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初めての戦闘とレベルアップ

 

  (天使)の鑑定スキルのおかげで、魔法が使えない脳筋ステータスの俺と、スキルもステータスも良さげな、パーフェクト美少女のりん姉は、30分ほど森の中を散策しながら、人の住んでるところを探していた。


  ただ散策するのもあれだから、りん姉に魔法の練習をするように促してみた。

  流石に森の中で火の魔法は止めておき、風の魔法を使ってもらう。


「じゃあいくね、『エアー』」


  手のひらから風が起こり、りん姉の綺麗な黒髪を揺らした後、風はなくなった。


「・・・発動も、止めるのも、思うがままって感じかな?威力の方はかなり抑えてこれだから本気出したら凄いことになりそう、落ち着いたら色々試してみるね」


  やっぱり魔法は良いもののようだ、とても欲しい。

  りん姉はMPの消費具合を見る為にステータスを確認しているみたいだ。


「仁君、魔法使ったら、魔力とMPが増えた」


「・・・はぁ?」


  魔力は分からんけど、MPは減るだろうと思い、地面にステータスを書いてもらった。


=============================


 名前 西城(さいじょう) りん

 年齢 19歳

 レベル1

 第一職業 なし



 HP 320/320

 MP 1358/1361(↑1)


 力 490

 耐久 380

 魔力 1901(↑1)

 器用 830

 俊敏 750

 運 500


 スキル

 刀剣術LV8 魅了LV5 肉体強化LV4 鑑定LV1 隠蔽LV1

 魔力操作LV2(↑1) 全属性魔法LV2(↑1) 精神強化LV1

 アイテムボックスLV1 成長限界突破LV1


=============================


  称号は変わってないから書いてないそうで、ステータスとスキルだけ書いてもらった。

  確かに魔力もMPも増えてた。

  うん、うちの姉ヤバくない?魔法一回使っただけでステータス上がるとか。しかも消費が少ないし。

  なんていうか、流石りん姉。


「とりあえず、無理しない程度に魔法使用して、まだ増えるか確認するね」


「じゃあ俺はせっせと採取しますかね~」


  チート過ぎる姉に負けないよう、見つけた物は、片っ端からアイテムボックスに収納していこう。


<石>

 レア度 1

 なんの変哲もない石、形は様々。


<枝>

 レア度 1

 なんの変哲もない枝、形は様々。


<草>

 レア度1

 なんの変哲もない草、食べられないこともないが・・・。


<癒し草>

 レア度 2

 HPが少しだけ回復する草。

 苦く、回復量も少ない為、そのままでは使用しない場合が多い。


  魔法の合間に鑑定をしてもらう。やっぱ便利だよな。見るだけでいいんだもんな~。

  俺も欲しかった。


  とりあえず石は投擲(とうてき)武器としても、(かまど)としても使えそうなので、全部アイテムボックスに収納した。

  枝も燃やして料理や暖を取る為に、見つけたものも全て収納した。

  癒し草は生えてこなくなると悪いので少しだけ残し拾った。

  こんだけ収納しても限界にならないアイテムボックスはチートだな。結構な量アイテムボックスに収納したが入らなくなることもなく。無限に入るんじゃないかと思うほどだ。


アイテムボックスと、念じると半透明なウィンドウが出て、横10マス、縦10マスのマス目が出てくる。石の絵と×37と拾った個数が書いてある。100マスでその一つ一つが複数入るのか。


相当入るな。


  鑑定は何回か行ったら、レベルが2に上がった。レベルが上がっても特に変わったとこは無いらしい。もっとレベルが上がらなければ、変わらないのかもしれない。


  魔法を使う度、1とかくらいだが、MPと魔力は上がっていってるそうで、あれからずっと魔法を放っているので相当上がってると思う。



  アイテムボックス内の石の数が増えるのが楽しくなってきたころ、少し離れたところに、イノシシのような獣を見つけた。

  イノシシ?はこちらに気付くことなく、地面を嗅いでいるようだ。餌でも探してんのかね?

  とりあえず鑑定だ。


「りん姉、あれの鑑定よろしく」


「分かった、『鑑定』」


「・・・ワイルドボアって名前の魔物、レベルは分かんないよ。」


  なるほど、ボアってイノシシで良かったよね?もうちょい勉強しとけば良かった。

  とりあえず、攻撃される前に、こちらの先制攻撃だ。


「りん姉、俺が石を当てるから、魔法でフォロー頼むね」


「うん、分かったよ」


  すぐに投げれるように、大量に拾った石をアイテムボックスから地面に出して、軽く助走をつけ、ぶん投げた。


  ビュンという風切り音を発した後、ワイルドボアの頭に当たり、そのまま頭を貫通し、数本の木を貫通した後、木にめり込み止まった。

  頭部を貫通された、ワイルドボアはゆっくり倒れて動かなくなった。


「「は?」」


  俺もりん姉もこんな反応しか出来なかった。

  ダメージを与えて、近付いたら、りん姉の魔法で倒すはずだったのに。

  一撃でしかも木を何本も貫通するとは思ってなかった。


  りん姉と目が合い、あぁ、俺達のステータスって間違いなくチートだと実感した。


  頭の中でファンファーレが鳴り響き、


『レベルが上昇しました』


 と、声がした。


  あまり腕力が強すぎて、呆然としてたら、ついにレベルアップですよ。レベルアップ。

  やっぱり、いくつになっても、レベルアップって言葉の魅力には叶わないですよね~。


  「りん姉、レベルが上がったからステータス教えて」


  「仁君も上がったの?」


  おや?どうやら二人とも上がっているらしい。りん姉のステータスも気になるが、姉弟といえど、プライベートはしっかりしないと。しばらく経ってお互いに見せ合うのもいいかもしれない。

 ・・・俺のは書いてもらうしかないから、見せてもらうしかないんだけどね。


=============================



 名前 西城 仁

 年齢 18歳

 レベル8(↑7)

 第一職業 なし


 HP 3320/3320(↑2160)

 MP 0/0

 力 1625(↑1055)

 耐久 1295(↑770)

 魔力 0

 器用 724(↑350)

 俊敏 981(↑560)

 運 390


 スキル

 武術LV8 肉体強化LV10 料理LV7 投擲LV1(↑1)

 アイテムボックスLV2(↑1) 成長限界突破LV1


=============================


  スキルに投擲ってできたから、もしかしたら、その行動をすればスキル手に入るかもしれん。暇な時は型や素振り、筋トレなんかも積極的にやっていこう、ステータスやスキルも、りん姉みたいに上がるかもしれないし。


  少々・・・いや大分残念だけど、魔法が無くても、ステータスとスキルで強くなれそうな気がしてきたからヨシとしよう。


  それにしてもステータスの上がりかたいいな。力600くらいだった時でもさっきのワイルドボア瞬殺だもんな~。

  3倍くらいになってるけどこっちの世界の人もこんなに上がるもんなんだろうか?

滅茶苦茶強い野郎にりん姉がちょっかい出されそうになったら勝てるだろうか・・・。

  ・・・よし、死ぬ気で鍛えよう。


  俺のステータスを小まめに見せてもらうのも忍びないからたまに見せてもらって、どんだけ上がったか見るのを楽しみにしよう。


 ・・・ステータスとかはこのくらいにして、このイノシシ食べるか、美味しそうだ。





お読みいただきありがとうございます。

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