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転生チートで世界一の魔法使いになりました。ただし魔法使いは俺だけです。(改題)  作者: 二上たいら
第6章 暁の星

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暁の星 28

 結局ソルヴの町中に入ることは一度としてないまま、俺たちは東へ向けて馬車で揺られている。

 飛翔と転移を隠しておかないといけないのはわかるんだけど、クッソ時間の無駄ァ!

 いや、この時間を使ってレギウム語を習得するとか、やるべきことがあることはわかってるんだよ? でも基本的に俺は勉強好きじゃないんだよな。

 シルヴィはいつの間にかネイティブ並みに話せるようになってるし、いつどこで覚えた!


 でも俺とネージュとアレクサンドラが話せないからセリュールさんの存在は必要である。ほら、リディアーヌとシルヴィとセリュールさんが話せて、俺たち三人が話せないから、ちょうど三対三じゃん。つりあいが取れたね!


「皆様、クロウエルーロに到着前にしかと胸に刻んでいただきたいことがございます」


 出発して早々にセリュールさんがそう切り出した。


 クロウエルーロ……、耳馴染みのない地名すぎて覚えられる気がしねえ。


「皆様は亡者によって崩壊したアルブル帝国から逃げ延びた帝国皇女と、フラウ王国の政変で帝国に亡命した元王女とその配偶者、そしてそのご友人という設定です」


「半分以上嘘やんけ!」


「すみません。方言はちょっと」


 ですよね!

 前世の関西弁がなぜかこっちの言葉の方言っぽくなるのは自分でもよく分からない。


「それ半分以上が嘘ですよね」


「これで世間に広まってますので。それに本当のことを伝えてなにかいいことがありますか?」


「それは、ないですね」


 アレクサンドラの異能によって帝国は滅び、ニニアエはそれに巻き込まれた。

 第三軍およびニニアエに居住、滞在していた人の総数は聞いていない。数万人では済まないだろう。間違いなくもう一桁は上がると思う。


 ソルヴに詰めていた第一軍が三万人ほどと聞いた。

 首都の防衛任務を担う第一軍だから、すべてがソルヴに詰めていたわけではないらしいが、第三軍の全滅を受けて派兵されたのだから、第三軍は三万人近くいたのではないかと思う。

 それにニニアエの住民たちが加わる。

 ニニアエは無人と化した中を抜けてきたが、地方都市にもかかわらず王国首都オルタンシア並みの規模があったように思う。住民だけで五万人規模、それに避暑地として観光客が訪れる場所だったと言うから、何人くらい滞在していたかまったくわからない。


 事態を難しくしているのがこの旅行者で、つまりこの事件における被害者はレギウムの広範囲に散らばっているということだ。

 亡者の侵攻に泣いている人は各地にいる。

 そこに俺たちが加害者ですけど? って顔で訪問したらどうなるか?

 当然、憎しみを向けられる。そしてその思いが、なにか思いがけない行動を引き起こすかもしれない。


 だからレギウムとしてはカバーストーリーを保険として用意しておきたいのだ。

 俺たちもまた被害者であり、助けを求めてレギウムにやってきた。そういうストーリーが。


 ということを俺からネージュに説明する。


「わかった」


 ネージュが頷く。誰も手伝ってくれなかったのは俺がちゃんと理解できたか確認していたんだよね。わかるよ。


「でも納得できない」


 ネージュさん!?


「私もアンリの妻。そこは退けない」


「ネージュ様、レギウムに一夫多妻の制度はなく、重婚は違法ですらあります。他国の文化だとしても、我々には受け入れがたいのです。どうぞご理解ください」


 さすがにセリュールさんが助け船を出してくれる。


「事情は理解してる。けど納得はできない」


 一番厄介なパターンですね。

 理屈では説得できないやつだ。


「ですが、すでにそういうことになっているのです」


「折衷案として寝所は一緒がいい」


「ネージュ、将来的なことを考えると、リディアーヌが最初の子を産んでいないと不都合なんだ。わかってくれ」


 そもそも本来ではリディアーヌのあとにシルヴィの順番になるところを、シルヴィが譲ってくれているのだから、ネージュは手を打たなければいけない。


「リディアーヌ、早く妊娠して」


「こればっかりは授かり物ですので」


 それに妊娠してすぐにわかるわけでもないしなあ。もしかしたらもう妊娠はしているかもしれないけど、つわりがまだ起きてないだけという可能性もある。

 女性には妊娠しやすいタイミングとかがあるとは聞いているけど、毎晩絞り取られているから、さすがにそろそろでは?


「妊娠魔法とかないの?」


「率を上げる魔法ならあるけど、あんまり使いたくないんだよな」


「まあ、旦那様。私との交合がそんなによろしいのですか?」


「違うよ! 違わないけど、そういう目的じゃないよ!」


 俺は髪先を弄りながら言う。


「妊娠しやすくする魔法はある。だけど、それだと良くない子どもが生まれる可能性が高くなる、と、感じる」


 つまり本来卵子に届かない精子を強制的に受精させるわけで、下手をすると奇形の精子が受精するかもしれない。障がい児が生まれてくる可能性が上がるということを俺は否定できない。

 そしてフラウ王国では障がい児や、それを産んだ母親に厳しい。


 もちろん自然妊娠でもそういうことになる可能性はあるのだが、確率は下げるにこしたことはない。


 排卵を誘発させることもできるとは思うんだけど、双子三つ子が生まれる可能性があがって、それはそれで王位継承を巡ったときにややこしいことになるんだよなあ。


「リディアーヌが自然妊娠するまで我慢してくれ」


「だとしてもレギウム的に見ると、妻が妊娠したから他の女性に手を出しているようにしか見えませんが」


 セリュールさん! そりゃそうだろうけどさあ。

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新作始めました。近未来超ハイスピードバトルアクションです!
全18話で書き終えておりますので、安心してご覧になってください。
バトルダンスアンリミテッド ~適性値10000超えの俺が世界最強になるまで~
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