眠れただけでした。
良く眠れることはいい事なんだけどね・・・。
てかこの湯たんぽ(クロ)、モフモフしてて暖かくて快眠に最適かも知れん。愛用して行こう。・・・夏以外は。
湯た・・・クロを起こさないようにベッドから這い出て、着替えて庭に出て素振りと練気の修練を行い、起きてきたリン姉と朝食を取る。
「リン姉今日どうするの?」
「うーん。色々作りたい物あるから物作りかな~」
「じゃあ、ボウルと皿の追加とハンドミキサーと冷蔵庫みたいな冷やせるもの作ってもらえる?」
「分かったよ。作ってみるね」
「うん。お願い」
「ジン君はどうするの?」
「厨房を借りれたから色々作っとこうかなって。クロにご褒美あげないといけないし」
「じゃあお昼はジン君のご飯食べれるの?」
「何がいい?ってあんまり凝ったものはレシピ覚えてないし、調味料ないから作れないけど」
「うーん。うーん・・・」
うんうん唸って考えるリン姉可愛い。
「ハンバーガーとポテトが食べたい」
「分かった、サイズは?」
「特大で」
「了解、じゃあちょっと露店とか行ってくるよ」
「行ってらっしゃい」
とりあえず露店に行って、エルザード商店行って色々買いますかね。
露店に着くとまだ朝なのに賑わっていた。
良く調味料を買う露店を覗き、調味料を買い漁り、野菜を売っている露店で、お目当てのトマトと、レタスのような葉物野菜や、玉ねぎ、ジャガイモ等を買い漁った。露店で目ぼしい物はこれくらいか。
エルザード商店の方に歩き、店の前で、店のオーナーを見かけた。
「おはようございます、レザードさん」
「おはよう、元気にやってるみたいだね」
「ええ、お陰様で」
「ところで、その・・・料理の方はやってるのかね?」
「調味料を少し作ったくらいで、そんなにはしてないですね」
「なるほど、その調味料はハンバーグには合うのかね?」
「いやハンバーグには合わないですね。ハンバーグに合う調味料はこの後、宿の厨房を借りて作ろうと思いますけど」
「今日是非泊まりに来なさい。いえ泊まりに来てください!」
おおふ、どんだけハンバーグ求めてるのよ。
「食材用意していただけるのなら、作りに行きますよ」
「本当か!?」
「え、ええ」
めっちゃぐいぐい来るレザードさんに少し引きながら答える。
「なら、必要な物を・・・おーい!」
喋ってる最中に近くの商人を呼ぶ。
「これはレザード様どうされましたか?」
「こちらのジン君の買い物に付いて、必要な食材を聞いて、家に届けてもらえるか?」
「畏まりました、それではジン様参りましょう」
「それではジン君くれぐれも、くれぐれもよろしく頼むよ」
「は、はあ」
あれ変だな、いい歳したダンディーなオヤジさんのはずのレザードさんがスキップしてる様に見えるけど、俺疲れてるんだろうな~。
てか、ゆっくり買い物しようと思ったら、商人さんはがっつり付いてくる感じでしかも、メモまで用意して、準備万端だ。
しょうがないさっさと買って帰るか。
食料品を取り扱っている1階を回りパンや野菜、調味料を購入し、足りない食材を商人さんに教えてから、宿に戻った。
宿の食堂に入ると人は疎らで、少し暇そうにしていたマリーちゃんに話しかける。
「マリーちゃん早速厨房借りていい?」
「いいですよ~」
厨房に入ると、マリーちゃんの父親でこの宿の主人の親父さんが居た。
「おはようございます、厨房お借りしますね」
「おう、レシピありがとよ。それにマリーやカーナの相手してもらって」
「いやいや気にしないでくださいよ」
そう言いリン姉特製寸胴鍋をコンロの上に起き、買ってきた野菜や鳥肉をテーブルに出していく。
「俺も見ていていいか?」
「いいですよ、あ、マリーちゃんノランを呼んできてもらえる?」
「はーい」
2分ほどしてノランが現れた。
「お待たせなのです」
「じゃあ手を洗って、野菜の皮剥きお願いするね」
「はいなのです」
危なげなく野菜の皮を剥いていくノランの姿を見て安心したので、こっちを隠れながらこっちを見ているユッコを捕獲し、マヨネーズ作りをさせる。・・・大量に。
マヨネーズを大量生産させている間に解体で見た目綺麗な鶏ガラを水で良く洗う。血とか付いてたら生臭くなるからな。
良く洗った鶏ガラと、野菜、調味料、水を鍋に入れ、火を付ける。
このコンロ使いやすいな、新しい家のやつも使いやすいといいな。
マヨネーズ作りを一度確認して、まだ卵を割ってる最中なので、もう一つ鍋を出して、水を入れて洗った大量のトマトを入れ火を付ける。
こっちはまだまだかかるので、先ほどの鶏ガラ等入れた鍋の中をお玉で何度か回し、またユッコのマヨネーズ作りを確認する。
卵白の入ったボウルは回収し、調味料を投入してあげ、また混ぜさせた。
ある程度混ざったので、油を少しずつ入れてあげ、混ぜ続けてもらう。
途中ヒーヒー言っていたが、消費量1位なんだから頑張りなさい。
火にかけたトマトを取り出し軽くアラ熱を取り、皮を剥いて、切り刻んだ物をボウルに入れる。
鶏ガラを煮ている鍋の火を少し弱め、トマトを茹でた鍋を洗い、水と塩を入れ、卵を敷き詰めて火を付ける。
ユッコのマヨネーズを見る。良さげかな?スプーンで少し掬い指に落として味見をする。塩と胡椒を少しだけ入れて軽く混ぜ、再度味見をする。
よしこんなもんだろう。マヨネーズの入ったボウルを収納し、卵とボウルを取り出し、マヨネーズ係りに渡す。
「まだ、作るんですか?」
「いやいや全然足らないから」
しぶしぶ卵を割り始めるユッコを尻目に、卵を適度に回しながら、鶏ガラの方も混ぜているノランを見ながら、パンの端を取り出し、少し切って、形を整える。
油の入った鍋を取り出し、空いてるコンロに置き、火を付ける。
マヨネーズ係りから卵を3ほど拝借し、ボウルに割り、かき混ぜる。
油も温かくなったので、パンを卵に軽くつけ、油に投入していく。ある程度揚げたら、取り出し網にのせていく。
全部揚げ終わり、油の鍋を収納し、揚げたパンに軽く砂糖をまぶしていく。
一つ味見をする。まだ熱かったが、甘くて旨かった。
次は何を作ろうかと考えていたら全員の視線が揚げパンに注がれていたので一本ずつ渡し、アイテムボックスに収納した。
マヨネーズ係りは作る度に要領良くなっていて、今は油を少しずつ入れながら、ひたすらかき混ぜる作業をやっている。
揚げパンをあげてから、動きが良くなったように感じるのは気のせいかな?
なんか言ったら甘いもので釣ろう。
茹で卵がそろそろなので、一度作業を止め、卵剥きに勤しむ。・・・ユッコはそのままマヨネーズ係りだけど。
殻剥きが終わった頃には、マヨネーズも出来ていたので、味見をし、いい感じだったので、ユッコにマヨネーズを付けた茹で卵を進呈して、皿に揚げパンを出して、休憩にした。
2階に上がり自室で物作りに励んでいるリン姉に、揚げパンを差し入れる。
「作ったから食べて」
「ありがとう。これ頼まれてたボウルとハンドミキサーと冷蔵庫ね」
ボウルと皿が20枚以上と家で使っていた形そっくりな、コードレスのハンドミキサーに旅館とかにあるくらいの小型の冷蔵庫を受け取った。
「リン姉ありがとう」
「これで美味しいものいっぱい作ってね」
「頑張るよ」
「ハンドミキサーと冷蔵庫用の魔石はこれね。ここから入れてくれればいいから、何個か入れとくと多少長持ちするからね。後、魔石余ってない?」
魔石を綺麗に丸くしたものを渡される。紫色のビー玉みたいだ。
解体して、肉だけ食べてた魔石を全部渡す。
「ありがとう、これだけあれば考えてた、ジン君用の装備が作れるよ。楽しみにしててね」
「楽しみにしてるよ、それじゃあ昼になったら呼ぶね」
「うん。差し入れありがとね。ジン君の料理楽しみにしてる」
さて、それじゃあ気合い入れて作りますか。
厨房に戻り、早速冷蔵庫とハンドミキサーを取り出し、冷蔵庫に魔石を入れ、横に付いているレバーを引くも特に変わった様子はなかったが、扉を開けると、確かに冷気が出てくる。
上手く起動しているのを確認し、今度はハンドミキサーに魔石を入れ、取っ手に付いたレバーを指で引くと、先端の泡立て器が回る。これも上手く起動出来たな。
ユッコに渡しマヨネーズ大量生産してもらう。ブーブー言ってたユッコもハンドミキサーで楽に作れるから文句を言ってこなくなった。
あれからずっと煮ている鶏ガラは、親父さんとノランによって、丁寧に灰汁も取られていた。今回試作だからこのくらいで、いいかな?
新しく寸胴鍋を取り出し、その上に網のボウルを置く。
火を止め、鍋をまるごと網の上から新しい寸胴鍋に移し変え、網の上の野菜のみ鍋に戻し、アイテムボックスに収納した。
これでブイヨンが出来た。
卵を茹でた鍋を軽く洗い、ボウルに入れてあったトマト、早速出来たブイヨンを入れ火を付ける。
ブイヨンで使った、玉ねぎを細切れに切って鍋に投入し、ひたすら煮る。
ワイルドボアとホーンバッファローの肉を取り出し、ノランに教えながらミンチを大量に作っていく。
ノランはのみ込みが早く、どんどんミンチを作っていくので、俺は途中からパンを削りパン粉を作り、玉ねぎの皮を剥き、すりおろしていく。
これからも大量消費することを考え、それぞれ50キロずつミンチにし、大量に作ってもらったボウルにワイルドボアとホーンバッファローをそれぞれ2キロずつとすりおろした玉ねぎを入れ、卵とパン粉に塩と胡椒、ハーブ類を入れてノランに手でこねてもらう。見ていたマリーちゃんと親父さんにも教えながらボウルに混ぜていき、こねてもらう。
残りにもすぐに混ぜれるように同じ様に入れ、アイテムボックスに収納しておく。
ブイヨンとトマトを煮立たせている鍋をお玉で回しながら、トマトを潰していく。
だいぶ水分が飛んだので、砂糖と塩と胡椒、細かく切ったハーブ類をほんの少し入れ、混ぜていく。途中何度も味見をして味を整え、鍋を水に付けアラ熱を取る。これで冷えたらトマトケチャップの完成だ。
こねていい感じになったのを取り、両手でキャッチボールをするように空気を抜き、円形に整えていく。
全て、形を整え終わり、一度アイテムボックスに収納した。
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