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ぬいぐるみと着ぐるみ

今回も尋常じゃなく遅くなって申し訳ありません。

  休憩してから一時間くらい走っただろうか。

  整地なんてされていない道は、相変わらずガタガタだ。リン姉からもらったこの車ならそんな悪路も楽々走れるほどの走行性能があるのは、出発前に運転した際に確認は出来ている。出来てはいるが、走れるからと言って走ってしまえば俺はいいが同乗者に負担をかけてしまう。同乗者にも気を使う運転を心がけることが大事だと思うんですよ。だから馬車より少し早いくらいの速度で周りの景色を楽しみながら街道をひた走る。


  途中、後部座席に座るユッコに運転の方法を教える。運転免許なんてものがなく、そもそも車自体無いこの世界に免許云々は関係ないだろうし、いざというとき俺以外にも運転出来た方がいいと思ったからだ。……助手席に座るリン姉には教え無くていいのか?だって?


  ―――――リン姉はいいんだよ、リン姉は。人には向き不向きがあるんだ。


  そこまで多くない部品と役割を教えると、慣れ親しんでいるので直ぐに理解したようだ。休憩の時にでも練習したら乗りこなせるだろう、バイクも簡単に乗りこなせていたしな。


  車内の雰囲気は目麗しい美女達と連れてきたぬいぐるみの様なミドーでキャッキャウフフな空間が広がる。ミドーも暖かく迎えられていて、数分おきに膝から膝に移動させられている。安全の為とユッコに教える為にルームミラーや左のサイドミラーを何度も確認する。

  もしかしたら煽り運転されるかもしれないからね、後続車にも注意が必要な世の中。安全運転って言ったらジン!ジンと言ったら安全運転!って言われるくらい安全に気を使うから、後方の確認をしっかりしています。


  ―――――よし、建前はそれくらいでいいよね?


  ユッコに教えながらひょいひょいと膝………いや太ももから太ももに移動されるミドーが羨ましくてしょうがないですが何か?

  あのムチムチした太もも………一度でいいから頬擦りしたい。

  それをミドーは何度も何度も羨まけしからん。まあ、ぬいぐるみの様なミドーだしぃ~、た、大したことな、無いんだからね。

  …………ツンデレ風に言ってみたけど、俺が言うと気持ち悪いな。

  まあ、話を戻してと、太ももムチムチパラダイス略してムチパラにいるのがどこぞの野郎なら、拳でOHANASHIしないといけないがね。

  全く!ぬいぐるみの何がいいんだよ!可愛くて、ふかふかで、柔らかくて、癒されるだけじゃないか―――いや?まてよ……。


  ―――――はっ!!閃いてしまった。


  ぬいぐるみの様な愛くるしい着ぐるみを着れば、強面オーラがマスコットキャラの様な緩ふわオーラになるのでは?

  ゆるキャラとか流行っているし、老若男女の若女からキャーキャー言われ、身動きが取れないほど抱き着かれるのでは?行ったことないが、某ねずみの国のマスコットの様に…………。更に女性が好きそうな香水とか使えば、「やだ、可愛い」と抱き着き、「あれ?凄くいい香りがするもっと抱き着いていたい」と長時間抱き着かれ、「あの着ぐるみの人、凄いいい香りなんだよ」となり、次から次へ噂になり、SNSで更に噂は広がり、てんてこ舞いに………。


  ハハハ……アハハハ………アーハッハッハ!!アカン、天才過ぎる。自分の才能が恐ろしい。何故今まで考え無かったんだろう。悪いな世の野郎共、美女、美少女達の抱擁は俺が戴いたぜ。


  「ねぇ~リンさんジンさんに欲望満載の独り言が漏れてるって言わなくていいの?」

  「ん~あの感じの発想は絶対に失敗するから大丈夫よ」

  「それは大丈夫なんでしょうか?」

  「ティナ大丈夫よ、そこまで行く前に止めるし、ねぇそろそろ私の番よ」

  「まあリンさんがそう言うなら………はい、またねミドーちゃん」

  「ミドーちゃんすっかり抱っこされるのになれたみたいですね、すやすやと寝てます」

  「そうだね~リンさん次は私だからね」

  「分かってるよ~」

  「それにしても、ジンさんは私達の太ももに触りたいんですかね?言ってくれれば私はいつでも……」

  「ジン君も男の子だからしょうがないよ」


  そんな会話が車内でされていたことなぞ知らず、ただただ、どんな着ぐるみにするか考えながら街道を走っていった。


  更に一時間以上走り、休憩する事にし、街道から外れ、車を停める。


  「くぅ~はぁ~~」


  車から降り伸びをすると変な声が出るな。今回は軽く休憩してからユッコに練習がてら運転させ、俺が横で教える事になっている。まあ、皆を乗せる前に一度練習してからだけどな。流石に一切練習無しでいきなりはユッコもプレッシャーにってユッコを見るともう車に乗り、円らな瞳でこっちを見てきている。あれ?休憩は?要らない?マジか。


  あれから二十分後、休憩(練習)した俺達はユッコの運転で街道をひた走っている。あれ?この子運転初めてのはずなのになんでこんなにアクセルもブレーキもスムーズで段差の衝撃がほとんど無く走れるの?何?豆腐屋の子供なの?紙コップに水入れて溢さない様に走ってたの?中学の頃からから毎日豆腐を運んでたの?

  知り合いの運転技量に驚愕し、内心焦りながら「まあその調子で安全運転で……」とか言ったけど、今度隠れて練習しとこうと心に誓った。




お読みいただきありがとうございます。

ブックマーク、評価ありがとうございます。

この様な時期です。色々とキツい時ではありますが、どうか皆様ご自愛下さい。

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