地下室と装備
遅くなって大変申し訳ありません。
腹ペコモンスターズに夕食が食べれるか不安になるほどフライドポテトを振る舞った後、解散して各々移動していく中、朝と変わらず、背中がぱっくりと空いたセーター姿のリン姉が目に写る。
腰から臀部にかけてセーターの裾で隠れてはいるが、いかんせん背中の部分に布は無く、裾の部分もそこまで面積がある訳ではないので、隠れているのはほんの一部だ。・・・何が言いたいかというと、歩く度にセーターがずれて、形のいい綺麗なお尻がちらつく。
そんな格好で外に出ようものなら、直ぐに身体目当ての男に捕まってしまうだろう。
前の世界ではあんなセーター持っていなかったが、露出狂の様に外に着て出ていく事はないよな?それか、家では開放的になるからと、下着だけになるって人も居るらしいからそれなのかも知れない。
露出狂なら止めないといけないが、家の中で開放的になるのはいい、いや寧ろ歓迎だ。
しれっと後ろに着いていき地下室に入ると、正面に二メートルに迫るほどの巨大な魔石・・・いや、更に上の魔結晶だろう、それが両端が固定され、何かの装置の中にゆっくりと回転しながら淡く発光していた。
これだけデカいのは相当大物のものだろう。もしかしたら俺が倒したヘルゴブリンキングと同等かそれ以上なんじゃないかと思わせるほどの圧倒感がある。もしかしたらリン姉もそんな大物と戦っている可能性もある。だとしたらまだまだ差が縮まっていないだろうな。寧ろ開いてる可能性もある。
その魔結晶の入った装置の奥にはそこそこ大きな炉があり、その周囲の壁には大小様々なハンマー等の鍛治道具がかけられ、それらを挟む様に、刀や剣といった武器がかけられていてまるで武器屋の様だった。その脇には大きな机が置かれていてその上には鉄等の金属が無造作に置かれていた。
装置の右側には扉があり中に入ると、大きな机に試験管やビーカー、すり鉢やイメージだけど魔女とかが使っていそうな大きな鍋が置かれていた。ここは調合部屋なのだろう。百パーセント調理場ではないのは分かる。
結構冷静に見ているつもりだが、この調合部屋もだが、さっきの魔結晶の装置や鍛治場も、俺の中二心をガンガン攻めてくる。うん、いつか教えてもらいながら生産チートを楽しみたい。
鍛治場に戻ると無造作に置かれていた鉄等の金属は片付けられていて代わりにコートにナイフや包丁といった調理器具。身長より少し短いくらいの大剣に鞘に入った刀、リボルバー型の巨大な拳銃が二丁置かれていた。
「リン姉これは?」
「ふふふ・・・いらっしゃい、ここにあるものは全て一律百グランだよ」
某国民的青いたぬ・・・ネコ型ロボットの様な喋り方でそう言うリン姉。チラッと見ただけでも良さげでとてもじゃないが百グラン、前の世界だと千円ではどれも買えそうにない。唯一下着くらいかな?と生地を触ってみたが、触り心地は最高だった。"お店屋さんごっこ"がしたかったのだろうか。・・・商品自体は"ごっこ"で済ませれないほど高品質なのがどうにもアンバランスだが。後、リン姉のモノマネはあまり似ていない。
とりあえず、金貨を取り出してリン姉に手渡した。まあ、これらのものが金貨では買えないだろうがそこはノリで。
「じゃあ全てもらっていくよ」
そう言いながら机の上の商品を確認しながらアイテムボックスに収納していく。
まずは服かな、コートは今までのものより生地は厚く着心地は悪そうに見えるが、リン姉がそんな半端なもの渡してくる訳がないから着心地もいいだろう、着る時が楽しみだ。
次にナイフや包丁を手に取り握り心地を確かめる。ナイフは元々そんなに使う事はなかったので、今回受け取ったのは一本で、残りは形が違う包丁だ、牛刀に中華包丁等形が特殊なのが多く、使いきれるか?と思いながらアイテムボックスに収納する。
大剣は今まで使っていたものと形は変わらず、短くなっただけの様でこれなら背負って移動することができ、大剣使いっぽいなとテンションは上がる。
最後に置かれていたのは今まで使っていた魔導銃より一回りは大きく、最早片手拳銃とは言えないほどの大きさになっていた。向かい合う様に置かれた魔導銃を手に取るとズシッとした重さが手にかかる。「重・・・」と呟きながら構えるが、リン姉の減衰魔法とブレスレット二つ着けた状態では維持することが出来なかった。これはブレスレット外さないと無理だと判断し、新しく渡されたホルスターに差し込みアイテムボックスに収納したところで修理された手甲を渡された。
「元通り直しておいたよ」
「ありがとう、リン姉」
受け取ってブレスレットに変化させ、お礼にプリンを渡して地下室を後にした。
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