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姉弟と狩り1

  クロがダブルスコア以上の差をつけて勝利した。

  まあクロの方がレベル高いみたいだししょうがないか。

  お互い頑張ったし次に繋がるだろう。


  さて、勝利したクロが満足出来るほど量はあるが、ご褒美なんだし、クロの気に入ったのを食べさせてやりたいな。


  また魔の森に行くか、まだまだ見たことない食ざ・・・魔物がいるだろう。


  女の子達にちやほやされてるクロを見ながら午後の予定を考える。決して羨ましいとかじゃない。


  「休憩したら、4人とクロはまた森の中で狩りだな、クロ今度は自分で狩らずに、4人に狩ってもらえ、危なくなったらクロの判断で助けてあげてくれ。出来るかクロ?」

  「わふっ!」

  「じゃあ頼むな、4人もそれでいい?」

  「大丈夫です」

  「大丈夫です」

  「大丈夫だよ」

  「大丈夫なのです」

  マリーちゃん、カーナちゃん、ユッコ、ノランは返事をしてくる。まあクロもいるし、4人で100匹以上狩れるなら大丈夫だろう。

  例外であんなゴブリンが居たら話は変わってくるが、あんなのがゴロゴロ居たらこの国はとうに終わってると思う。


  「じゃあ、また3時間くらい狩ったら村に戻るように。遅くなっても日が沈む前に村に戻れよ。後、くれぐれも無理はするなよ」

  「ジンさん達はどうするんですか?」

  「俺とリン姉は魔の森で狩りかな。それじゃあまた村で」

  「宿に帰ってますね」

  「それではまた」

  「じゃあまたね~」

  「またなのです」


  俺とリン姉は皆と別れ魔の森に向かった。


  リン姉と二人っきりで狩りなんて初日ぶりか。リン姉も強くなってるだろうし、俺も頑張らないとな。


  他愛ない話をしながら、魔の森の入り口に着く。

  「じゃあ行こう」

  「うん」

  俺は大剣を肩から抜き放ち、一振りした後、持ったまま歩き出す。

  「『索敵』」

  リン姉が索敵魔法を使ったので、俺も索敵スキルを使う。


  少し歩くと、所々離れて、居るのが分かる。結構スキルレベル上がってきたんじゃない?


  一番近くに行くと、以前倒した、あの蟹が居た。

  「前渡した蟹の甲殻はあの蟹のだよ」

  「なるほどね、お姉ちゃんが戦うから、ジン君危なくなったら助けてね」

  「分かった」

  俺は少し離れるが、リン姉が危なくなることあるのだろうか?

  一応減衰と負荷の魔法使ってるらしいけど。危なくなる想像が出来ない。

  リン姉は、蟹に向かって走り出し、蟹が気付いた時には、腕をクロスさせ左右の腰から刀を抜き放ち、切り刻む。

  硬い蟹の甲殻に刀傷を付け、蟹の鋏を一撃を一瞬霞み回避する。

  なんだあれは?モヤみたいに霞んだ様に見えた。分身?幻術?良く分からんがそうゆう感じの類いだろう。

  やっかいなものを手に入れてるな。


  離れて見てるから分かるけど、霞んで回避した後、蟹の死角を通り一気に蟹の反対側にまで移動する。蟹から見たら消えた様にしか見えないはず。

  離れて全体を見ることで、どうにか分かるレベルだ。まあ、理解出来るのと、実際に出来るのとじゃ天と地の差があるけど。


  俺が同じ事をやろうと思ったら、ギリギリで攻撃を受け流し、体勢を崩してる最中に、全力で走って移動する。

  どう考えても同じではないな。避ける方法も移動速度も全然違うな・・・。


  俺が考えている間も、何度も回避しては、同じところを正確に斬っていき、ある程度斬ると、大振りの一撃で胴を切断した。


  後で聞いたら鑑定でHPを見ていて、丁度のダメージを与えて倒してるらしい。


  ・・・あのゴブリン倒していい気になっていたら、すぐに置いていかれるな。


  倒した蟹を回収して戻ってくるリン姉。

  「お待たせ」

  「お疲れ、余裕そうだね」

  「意外と大丈夫みたい。ジン君がくれたメタルクラブの甲殻から作った刀じゃなかったら刃こぼれしてたかもしれないけどね」

  「じゃあこの大剣も相当硬そうだね」

  「多分本気でやれば脚の一本は簡単に斬れるよ」

  「そっか、じゃあ次は俺がやらせてもらうよ」

  「うん」

  それを出来るのはリン姉だけだよと、突っ込むのを我慢して、次の魔物に向けて歩き出す。


  2分程歩くと今度は全長3メートルくらいの熊が居た。

  「あれはバーサクベアだね」

  なるほど、熊か。格闘戦にはもってこいだな。大剣使うつもりだったけど、変更で。

  「じゃあ俺がやらせてもらうね」

  「うん、頑張ってね」

  可愛いく応援してくるリン姉にほっこりして、手に持っていた大剣を鞘に納め、アイテムボックスに収納する。

  リン姉にもらった手甲の感触を確かめ、バーサクベアに向かって飛び出していく。


  バーサクベアの手前で飛び、延髄(えんずい)に蹴りを入れるが多少よろめいたくらいで大したダメージが入っていないようだ。熊って延髄効かなかったっけ?それとも魔物は体の作りが違うのか?

  そんなことを考えていると、鋭い爪で突き刺そうと前足を伸ばしてきていた。

  「ふっ!」

  頬スレスレで避け、顎にハイキックを当てるが、効いてる様子はない。それどころか攻撃されて怒り狂ってる感じか。

  こっちの攻撃はほとんど効かず、向こうのは一撃喰らえば致命的ってとこか・・・。いいね。バーサクベアめちゃくちゃいいじゃないの。

  バーサクベアの懐で左右と連打する。たまにくる大振りの一撃一撃を脇を締め、腕を立て接触し始めたら腕をずらして受け流し、更に拳を叩き込む。

  左右のコンビネーションに蹴りを混ぜ、威力と連打の速度を上げていき、前足の攻撃を蹴りで弾き、連打を続ける。

  何度も繰り返し、よろめいたバーサクベアは前足を振り上げた後、そのまま振り下ろしてくる。

  振り上げを一歩後ろに下がって避け、振り下ろしてくる前足を掌を滑らせる様にして受け流して体勢を崩させて、その場で飛んでバーサクベアの眉間に全力で拳を叩き込む。

  少し効いたみたいで、よろめくバーサクベア、俺は着地してすぐに飛んで前回りしながら眉間に踵を落とす。

  バーサクベアごと倒れるが、受け身を取り、すぐに起き上がる。

  バーサクベアはヨロヨロと起き上がろうとしていた。


  ここだと思い、俺は少しずつ気を溜め始める。

  そんな俺に気付いたバーサクベアはヨロヨロと2本足で立ったのを前足を地面に下ろして4本足になった。地面をかき、闘牛の様に地面を掻いている。


  そのまま突進し始めるバーサクベアを見ながら、紅色のオーラを纏い構える。

  「おおぉぉぉぉ!」

  突進から飛び込んできながら爪を向けてくるのを紙一重で避けつつ全力でバーサクベアの眉間に拳を叩き込み、殴り飛ばした。

  「ふぅ~」

  殴り飛ばしたバーサクベアを確認すると、既に事切れていた。


  バーサクベアを回収し、リン姉のとこに戻ると、リン姉もバーサクベアを一頭倒していた。バーサクベアを見ると小さなキズはなく一撃で倒されていた。

  リン姉もステータス下げているはずだし、得物は同じ蟹のものなんだけどな・・・。


  ここまで違うものなの?自信無くすわー。


  「お疲れ様ジン君凄いね!」

  「いやいや俺よりリン姉の方が凄いでしょ」

  「ううん。まだステータスに頼ってる。さっきの見てて、ジン君がヘルゴブリンキングを倒せた理由が分かったよ。実はさっきのバーサクベアはジン君のステータスの倍くらいあって、危なくなったら助けようと思ったんだけど無傷で倒しちゃうなんて、やっぱり技術が大事だって分かったよ。お姉ちゃんも負けていられないよ」


  「え?そう?照れるなー」

  (天才)に褒められて悪い気はしない。・・・ちょっと気恥ずかしいけど。


  大剣を再度取り出し、更に奥に向かっていく。


  次に見かけたのは、ファンタジーの定番のドラゴンだった。

  全長は5メートルを超え、体全体を覆う鱗、額にはリン姉の刀位ある角、巨大な顎に、鋭い爪、人の胴回りくらいの太さの前足、人の身長くらいの太さの巨大な後ろ足、脚に劣らない巨大な尻尾。


  めちゃくちゃカッコいいな。

  「あれはレッサードラゴンだね、メタルクラブより強いみたい」

  なるほど、それは楽しみだ。

  大剣を鞘から抜き放ち、構える。

  リン姉も刀の柄を持ち居合いの形になる。


  二人で共闘か、初めてなんじゃないか?

  「じゃあ行くよ」

  「おう」


  俺は左側から、リン姉は右側から、走り出し、レッサードラゴンに近づき、駆け抜ける時に右の腰辺りから全力で、丈夫そうな足を斬ったが、多少傷がついたかな?くらいの傷しか付けれなかった。

  走るのを止め、振り向くとリン姉も同じ様に止まって、もう一振りを抜き放ち、二刀流で構えていた。リン姉の方も同じくらいしか傷付けていないようだった。


  どんだけ硬いんだよあの鱗。"レッサー"でも流石ドラゴンって言ったところか。


  今度は、気を溜めながら走り、斬り付ける前に気を纏ってみたが、先ほどよりは切れてるかな?くらいで当然レッサードラゴンに効いてる様子はない。

  リン姉は高速回転する茶色のバレットを撃つが、硬い鱗によって弾かれる。


  さっきのバーサクベアより硬い、もしかしたらメタルクラブ並みに硬いかもしれない。

  おっとよだれが。思わずにやけてしまう。いかんいかん、集中しなければ。


  攻略方法は、同じ場所に攻撃を集中して部位破壊かな。

  尻尾の方はリン姉がなんとかするだろうから、俺は足かな?

  気を溜めながら近づき、傷付けている場所をひたすら斬り続ける。ある程度気が溜まったら纏ってさらに斬り続ける。

  「うおぉぉぉぉぉぉぉぉ!」

  少しずつ傷が深くなっていく。

  剣術を習っていないので、力任せに左右に斬っていく。

  レッサードラゴンは大口を開けて噛み付こうとしてくるのを大剣の側面を滑らせる様にして、受け流す。

  流石にバーサクベアとは攻撃力が違うのか、受け流すだけで、反撃する余力はなかった。

  続けて爪で引き裂こうとするのを再度大剣で受け流すと、俺が反撃出来ないほど劣勢だと感じたのか、続け様に顎や爪を使い連続で攻撃してくる。


  攻撃出来ないから劣勢?いやいや、冷静に受け流して、こっちが安全に攻撃が出来る様に機会を伺ってるだけですよ?


  それに、俺ばっかり構ってていいのか?戦ってるのは俺だけじゃないぜ。

  白色のオーラを纏った娘が居合い斬りで尻尾を文字通り一刀両断した。

  「ギャアアアア!」

  尻尾を切られて暴れ始め、今度はリン姉の方を向き引き裂こうと前足を振り回す。

  「リン姉ばっかり構ってちゃ危ないぜ」

  「おぉぉらぁぁぁぁぁ!」

  再度オーラを纏い、切れた尻尾から駆け上がり、勢いを付けて大剣を振り抜き頭を叩き潰した。


  「おわぁぁ!ぐふっ!」

  勢い付け過ぎて、上手く地面に着地出来ず転がり、途中の岩にぶつかった。

  ・・・すげー痛い。

 


お読みいただきありがとうございます。

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