第098話 男子会?
全員揃ってリビングに戻ったら、魂の神様もミツハルさんご一家も揃ってました。
『おかえり~ 結局全員が受け入れてくれたの?』
「ええ。まぁ若干色々とありましたけど、全員に受け入れて貰いましたよ?
と言いますか、本当に起きて待ってたんですね?
先に寝て頂いても良かったのですが?」
『そこはほら、気になって寝られそうになかった、って感じにしといてよ』
「そうですね。
自分達も長い付き合いになりましたから、どうなるのかが気になりましたし」
うんうんと頷くミツハルさんご一家。
もう3時過ぎてるから、先に寝ててくれても良かったのにねぇ。
「ご心配をお掛けしました。
まぁ最終的には丸く収まった感じですね・・・で、これからどうしますか?
こちらの事情も済みましたから、改めて寝ますか?
それとも、今日はもう徹夜してしまいますか?」
『ん~私はこのまま起きてようかな?せっかくだし、お風呂でもどう?
“色々”の話も聞いてみたいし。 ミツハル君達はどうするつもりなんだい?』
「自分もお風呂に入るならお付き合いしますよ?ミー達はどうする?」
「神様方がお風呂に入られるなら、私達も後からお風呂に入るニャ。陸達はどうするニャ?」
「私共もお付き合い致しますよ。それほど眠いと言う訳でもないですし。
なぁ?」
陸くんと同意見らしいお子様組み。もうお子様って呼べる年齢じゃないけど。
「了解です。ちょっと先に用事を済まさせて下さいね。
ルナ達が人化した時用の服とか諸々を渡さないといけないので」
『りょうか~い。まぁのんびり飲みながら待ってるよ』
「では少し失礼しますね。あ『出ろ!』徹夜するならこれ位で足りますよね?
んじゃ皆、着いて来て~」
酒類とつまみを追加したら、主寝室(分体側)へ移動します。
で、各自人化して貰って、先日創った執事&メイド服セットやらをそれぞれに渡しつつ。着方とかもレクチャー。
全員が着替え終わったらバングルの装備の説明。
改めて獣化したり、人化したりして、問題ないかも確認。
ついでに一時脱衣機能も確認しておきました。
あと先日追加して、付与する予定だったスキルの付与も済ませておきます。
「ん~特に問題ない感じかな?
とりあえず俺と新しい関係になったから、改めて皆にプレゼントって感じで受け取って。
皆からは渡した服とかで特に問題ない? あったら今のうちに修正するけど?」
「ご主人様。私の服ですが、兄様達と同様の服にして頂けませんか?」
「ん?リヴィアはメイド服じゃ嫌な感じ?」
「はい。
クレマチスさんのお考えと同様なのですが、少し動きづらいと感じます。
あと、兄様達と同様の服装の方が何かと便利だと思いますので」
「OK~多分いけると思うけど・・・『修正!』お!いけたいけた。今度はどんな感じ?」
「有難う御座います。やはりこちらの方がいいですね」
軽く体を動かしてみたりして確認するリヴィア。
完全に男装の麗人って感じになっちゃいましたが。
「ルナはどうする?変えるなら今のうちに変更しちゃうけど?」
「私はこのままでお願い致します。
リヴィアと同じ服装と言うのも芸が御座いませんし、私は特に動きづらいとは感じませんので」
「はいよ。んじゃ、リヴィアの分だけは全部執事服セットに変更しとくね」
「はい。宜しくお願い致します」
「『修正!』『修正!』まぁそれぞれの服に所有者が限定されてるから、問題ないと思うし、
バングルを使えば間違う事も無いだろうけど、一応気をつけてね。
それと、その服は現状の世界だと材質的にも異常な存在だから、地上で人化する時は改めて周囲の服装を手に入れてね?
あと念の為に予備を用意したけど、使う事が無いかもしれないから各自の部屋のクローゼットにでも仕舞っておいて。
せっかくだから魂の神様達にもお披露目しようか。
結果的に待たせちゃったし、今後お前達が人化した姿を見る機会があるなら、早い方がいいだろうしね」
「「「「「承知致しました」」」」」
「返事だけ聞くと、従者っぽいんだけど、まだまだだからねぇ。
正月休みが終わった後の従者教育は覚悟しておくように。
あ、どうせだったら変身してびっくりさせたいから、今はまだ獣化しておいて。
んで、そのまま各自の部屋に予備の服とか仕舞ったら、リビングに集合って事で。
全員揃ってからお披露目するからね。
仕舞う時は人化してもいいけど、リビングに来る時は獣化状態でね。
それじゃぁ先に予備の服を仕舞っちゃおう。
あ、不思議な武器も渡しておくけど、取り扱いには十分注意してね」
各自、自分の予備の服とかを背中に乗せたり咥えたりしながら移動。
俺は全員分の不思議な武器とか持ちきれない衣類を代わりに運びます。
扉の開閉が面倒だろうと思ったので、各自の部屋の入り口前までは開閉してあげました。
ついでに各自の部屋にネームプレートも設置。今後は改めて各自専用の個室として使って貰うつもりです。
リビングでは魂の神様達も興味深々。
ルナ達は服を背中に乗せたり咥えてるから、俺の用件は済んだのは判ってるんだろうけど、
人化した姿はまだ見せてないからねぇ。
「お待たせしました。
とりあえずそれぞれの服とかを収納させてますから、後ほど改めて紹介させて頂きますね」
『ルナちゃん達も人化したなら“従者”として扱うの?』
「方向性としてはそうですね。ただ、暫くの間はお客様の前に出せるレベルじゃないので、教育してからになりますけど」
『だったら今後はミーちゃん達も含めて、接客担当が出来る人数が増えるし、新しい神を連れてきていい?』
「そんなわくわくしながら聞いて来られても駄目ですよ?
まぁ、将来的に対応出来るようになる可能性は否定しませんけれど。
私が満足出来るレベルになるまでは、接客させるつもりはありませんからね。
かなり先の話ですよ」
「リュウノスケさんの教育となると、かなりのスパルタ教育になりそうですねぇ」
「それはどうなんでしょうね?
私は、基本的な自身の考え方とか心得なんかは教えるつもりですが、
ルナ達を“教育する事”に関しては自信がないですからね。
戦闘に関しては不死にした分無理や無茶が出来ましたから、結果的にスパルタ教育っぽくなりましたけど、
“従者教育”に関しては教育と言うよりも、各自の意思次第で成長度合いが段違いですからね。
従者としての心構えなんかは教えてすぐに出来る事でも無いですし。
そういう意味ではミーさん達の方が遥かに先輩ですからね。
先輩として、色々と教えてやって下さい」
「「承知しました(ニャ)」」
暫くしてから、ぞろぞろと出てくるルナ達。
一応ちゃんと横に整列して貰って、いざご紹介タイムです。
「先ずは長姉となりますルナです。ルナ、人化して挨拶してね」
俺の指示通りに人化してから頭を下げつつご挨拶。
「この世界の神、リュウノスケ様の“契約従魔”であり、主様の家族達の長姉となりますルナと申します。
今後主様に仕える者として、さらに精進して参りたいと思いますので、ご指導ご鞭撻のほど、宜しくお願い申し上げます」
お前は何処でそんな挨拶の文言を覚えてきたんだ?って感じで挨拶をするルナ。
突っ込みたいけど、いちいち止めてたら流れも悪くなるのでさっさと次へ。
・・・割愛。
全員同じ様な事しか言わないし、特に目立つような発言をする訳でもないから、面白くなかったです。
まぁ挨拶で面白さを求めるのは小学生までですな。
全員大人としての対応は出来た感じなので、特に言う事がないです。
若干ミーさんがシファードを見つめる視線に熱が篭ってた感じがしたので、ちょっと怖かったぐらい。
ミーさんてば、実はショタコンだったのかも・・・。
ミツハルさん。後でミーさんとよろしくお願いします。
ミーさんの視線が怖かったのもありますが、全員の挨拶が終わったら再び獣化させました。
あ~やっぱりこの方が落ち着くわ。
それじゃぁって事でお風呂タイム。
後、改めて獣化していようが、雌雄で入浴は分けると宣言しておきました。
微妙にショックを受けているルナとリヴィア。
もういちいちリアクションするのも面倒臭いのでスルーします。
で、神様3人+陸くん・空くん+タリズ・フェン・シファードで入浴タイム。
ちなみにタリズ達は獣化のまま入浴したので、俺が丸洗いしてあげました。
タリズ達の入浴方法は相変らずです。
俺の逆側で翼を広げてぷかぷか浮かんでいるタリズ。
浴槽中央付近でじ~っとお座り状態なフェン。
タリズの上を走り回ったり、タリズに並んでぷかぷか浮かぶシファード。
慣れちゃったせいもありますが、実に和みます。
神様3人+2人は風呂酒。
『ふ~。落ち着くねぇ。で?結局リュウノスケ君の“色々”って何だったの?』
「あ~実はですねぇ。
“契約従魔”にする予定だったんですけど、ルナ達が中々気付かなかったんですよ。
で、私自身が“従魔”と“契約従魔”って事に拘り過ぎなのかなぁ?って思いましてね?
私としては、従魔であろうが無かろうが、ルナ達の事を家族だと思っている事に変わりはないなぁって気付いたら、
“契約従魔”に拘ってる意味も無い気がしましてね。
それなら別に“何らかの物理的な繋がり”自体が無くても良い気がして、繋がりを絶とうとしたんですよ。
私自身の心理的抑止力としての存在も、物理的抑止力としての存在も、どちらも条件としては満たして居ましたからね」
ちらっと視線をフェンに向けると、何を思ったのか浴槽から上がって乾燥魔法で体を乾かして人化。
すぐに脱衣機能を使用して再び浴槽に戻ってきました。
続いてタリズとシファードも同様です。
「ん?人化して何がしたいの?」
「「「「早速ですが、従者教育をお願い致します」」」
「え~。せっかくのお風呂なんだし、魂の神様方が帰られてからでいいよ~。
別に今更契約破棄するなんてするつもりも無いんだし。いつも通りでいいのに~。面倒臭い」
『まぁまぁ、リュウノスケ君。
タリズくん達も彼らなりに何とかしようとしているんだから、その心意気はちゃんと評価してあげなきゃ』
「まぁ魂の神様がそこまでおっしゃるのなら・・・。
私としては、後から女性組みが入るんだから、ある程度のんびりしたらさっさと上がりたかったんですけどねぇ。
とりあえず3人とも、こっちに来なさい。従者としての心得とか基礎的な所から始めるから」
で、3人に従者としての“俺が思う心構え”とか“どうあって欲しいか”とかの説明。
まぁ本当に基礎的な話しかしませんでした。
基礎的なんだけど、一番の根幹部分なので、ルナ達と同時に説明した方が楽だったんだけどねぇ。
陸くん達も興味津々で聞いている所がさらに微妙感が・・・。
大体の説明だけしたら、早速実践。
とりあえず陸くん達に実験台になって貰います。
一応陸くん達には、お風呂上りに100点評価で各自に点数を付けて貰う方向でお願いしておきました。
俺のやる事が済んだら、神様3人は従者訓練を完全放置で風呂酒です。
神様3人でお互いにお酌をしつつ、のんびりした時間。
「そういえばルナさんもリヴィアさんも、吃驚するぐらいすっごい美人でしたね?
今後はどうされるおつもりですか?特に子供とかに関してなんですけど?」
「あ~2人からは私と深い関係になりたい。みたいな事は言われましたねぇ。
ルナからは“子供が欲しい”とまではっきりと言われましたけど。
私としては、正直微妙な所ですね。
一応そういう事を言って貰えて“嬉しいな”って思う部分も確かにありましたけど、
長年一緒に居た分“女”として見て居ませんでしたからね。
どっちかって言うと“娘”って感じの方が強いですね。
確かに“美人だな”とは思いましたけど、反応はしませんでしたから。
魂の神様みたいに枯れちゃったのか、本当に“娘”としてしか見ていないのか、私にも判らないんですよ。
大体、分体だと子供が出来ませんし、神体で居るのって今後は今まで以上に少なくなりますからね。
余計に子供に関しては考えられないですね」
『またそこで私を引き合いに出すのかい?それはちょっと卑怯だよ?』
「あぁ、すいません。何となく?」
『余計に性質が悪いって。それじゃぁ私とかミツハル君が伴侶として貰っても構わない感じ?』
「う~ん。どうなんでしょうか。
何となく嫌だな。とは思いますけれど、それでルナ達が幸せになれるなら、それもアリかな?とも思いますし。
ミツハルさんの場合だと、海ちゃんが結婚する時はどうだったんですか?
私の考えだと、大体同じ感じじゃないかな~? とか思うのですが?」
「そうですねぇ。自分の場合も嬉しい反面寂しい気持ちもありましたけど、どちらかと言えば嬉しかったかなぁ。
将来死別する事を覚悟してでも、海と一緒に居たいって思ってくれる相手と海が出会えた事は嬉しかったですね。
そういう意味ではやっぱり父性の方が強い感じなんでしょうかね?外野から見ると、ですけれど」
「やっぱりそうなんですかねぇ。
ところで、ミツハルさんはともかく魂の神様はルナ達を伴侶として迎える可能性はありますか?」
『ん~の良いお相手になるとは思うんだけど、かなり難しいかな。
第一この世界に干渉する事になっちゃうしね。単純に興味本位で言ってみただけだよ』
「あぁ!その問題がありましたね」
『後まぁ蛇足と言えばそうなんだけど、ルナちゃん達全員が、限りなく神に近い存在になってるんだよねぇ。
まだ認識次第な部分が残ってるだろうから、当面の間は本当に神になる事は無いだろうけどね』
「そうなんですか!?」
『うん。
多分リュウノスケ君の異常な世界でも最上位の存在である事と、神獣になった事が決め手だろうね。
ただ、全員の認識が“リュウノスケ君に仕える者”って認識っぽいから、本当に神になるのは難しいだろうけど。
でも本気で望んだら神になれるかも知れない可能性は秘めてるよ?』
「は~ルナ達がで“ブッ!”」
『ちょっ!リュウノスケ君汚っ!』
「すみません!でもアレ!!」
は~。ルナ達が神になれるかも知れないとはねぇ・・・とか思いつつ、
その同類のタリズ達を見て、思わず飲んでいた酒を盛大に噴出。
いやだってね?完全に予想外の光景だったんだもの。そりゃ吃驚して噴出すわ。
「タリズ!フェン!シファード!此処はそういういかがわしい接客は要らないから!
それは御持て成しとは違うから!」
タリズ達。
女体化して体を密着させた状態で陸くん達にお酌してました。当然全裸です。
陸くん達の顔は真っ赤。下を向いて、若干腰が引けてます。
体が“く”の字になっている所を見ると、反応しちゃったみたい。
大慌てでタリズ達を回収。即お説教です。その前に男体化させましたが。
フェンがぼそっと呟いた。「彼らも喜んでいましたが・・・」って言葉は陸くん達の名誉の為に聞かなかった事にします。
ウチでそんな御持て成しをするんじゃないっつーの!風俗営業なんて要りません!此処はのんびり寛ぐ場所です!
タリズ達への説教をしてたら結構な時間になってました。
なぜ俺だとこんな締まらない事になるんだ・・・。
全員が風呂から上がって着替えたらリビングへ。
相変らず陸くん達は顔が真っ赤。既婚者だったのにウブだねぇ。
それか、奥さんと死別してからかなりの時間が経つから、溜まってたのかな?
でも分類的に“雄”に反応しちゃった事で自己嫌悪に陥ってるみたい。
可哀相な事をしてしまいました。
ちなみに、タリズ達へは陸くん達からの御持て成しに関しての点数を聞く前に、
そもそもの御持て成しとして致命的に間違ってたので俺から0点の判定を下しました。
2度とするなよ?マジで。
リビングではバーカウンターで女性5人による女子会中。かなり盛り上がってたみたいです。
ルナとリヴィアも人化してわいわい楽しそうにしています。
お風呂上りましたよ~って声を掛けつつ、男女交代。次は女子組みが入浴です。今日は入浴剤の許可も出しました。
タリズ達は従者教育として接客をしたそうにしてましたが、
さっきの感じだとやっぱりちゃんと教えてからじゃないと俺が不安なので、いつも通り酒とつまみを出して、
俺達から隔離して宴会。ちょっとは反省してくれ。
で神様3人と男2人でバーカウンターで飲み直し。
女性のお風呂って長めだから、今度こそのんびり出来る・・・はず。




