倉庫
投稿ないの?と言われたので「書くかあ」と思い、書きました。(当たり前です)
本当はちょっとうれしかったです。
僕は嫌がられたということに多少のショックを感じていた。しかし、ショックというそんな言葉がなんとも新鮮で、懐かしく、昔、遠い昔にその感情をしていたような気がした。
「面白いなあ」
僕は一人で笑う。追い出され、仕方なく上ったこの森で一番大きな木の上で腹を抱えていた。
何年もこんなに笑わなかったし、こんなに笑うことなど予想もできなかった。ただ、目のまえにある、自分のできることというか、最大限可能で、興味が多少出ることを黙々とやっていたように思えた。今までの人生はかなりつまらなくて、刺激がないと自分なりに感じていたのは仕方ないことだった。母が亡くなった時だってそうだった。もう、悲しい感情なんてわからなかった。無邪気に遊んでいたのはいつも一人で、母などいなくても暮らせたし、結局、母は何をしてくれたのかと考えると、たいして浮かぶものはなかったのだ。そんな母しか好きな人はいなかったけれど、そこまでも思いはなかったものだから墓に入れる作業すら、僕は無表情でこなした。葬儀などしなかった。そんな金がなかったのだ。小説家だといっても、所詮は1年程度しか有名にならなくて、僕は今、自分を知っている人がいるのかがわからない程度の作家なのだ。ただ、存在自体は知られているだろうか?一時期幼い小説家としてメディアに取り上げられた。僕はあまりにも愛想がなかったものだからインタビューされたこさえ、いった内容とまほとんど違ったセリフが並べられていた。つまりはメディアの設定上のキャラクターモデルになっただけなのである。確かに写真を撮られた。無表情過ぎたため、取り直しの繰り返しとなり、結局、後ろ姿だけとなった。なんか格好つけさせられて、学校ではイケメンがいると噂になったが、実際顔を見て「あれ?」とか言われたものだ。背中だけでイケメンだと思い、勝手に顔を作られるのはいい迷惑である。「案外かわいい系でいい!」とかいうきちがいのような人も現れて、何度か告白らしいことをされたが、性格を知って絶望された。
僕はなんとなく、空を見上げるが、当然上には緑色の葉っぱしかなかった。空何て到底見えない。
「きろうかなあ」
そんなことをつぶやき、僕は押し入れのほうにあるチェーンソーを取りに向かおうとそこから飛び降りた。
「ぎゃあ」
何かにぶつかったような気がした。いや、声がした。しかし、ここにいそうな人間なら限られすぎていた。
「何やってるの?」
僕はできる限り優しく尋ねた。
「いや、なんか神様でも祭られてそうな木だなあって思って……」
「いないよ。」
「絶対いるでしょ!こんなに大きいし、神社とかの木に巻いてある……なんだっけ?縁起よさそうなあれが巻いてあってもおかしくないようじゃない?」
彼女はしめ縄のことを言っているのだろうか?僕はそう予想し、ふと思い出して、倉庫に行った。
「え?どっどこいくの?」
「倉庫」
「倉庫?」
「倉庫」
「倉庫かあ」
「倉庫だけど?」
「倉庫な」
「倉庫だ」
「倉庫」
「……」
彼女が倉庫倉庫と何度もいてくるので、だんだん楽しんでるんじゃないかと思えて返すのをやめた。
倉庫につき、僕は彼女のほうを見た。
彼女は何で見たのかわからないような驚いた顔をしてそして、警戒するように構えだした。
「……ついてくるの?」
「待ってます」
倉庫の中は母すら入れたことがなかった。
「別に来てもいいけど」
「いや、怖いんで待ってます」
この人の気分はどうにもつかめない。
淡々とした説明で、彼の無表情さや、無感情さを少し表しました汗
文章の味気ない感じはたぶんそのせいだと……。




