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回避とマジックボックス

大変遅くなって申し訳ありません。

  朝、あんな格好だったマリアは執事服を着こなし姿勢良く歩いていた。モデルとかでも中々いないほどグラマラスなボディーが、あの執事服に収まっていると思うと、こうなんか邪な気持ちになりそうで困る。てか、こう見るとめちゃくちゃ押さえつけているのが分かる。

  こんなに可愛らしくスタイルもいい子を何故初めて会った時男だと思ったのだろう・・・。あれか?スカートではなくズボンタイプで似合っていたからか?

  横目で盗み見ると出るとこは出ていて括れるとこは括れているのでその差がしっかりしていて、正直エロい。堪らない。もう本当に出来る社長秘書って感じだ。是非色々と管理してもらいたい・・・げふんげふん。

  とりあえず、初めて会った頃に戻って、「男か?」と思って態度悪い俺に全力で『龍擊』・・・いやそれよりも威力のあり、一発で腕がボロボロになるあの技・・・『龍神爆撃(りゅうじんばくげき)』と名付けたものを顔面に叩き込んでやりたい。

  もしかしたらあの時失礼な対応せずに、もっとこう紳士的に接していれば今よりもっと仲良くなってる可能性も有った。

  本当に勿体無い事をしたとかなり後悔ばかりが残る。


  エルザード村の露店に差し掛かり、露店を散策する。調味料なんかは結構買い漁っているので少量購入し、肉は森に狩に行けばいいし大量にあるので買わずに野菜を中心に買い漁っているとたまに社交辞令で、隣を歩くマリアの事を彼女さんとか奥さんとか言われた。否定も肯定も出来ず笑って誤魔化すことしか出来なかったが、言われて嬉しかったので多く購入した。・・・こんな時もっと上手く返せたら格好いいんだろうな。そんな風にモヤモヤしながら買い物を続けていった。たまにマリアに直接聞く人も居たが、マリアの方も否定しなかったのは、ちょっと嬉しかった。


  露店を抜け、村長宅の門の目前で後ろから声をかけられた。


  「やっと見つけましたわ」


  なんだろうこの聞いた事ある声・・・嫌な予感しかしない。

  後ろを振り向いたら終わるなと思いながら、立ち止まっていると、俺より先に振り返ったマリアが返事をした。


  「何かご用でしょうか?」

  「・・・貴女中々いいわね。どう?貴女うちのメイドとして雇ってあげるわよ」


  マリアの顔から爪先までじろじろ見た後、いきなり勧誘というか引き抜きをしてきた。


  「お断り致します」

  「そうそう、うちで働けるなんて光栄・・・なんておっしゃいました?」


  即答で拒否するマリアと、まさか断れるとは思ってなかっただろう金髪ドリルの会話に完全に空気な俺。


  「お断りしますと申しました。ご用は以上でしょうか?無いようでしたらこれで失礼します。ではジン様、参りましょう」


  マリアは早口でそう言い俺の手を引き、村長宅に向かって歩き出した。

  面倒な事になりそうだったが、マリアの応答のおかげで、結局一言も喋ることもなかった。先ほどまで微笑んでた顔は無表情になり、折角の美人さんが勿体無いと思った。若干自惚れだとは思うが、露店で彼女とか奥さんって言われた時の方が確実に可愛い顔してたと思う。あの可愛い顔俺だけに見せてくれてもええんやで?

  何故か驚いた様子で見ている二人を尻目に村長宅に入った。


  「いらっしゃい」

  「お邪魔します」

  「お邪魔致します」


  家に入るとレナさんに迎えられそのままリビングに通されて、お茶をいただき、他愛もない話をした。・・・いや、まあコミュ症気味で女の子と付き合ったこともない男が美女とそんなに話せる訳もなく、しどろもどろでなんとか話してたのは黙っておこう。

  会話も弾んだころ(主観です)、アイテムボックスから唐揚げを取り出し、レナさんに食べてもらった。


  「美味い!これは何ですか?」

  「唐揚げという料理です良かったら作り方をお教えしましょうか?」

  「是非!!」


  食い気味で返事をするレナさんに驚いたが、まあ肉好きだもんなと思った。


  「じゃあ前みたいにメイドさんに教えておきますね」

  「是非!!」

  「代わりにと言ったらあれなんですが、この村で露店を開きたいので許可をいただけますか?」

  「ああ、構わないよ、父上にも伝えておこう。因みに何を売る気なのか教えてもらえる?」

  「この唐揚げと、フライドポテトってのを」

  「フライドポテトってのはなんだい?」

  「・・・ああ、ポテトって芋を揚げたものです」

  「ポテトを?それは美味しいのかい?」

  「それはもちろん、メイドさんに一緒に教えておきますね」

  「ありがとう」

  「じゃあ露店の詳しい話はマリアとお願いします。マリア悪いけどお願い」

  「ああ、分かった」

  「はい、お任せください」


  そう言い残し、キッチンへ向かい、いつものメイドさん達と唐揚げに竜田揚げ、とり天の作り方を教えながら一緒に作った。今度魚介を手に入れて天ぷらとか作りたいな。その後油を変えフライドポテトを作りマヨネーズやケチャップで試食。メイドさん達はこんな簡単なのに美味しいと言っていた。油で揚げるってのを知らなければそうだよね。

  とりあえず、ポテトチップの作り方も一緒に教えたが、どれも食べ過ぎ無い様に注意しておいた。後、料理してる最中見覚えのある箱が何個かあり確認するとマジックボックスで、リン姉から贈られたものらしく、食材は腐らず、料理も出来立てが保存出来るのでかなり重宝しているそうだ。入る量はここにある全てのマジックボックスを足しても、家に置いてあるマジックボックス一個の一割くらいとかなり少ないが、これは俺の感覚がおかしいだけで、村長宅のマジックボックス内には調理済みのものに肉や野菜、調味料、水や酒などと分かれて収納されていて、多分普通の家庭なら一年以上余裕らしいが、その十倍と考えると感覚がおかしいのも納得して欲しい。更に言えばそれらを軽く上間る量が入っていて、正直後いくら入るか分からないブラックホールの様な俺のアイテムボックスと比較してしまったから、「ちょっと・・・」って思ってしまった。


  後でリン姉に話をしたら、「レナさんとこのは特別製だね。売ってるのはそれより少なくて、食材の劣化はするけど、劣化しにくくさせるし、値段も下げてあまりお金を持っていない人も買える様にしてる」と言っていた。・・・冷蔵庫みたいだな。因みに劣化しない様にすると使ってる素材の関係で売るとしたら0が二つ以上増えてしまう計算になり、買って欲しい人には買ってもらえないし、高性能なもの作ってばら蒔いて変な貴族に狙われるのは嫌だから、しぶしぶこのスペックで我慢しているそうだ。

 

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