新婚気分と密談
遅くなって申し訳ありません。
リン姉は地下室に降りて行った。あのセーターはそのままなのだろうか?
もう少し見ていたかったが、グッと堪えて食堂に向かい、残ってる皿をキッチンに運び、アイナとエレナと一緒にまるで新婚の様に食器を洗っていった。
洗い場もいくつかあるが二人共俺の横で身体が密着するほど迫ったが美女二人に挟まれて幸せだった。というかこんな感じで密着してきて俺の事好きなんじゃね?と勘違いしそうになるが、人生そんなに都合が良くないのは分かっているので、勘違いして、傷付く事もない。ただいまはこの柔らかい感触と甘い女の子の匂いを堪能する。
あぁ~もう後先考えずこの二人を欲望のままに・・・いやいや、いかん、いかん!!その時はいいかも知れないが、その後の人間関係がぐっちゃぐちゃになってしまう。ここまで女の子達に囲まれるなんて俺の人生で一度あるかないかの一大事。こんな大チャンスを、一時の感情で不意にしていいのか?いや、それより多少好意があるかも知れない二人に一生消えない傷付けるのか?
・・・無理だな。こんな笑顔の二人を傷付けれる訳がない。
どうせならお互いに求め合って、合意の上であんなことやこんなこと、そんなことまでしたい。
しょうがない、今はこの感触と鼻を擽る匂いと美女達の笑顔で我慢するとしよう。
とある地下の一室に五人が向き合う様に座っていた。
「見た?ジン君が私の事ずっと見てたよ」
「ええ、でもそれなら私もずっと舐めるように見られていましたよ」
「お二人共その格好は卑怯ですよ。何ですかその露出の高いセーターと肌が透けたブラウスは?」
「ええと、素材を節約したものですよ?」
「通気性を良くしてもらったものですよ?」
「・・・ならこのメイド服にも素材を節約したものと通気性を良くしたもの作ってくださいね?」
「分かった、けど・・・」
「分かっています、もちろんジンさん以外の男性には見せませんよ」
「分かっているならいいの。じゃあ今日中に作るから今日の・・・」
「ええ楽しみにしています。後で二人にも伝えておきます」
「ええ、お願い」
「それにしても、ジンさんから手を出されないといけないってかなり難しくないですか?」
「・・・そうだね。だからほらこうやってアピールしてるんだよ」
「そうでしたね。今日の夜も?」
「ええ、もちろん」
「じゃあそれも伝えておきます」
「皆無理に付き合わなくていいんだよ?」
「大丈夫です。私達もお慕いしてますし、ご寵愛をいただきたいと本気で思っていますよ」
「そっか・・・でも負けないよ?」
四人は頷いた後立ち上がり部屋から出ていき、残った一人も布を取り出し、服を作り始めた。
洗い物が終わり、今日はこのまま料理して過ごそうと思い、キッチンに備え付けられている調味料専用と書かれたマジックボックスを漁る。すると中から、醤油、みりん、酒等いつも使っていたなくてはならない調味料が入っていた。量はそれほど多くないようで、五百ミリリットルの瓶が二本ずつしかなかった。
本気で使ったら直ぐになくなってしまうという思いと醤油とかが使えるという二つ思いに揺れ動いていた。とりあえず後で、リン姉にお礼を言っておこう。
一度マジックボックスに戻し、次は粉物専用と書かれたマジックボックスを漁る。
小麦粉に薄力粉、中力粉に強力粉、全粒粉にコーンスターチ、パン粉、米粉と種類が多かった。
種類は多かったがグラハム粉とセモリナ粉とか聞いたことも無いんだけど・・・。まあ、いいか、いつか使える日が・・・ん?裏に説明が書いてあるな。
グラハム粉・・・全粒粉より粗い。
え?そんだけ?全粒粉自体そんなに使わないんだけど・・・。まあ次を見てみるか。
セモリナ粉・・・乾燥パスタ、シリアルに使われる。
なるほど、これもあんまり使わなさそうだな。
とりあえず、小麦粉、薄力粉、中力粉、強力粉等慣れ浸しんだものは量が多かったので少し俺のアイテムボックスに拝借しておいた。
次に甘味料専用と書かれたマジックボックスを漁る。
中から上白糖に三温糖、グラニュー糖とこれまた分かりやすいのが揃っていらてさらに漁ると蜂蜜やメープルシロップ等があった。
いつも思うけど、うちのお姉様はいつこんなにも作る作業をしているのだろうか・・・。
いよいよ食材専用と書かれたマジックボックスを漁る。
コッコからマジックコッコにワイルドボアからパワフルボアにホーンバッファローからイグニッションバッファロー、メタルクラブなど最早お馴染みの食材に、ワイバーンやレッサードラゴンと言った、ファンタジー食材等が俺のアイテムボックス以上に入っていて、焦った。
さて、これでなに作ろうかな。
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