表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
125/130

買い物と喧騒2

遅くなって申し訳ありません。

 

  「いや~結構買ったな~」


  ユッコ達のやり取りを見た後、周りの露店で買い物を続けた。

  先ほどロザリー先生に習った野菜の見極めを存分に発揮し、露店にあるかなりの量を買い漁った。勿論全部買うと他の客に迷惑がかかるから、そこは抑えた。

  ―――――いや、まあ正直に言うとヘソクリが無くなっただけなんだけど。

  魔物を売っても良いけど、将来のハーレムの為に貯金と腹ペコモンスターズの非常食に取っておきたい。まあ、毎日食べても十年近くは無くならないくらいの量はあるが、俺が異世界に来るぐらいだからね、世の中何があるか分からない。―――――うん。この量で不安になってきた。また時間作って狩りに行こう。

  そんな事を考えながら歩いていると、露店の端で人だかりが出来ていた。

  正直、またトラブル?今日で二度目よ?と思いながら隙間から覗くと、約五メートル四方にロープを張った簡易的なリングの中で、大柄な男と小柄な少年が向き合っていた。そのリングの外には胡散臭そうな男が声を上げた瞬間に、大柄な男が少年に向かって走り大振りで拳を振るうも、少年は一歩下がり、頭を反らしただけで難なく避けていた。神経を逆撫でされた大柄な男は何度も同じ様に大振りに放つも、少年は横に一歩移動したり下がったりし、頭を傾けるだけで掠りもしなかった。

  ………大柄な男は何してるんだろう?あんなに体格差があるんだから、小振りにして、少し当てるだけでもいいのに。それに比べ少年の方は強かと言うかなんと言うか。


  「………上手いな」

  「上手いんですか?」

  「ああ、ステータスがあるからなんとも言いにくいけど体格差があれほどあるんだ、少しでも当たればよろめくなりして動けなくなりそうなんだよな。そうなったら後は一方的に殴られて終わるだろうに、あの少年は敢えてギリギリで避けて、大柄な男を挑発して、攻撃を単調にさせてる感じだな………いや、あのセコンドか?」


  軽薄で胡散臭そうなセコンドを見ると、口元を上げて笑っていた。

  多分俺が言ったのを事前に少年に伝えてやらせてるんだろうな。それにしても技術が違い過ぎるな。素人とプロの格闘家ほどの差がある。あの年であれほどの技術を身に付けていることに素直に驚嘆する。

  少しやり合ってみたい衝動に駆られるが、ふと誰かに話しかけられたと思い、振り向くと、ロザリーとミミィがリングの方を見ていた。


  「二人は買い物終わった?」

  「はい」

  「じゃあ帰ろうか」

  「ジンさんはアレやらなくていいんですか?」


  ロザリーが指差したリングを見て大柄な男が倒れた姿を見た後に答える。


  「止めとくよ」

  「そうですか、じゃあもう帰りましょう」

  「ジンさん今日の晩御飯は私達が担当なんだよ」

  「へーそうなんだ、何作るの?」

  「ないしょー」

  「内緒です」

  「二人して、じゃあ無理矢理聞いちゃうもんね…っ!」


  イチャイチャしようと手をワキワキ動かした瞬間に強烈な視線を感じ後ろを振り向いた。


  「ジンさん?どうかしました?」

  「ん?ああ、いやなんでもないよ、それより教えてくれないと悪戯しちゃうぞ~」

  「キャー、ジンさんのエッチー」

  「キャーエッチー」

  「いや、待ってまだなんもしてないからね?ああ、ちょっとロザリー、ミミィー」


  もう一度振り向き、こちらを見ているやつの顔を睨む様に見てから、二人を追いかけながら自宅に帰った。





 ==============================



  「おーおー怖い怖い、視線で人でも殺しそうだなぁ~おい。……おいタクス。そいつはもういいから、あいつを見ておけ」

  「………」


  男は倒れた大柄の男と観客の男を見る。


  「魔の森に一番近いハンターギルドだから期待したが大したことねぇなぁ~まあいいや、最後にいい収穫があったしなぁ~。おい、そろそろここを出るぞ!準備しとけ!」

  「………」


  男は銀貨の詰まった袋を指で回しながらジン達が去って行った方角を見続けて言った。



お読みいただきありがとうございます。

ブックマーク登録ありがとうございます。

年内に更新出来ないかもしれませんので、一応。

今年もありがとうございました。それでは皆様良いお年を。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ