第089話 俺の国(予定)
リザアース暦898年1月11日(火)。
またまたやって参りました休日の日。
今日も今日とて書斎にてモノリスの書の確認作業中です。
前回と同じく昼食後なので、じっくり考える時間も少しはあるはず・・・。
「う~ん。
一応時間を置いたら、新しく漏れとか気付くかな~?って思ってたけど、
修正しなきゃいけない箇所が見当たらない・・・。
とりあえず“衣食住”に関しては、前回のメモを記述して実行したら問題ないとは思うんだけど、
それ以外に何かあるかなぁ・・・。
初期段階では世界樹の影響下で、とりあえず人口増加を目指す方向で俺としては問題ないし、
その時点で貨幣経済へと移行してなくても、特に問題があるとは思ってないんだよねぇ。
地理的にもかなりの期間はそれぞれの種族同士が離れた場所で生活する事になるから、接触する事もないだろうし」
タバコを吸いながらぼ~っと考えます。 マジで修正箇所が判らん。
が、何処かしら問題がありそうな気がして、放置してしまうのもマズい気がしてます。
一見すると、もう問題がなさそうなんだけど、何か見落としてる気はするんだよねぇ・・・。
「とりあえず始祖人類が世界樹の影響下で引き篭もり生活をするのは、まぁある程度予定通りではあるんだよなぁ。
で、そこまでの生活に関しては前回追加した魔芋と野生動物の捕獲とかでなんとかなるはず。
その間はギルドが殆ど機能しないかも知れないけど、
それはまぁ仕方がないとして、俺の中では許容範囲内。
問題が出るとしたら、人口がある程度増加して、世界樹の影響範囲外に出るようになってから、かな?
あと可能性としては、人口が増加しても全く世界樹の影響範囲外に出ない場合も想定しておかなきゃいけないか。
でもなぁ。
世界樹の影響範囲がかなり広いとは言え、全く出ないって事はあんまり想定しなくていい気がするんだよねぇ。
人口が増加して定住し始めたら、絶対的に食料が不足しちゃうから、結果的に外に放り出される人類が出そうな気がする。
そういった人類が開拓者になって世界樹の影響範囲外で生活を始めそうなんだよな~。
延々と引き篭もり生活をしている人類に関しては放置でいいか。
好きにしてくれって感じだし。
んじゃ、改めて世界樹の影響範囲外に出て生活する人類について考えますかねぇ」
コーヒーを飲みつつ、思考中・・・。
「世界樹の影響範囲外に出たとして、魔物との力量差がどの程度かって事が問題か。
とりあえずは1000年近くまでダンジョン潰しをする予定だから、
かなり強力な魔物は存在しないと考えていいかも知れない。
当然人類側が複数人居る事が前提条件だけど。
あ~。そういえば四聖獣とかのダンジョンは放置のままだったな。
あいつらも1000年時点で聖獣化するだろうし、聖獣化したら北極大陸に移住させるか。
じゃないとあいつらの暮らしてるダンジョンだけ異常に強力なダンジョンになっちゃうし」
ちなみにここ数年のダンジョン潰しは、地表とかに出入り口が露出しているダンジョンとか、
階層が多いダンジョンから順番に潰してます。
なので、現状としては強力なダンジョンが無い状態と言っても良い感じ。
一応これも1000年時点で人類誕生の事を考えた上での行動なんですけどね。
そのせいで倉庫/給仕室がいっぱいになっちゃって、さらに拡張までするハメになってしまいましたが。
まぁそれは置いておいて、1000年近くになったら、野良で強力な魔物狩りへと移行する予定です。
で元の話に戻るけど、四聖獣が居るダンジョンに関しては、潰してないから残ったままなんですよね~。
「とりあえずダンジョンが移築出きるスキルを追加して、北極大陸に四聖獣を移住させるのは確定かな?
どうせ移住させるなら、門番代わりにしたいし、北極大陸の4つの門付近にダンジョンが移築出きるスキルがいいな。
ちょ~っとモノリスの書の記述修正からは外れちゃうけど、思いついたし追加しとくか」
って事で、ダンジョンに関するスキルを追加。
まぁ最寄のダンジョン核を指定場所に移動させるだけですけどね。
「・・・とりあえずこんな感じでいいか。
ダンジョン経営とかするなら、さらにダンジョン核自体に対して影響を与えられるスキルを追加すりゃいいやって感じ。
まぁそっちは、俺が冒険者に飽きてから始めるか、四聖獣用に予め創って付与しておくかを考えなきゃいけないけど。
どのみち四聖獣に関しては“神の祝福”スキルの付与が決定かな?
聖獣化してからの話になるからなぁ。
ま、後から追加するのも面倒だし、今のうちに創っとくか。
どうせ当分使わないから、忘れそうだし」
ついでにダンジョン操作関係のスキルも追加。
まぁ暫くは俺に関係のないスキルとなりますが。
最初に聖獣化した四聖獣の移動をして、マスター登録する時に使うぐらいか?
「とりあえず脇道にそれたけど、考えなきゃいけないのは世界樹の影響範囲外に出た人類の事だな。
・・・つーか考えなきゃいけないのかな?
何か“そこまで俺が面倒みなきゃいけないの?”って気がしてきた。
要は世界樹の影響範囲内からハブられた人類の話だよな?
人柄的に良い人がハブられるのか?
盗賊崩れとかそんな奴らが放り出されるような気がするんだよなぁ。
特に人間族に関しては。
獣人族なら、モノリスの書で記述している里子制度とかのせいで、世界樹の影響範囲外に集落を作るかも知れないけど、
それなら完全に集団で移動するだろうから、あんまり考えなくて良い気がする。
・・・う゛ぁ゛~ ダメだ。完全に煮詰まった。もう考えるのも面倒臭いや。
とりあえずここまで決定した事をモノリスの書に記述実行して、後は実際に問題が発生した時に考えよう」
色々面倒になりました。
もう問題が残っていたら、後からなんとかする方向で。
かなりいきあたりばったりだけど、俺の頭じゃ想像がつかない以上、考えても仕方がないと諦めます。
“ぽわ~ん”“パン!”
「とりあえずこれでOKのはず。もう見直しはいいや。なるようになるだろう。
時間も良い時間だし、ルナ達と風呂に入りつつ癒されよ~っと」
お得意の丸投げ発動。もうなるようにしかならんよね?
明けてリザアース暦898年1月12日(水)。
とりあえず分体でいつものルーティーンワーク。
ダンジョン潰し&食材集めを早々に終わらせて、世界樹やら魔芋を植えていきます。
「先ずは南極大陸から始めますかね。『転移!』」
「お~相変らず巨木が残ってるわ。
前見たのっていつだったか忘れたけど、あとどれくらい残ってるもんかねぇ」
南極大陸の開拓当初に植えた巨木が相変らず残ってました。
耐性系も異常に付与してたはずだし、守護層の範囲外に出ても元気に成長してたみたい。
「せっかくここまで大きくなってるんだし、こいつと岩塩鉱山の間あたりに世界樹を植えるか。『転移!』」
「ん~大体ここが中間あたりかな?
ここに世界樹と魔芋植えといたら何とかなるだろう。
とりあえず後100年はあるから、苗木のままでいいや。
先に世界樹からかな?『出ろ!』・・・まぁ苗木だしこんなものか?」
出したのは10cmほどの特殊世界樹の幼木。
ま、ちゃんと機能してくれればどうでもいいやって感じ。
続いて魔芋も『出ろ』としておきました。 一応苗木の近くに配置。
オドが多量に含まれるって記述にしてるので、魔物に即行で食い尽くされる心配も考慮して、苗木の近くに配置しました。
その後はアイネ大陸西部の始祖世界樹→東部の始祖世界樹→アイネ大陸東部海岸沖の赤道下で、
人魚族の誕生予定地点としてそれなりの浅瀬を探し、特殊世界樹と魔芋を植えたら、
西から順番に各始祖世界樹付近に魔芋を植えて行きます。
一周ぐるっとリザアースを回ったら終了。
赤道直下を回ったせいかも知れませんが、それなりに氷河期は終了したっぽい。
まだ完全に終わった訳じゃないだろうけど、そこそこ勝手に緑化されてました。草原だったり森林もありましたし。
こんな事なら、神の守護層を設置した時点で、両極大陸にも世界樹植えておくんだったと、若干後悔。
まぁレベル上げとしては意味があったから、良しとしておきます。
じゃないとマナの供給もおぼつかなかっただろうし。
で、俺の領土こと、北極大陸へ移動。
さて、何処に特殊世界樹を植えるか、だけど・・・。
「ん~とりあえず俺の国を建国する事は確定なんだよなぁ。
まぁ国民が居ないんだけど。
どういう国にするかなぁ。政治的には絶対君主制かな、やっぱり。
ミツハルさんの所も、とりあえずそれで最初はやったみたいだし、その辺は真似させて貰おう。
って、もう結構遅い時間じゃん。明日に回すか~」
その後は、さっさと居住区に帰って風呂入って寝ました。晩飯は面倒だったのでパス。
食わなくても死なないし。
また明けてリザアース暦898年1月13日(木)。
昨日と同じくいつもの作業をさっさと済ませて、北極大陸へ。
「とうちゃ~く。昨日は何処までやろうとしたんだっけ?
あぁ政治形態をどうするかを考えてる途中だったか。
まぁ国民となる人類が出来るまでは、ぶっちゃけ政治云々の話はどうでもいいや。
後から考えればいいし。
当面の俺の仕事としては、“衣食住”を整える方向で動けばいいだけだしな。
どうせ俺の国だし、自重なしで全力ではっちゃけるか~♪
と言っても、国民が居ない以上、はっちゃけるとしても住環境を予め作っておくぐらいなものか。
ん~とりあえず王城的な物は必要だな。
あと、既に北極大陸自体を城壁で囲む予定だから意味が無いけど、
一応周囲を水堀りで囲う程度の事はしておくか。水源にもなるかも知れないし。
世界樹を植えるのはその内側でいいかな?
王城と言うか、謁見の間から直線上に世界樹を配置して、
さらに石畳をず~っと北極大陸の門の所まで直線で敷き詰めればいいかな?
一応それっぽい感じになるだろうし。
となると・・・。
北極大陸の城壁の中点と極点とを結んだ直線上に頂点があるような正四角形の居住スペースを作って、
そこに謁見の間だったり行政施設だったりを配置する感じにすれば丁度いいかな?
一応中心を北極点とした小規模な街を作れば、結構綺麗に整理された街になるはず。
とりあえず北極点の火山が噴火したりしたら被害が出そうだし、城壁と同じ素材で”コ”の字型で囲んでおくか。
で、地上3階地下1階ぐらいのちょっと豪華な長屋的な建物を敷き詰めておけば、人口が増加しても対応出来るでしょ。
一応世界樹のある方を王城とか行政機関がある辺として、対辺を商工業地区。残りの2辺を純粋な居住区って感じかな?
当然居住区の方でもある程度のお店とかは必要だから、1階部分が店舗兼用みたいにしておけば十分か。
で、地下は倉庫だったり鍛冶なんかの施設が設置出来れば問題ないでしょ。
まぁその辺の住み分けはご自由にって感じでいいや。
北極点の火山を中心とした、小規模な街とは言え、火山自体が結構大きいからな。
神の守護層の範囲を考えても、多分火山にめり込む形で都市建設しなきゃいけないはずだし。
端から端まで移動する事を考えると所々に必要な商店の類は必要だから、その辺は雑然としててもいいや。
基本方針としての住み分けであって、絶対じゃないとしておけば、それなりに住みやすい街になるでしょ。
とりあえず四隅にギルド水晶を設置して、冒険者ギルドを作るのは確定かな?
正方形で街を作っても、中心が火山になっちゃうから、ほぼ世界樹の影響範囲外になっちゃうし。
まぁ北極大陸で生活出来る=神の祝福持ちって感じだから、街中で沸いた魔物程度なら撃退出来るでしょ。
最初に取り掛かるなら、世界樹の植樹からかな?
とりあえず・・・アイネ大陸方向を正面とするか」
とりあえず衛星の視点を起動してアイネ大陸の位置を確認。タイムオベリスクがあるし、間違いないはず。
で、アイネ大陸の中央火山帯と北極点の火山を直線で結んだ位置を大体特定して、
火山の麓から500mほど離れた場所に転移します。
「到着!。
とりあえずここに特殊世界樹を植える事は確定かな。
火山の麓にめり込む形で居住区を設置するし、その外側に水堀りを作るから、余り近過ぎても問題だし。
って事で『出ろ!』 世界樹はOKっと。あとは魔芋だな『出ろ!』。
とりあえずこんなもんか。
魔芋に関しては、野生動物とかが生まれたら、勝手に北極大陸全土に広がっていくだろう。
後は水掘りで縄張りして、その中に居住区を創る感じかな?その辺は1000年経過後でもいいや。
衛星の視点使えば、ある程度綺麗に直線で創る事は可能だけど、微妙にズレたりしたら嫌だしな。
人類誕生後から、人口増加待ちの間にその辺の作業をすればいいや。
って事で、後は人類誕生するまでダンジョン潰し&野良で強い奴を狩る方向で頑張ろう。
あ、ついでだし先にダンジョンだけでも移動させとくか?
でもなぁ。
海水が何処まで上昇するか不明だし、城壁が出来てからでいいか。
どうせ城門付近に移築しなきゃいけないし。
面倒だから、その辺も人類が誕生するまで延期!
んじゃま、今日のお仕事は終了ってことで」
ちょっと早めだけど、リビングに戻って晩御飯。お風呂に入って就寝です。
とりあえずは、人類誕生直前まで延々とダンジョン潰しとかの作業に戻りますかね~。