第083話 ぬいぐるみ飛行隊
だらだら飲んでたらそろそろ8時前。
お屠蘇の準備やらの正月準備をしますか~って事で俺だけ抜けました。
で、毎年おなじみの鏡餅やらお屠蘇の準備。
昨日はなんだかんだで時間が無かったのですが、今は時間があるので今のうちにって事で。
お屠蘇後に食べるおせちやらの準備も済ませたら、再び神様達に合流して飲みなおし。
相変らずミツハルさんは凹んでますが、最後に自分でとどめを刺されに来た以上、しょうがないよね?
9時頃にミーさん達も起きてきたので、改めて新年のご挨拶。
で、そのままお屠蘇へ。
去年もやったので特に問題もなく終了。
お屠蘇が終わったらお年玉タイム。
俺と魂の神様からって事で陸くん達のリュックサックに飛翔機能(正確には飛行機能)を追加。
速度的には時速20kmほどしか出ない程度に自重しておきました。
まぁそれでも喜んでくれたので良しとします。
ついでにってことで、ミーさんとクレマチスさんにも陸くん達と同じ機能を付与したリュックサックを贈呈。
非常に恐縮して居られましたが、不死じゃない以上、万が一を考えると必要だよね?
って事で納得して頂きました。
ただ、サイズ的にシファードのぬいぐるみ(クレマチスさん用)が実物より大きくなったのが笑える。
ミーさん達が背負うと、ぬいぐるみの口をちゃんと閉めてないと“でろん”とお口が開いちゃうので微妙な感じ。
一応背負う時はお子様達も含めて、ちゃんと口を閉じるようにお願いしておきました。
ちなみに去年渡した陸くん達の分もちゃんとチャック式で閉じるようにはしてたんだけどね。
で、毎年恒例の一年の抱負を宣言
魂の神様→色々頑張る(もう突っ込みません)
ミツハルさん主従→強くなる(ミツハルさんの目がマジ過ぎて、若干引きました)
俺→ダンジョン潰し&食材集め(魂の神様から酒関係を強要されましたが、もう無理って事で勘弁して貰いました)
従魔達→自分の従魔達のさらなる強化(もう十分強くなってるんじゃね?と思ったけどスルー)
お子様達→両親の言う事をちゃんと聞く&強くなる(今回は自主的に宣言しました。
去年の事があったからか、お子様達なりに色々思う所があったみたい。
まだ3歳ちょっとなのに実に偉い子達ですな。)
宣言も終わったので、おせちを食べますか~って事になったんだけど、
お子様達は早く飛行機能を試したいみたいなので、今年のおせちは遊戯室に移動して、全員で車座になって食べる事に。
季節感を完全に無視ですが、相変らず初夏の草原(芝生)エリアでピクニック状態でおせちを食べます。
お子様達&ミーさん達は急いでおせちを食べてます。
ミーさん達も微妙に初飛行を期待してるみたい。
まぁ速度的にはそれほど出ないようにしてるので危険は少ないけど、その速度で満足してくれるかは心配です。
食べ終わったお子様達から順次飛行開始。
一応俺は何かあったら困るので、救護班として待機しつつ飲んでます。
予想通り、思い思いに飛ぶものだからぶつかりそうになったり、地面に激突しそうになったので厳重注意処分。
(危険な飛行をしたら、飛行能力の付加を取り消す処分を言い渡したら、大人しく従ってくれました)
ミーさん達も食べ終わったので(今年も数の子の量が多かった)、編隊飛行についてお子様達も交えてレクチャー。
まぁ編隊飛行してれば、隊長機と言うか1番機がちゃんと飛行してれば問題も起きないだろうって事で、
ミーさんを仮の隊長機に指定。編隊的にはダイヤモンド隊形って形が近いかな?
1(ミーさん)・3(お子様達)・1(クレマチスさん)の編隊で飛行訓練して貰いました。
速度はかなり抑え目で付与したし、ミツハルさん所のグリフォンよりも遅いですが、
自分の意思次第で自由自在に飛べる分(そういう事が可能なように付与しました)、グリフォンよりも楽しいみたい。
まぁ今のお子様達が本気で走るよりも早いから体感出来る風が気持ちいいみたいです。
予め速度が遅いと判っているから、防風関係とかの付与はしてないからね。
速度的には自転車よりちょい早いぐらいでしょうか?
万が一事故っても、最悪でも怪我をする程度で済むかな~?と思っての配慮です。
順調に飛行訓練をしているご家族を眺めながら、ミツハルさんがぽつりと。
「・・・自分も飛びたいなぁ」
とか言ったので“飛べない神はただの神だ”とかボケつつ、魂の神様と2人して面白半分でスパルタ教育を開始。
と言うか、ちゃんとした神の認識さえあれば、飛行だって自由自在になるはずなんだから、
ミツハルさん自身が今まで飛べなかった方がおかしいんだけどね。
最初はミツハルさんも日本のサブカルチャーに慣れ親しんでるし、大丈夫だろうと思ってたんだけど、
ミツハルさんは萌えアニメ系が専門だったらしく、俺とは全くのジャンル違いで非常に困りました。
某、国民的アニメの頭に付けるタイプはミツハルさん自身の知力(&認識)の問題でやる前からボツ案に。
まぁ普通に1つの翼しかないヘリだとテールローターが無かったら回転しちゃうしね。
「カム挟んだ複翼をイメージにしてみては?」って提案してみたんですが“絵面的に嫌です”との事。
我侭だなぁ。
それならって事で、とりあえず最初は普通の飛行機を目指す方向でやってみました。
神力で作成した翼を使った飛行は、ミツハルさんの知力の問題でかなり早くに出来るようになったんだけど、
それだと、揚力の問題でお子様達とは速度域が段違いになっちゃうので結局ボツ案に。
一応緊急時用に使えると判っただけでもミツハルさん的にはOKみたい。
まぁ認識次第では音速越えも可能だと思うから、そのうち俺も挑戦してみようかなぁと思います。
(瞬動があるから必要ないかも知れないけどね。アレ使えばマッハ超えも可能だし)
かろうじて飛行&戦闘関係で俺でも知っていた、某萌え系飛行パンツアニメを俺が思い出して、
それを参考にミツハルさんが新しい装備を神力で作成。(“先に自分で思い出せよ!”と思ったのは内緒)
飛行用ブーツって感じになりましたが、ホバリングも可能になったので、まぁ良しとします。
いざって時にはそこそこ加速も出来るしね。
(俺の中では“某パンツアニメで出てくるブーツ型飛行装備”ってことでバンツブーツと命名)
さすがにミツハルさんでも最初は慣れなかったせいか思い通りに飛行出来なくて、
墜落やらしながら練習したせいか、ぼろぼろになってましたが。(その辺は魂の神様が修復&治癒)
ミツハルさんがまともに飛行が出来るようになったら、一旦ミツハルさんご一家を呼び戻します。
で、ミツハルさんご一家全員が飛行可能になったので、再度編隊飛行についてレクチャー。
某戦闘機映画よろしく、黒板&チョークと飛行機の模型を創造魔法で出して、グラサン掛けながら指し棒でやりました。
こういうのは形から入るタイプなのですよ。私。
なぜかは知らんが、従魔達も座って(飲みながら)聞いてましたが。
一応人数に合わせた編隊とか、役割とかをレクチャーしたんだけど、
自分でやっておきがながらミツハルさんの世界で意味があるのか?
と、正直疑問です。
ミツハルさんの世界で、戦闘機動やら編隊を組んでの隊列機同士のフォローなんかする必要性がなさそうだし。
と言うか、ミツハルさんの世界では空軍に分類される軍隊なんて今の所存在しないんだし。
グリフォンが居るなら将来的には判りませんけどね。
一応ミッシングマンフォーメーションに関しても説明。これは大事な事です!
せっかく編隊飛行を覚えて貰ったので、ついでにって事でぬいぐるみには任意発動のスモーク噴射機能も追加しました。
お尻部分から出るので、非常に微妙な機能を追加した感じ。
でもまぁ見てる分にはいいかな?
是非ミツハルさんの世界で展示飛行をして貰いたい所です。
あれって式典とかで実演したら映えるしなぁ。
一応こんな事も出来ますよ~的な意味で、俺独りでスモークを使った大空アートを実演してあげました。
典型的なハートに矢が刺さったようなヤツだったけど、お子様達含めて非常に好評でした。
やってる方としては、任意でON/OFF可能な発煙筒持って飛行してただけなんで、間抜けな状態だったんですが。
とりあえず立場的にもミツハルさんを正式に隊長として認定して、いつも通りのスワン隊形を指示。
ご家族揃っての飛行なので、全員が楽しそうに空の散歩を楽しんで居られました。
ミツハルさんも隊長機になってご家族揃って自由に空を飛んでたら、凹んでたご機嫌も回復した模様。
いい加減フォローが面倒だったので非常に助かりました。
ミツハルさんご一家がウチの従魔並に強かったり飛行速度が同じだったら、従魔達と模擬戦とかして遊べるんだけどねぇ。
ちょっと残念に思いつつ、魂の神様&従魔達と酒盛りです。
そうこうしていたらいい加減お昼御飯の時間。
相変らず飛んでるミツハルさんご一家に「お昼御飯にしますよ~」って声を掛けて全員集合。
面倒なのでサンドイッチ&コーヒー牛乳(お子様は野菜ジュース)にしました。
一応オド不足対策として、従魔達用に小物類を給仕室から持ってきたぐらい。
ミツハルさんご一家は空を自由に飛び回る楽しさを覚えたらしくて、昼飯食いながらも全員テンション高め。
ミツハルさんご自身も楽しかったらしくて、またご自分の世界で家族揃って飛ぶおつもりらしい。
既にぬいぐるみに飛行機能を付ける事に関して、クレーム付けた事を忘れてやがる。
昼食が終わって食休みしてたら、お子様達は寝落ち。
まだまだ子供だし、あれだけはしゃげば当然だよねぇって感じ。
お子様達はミーさん達と一緒にお昼寝タイムへ。従魔達はリビングに移動して宴会の続き。
神様3人で風呂酒へと参ります。 大体毎年同じような流れになってきたな。




