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俺の創った箱庭世界  作者: コルム
生命誕生編
81/243

第081話 神の怒り

「リュウノスケ様!我が子らの命を救って頂き、誠に有難う御座いました!」


「は?」


何この状況。

ミツハルさんご一家は来訪の挨拶もなしにいきなり平伏(ミルハルさんは跪礼)してるし、

魂の神様はニヤニヤしてるわで、俺としては全く意味不明。


とりあえずはまともに話しが出来そうな魂の神様に、説明プリーズ的な視線を投げてみました。


『リュウノスケ君さぁ。陸くん達にお年玉でぬいぐるみをあげたじゃない?』


「あぁ、今年のお年玉のやつですね?それが何か?」


『アレ。ミツハル君に内緒にしてた機能が発動しちゃったらしいよ?』


「は?」


確かに今年のお年玉として、陸くん達には俺の従魔達を模したぬいぐるみをプレゼント。

自動成長・自動帰還・自動修復(魂の神様からのお年玉)・防塵・防汚・防水機能付きのリュックサックにしました。

散々ミツハルさんには“自重してくれ”って言われてたので、一応説明した機能としてはこれだけ。


で、ミツハルさんから突っ込まれなかったけど、実はこっそりともう1つネタ機能を追加してたんだけど・・・。


「え~っ!あれが発動する事態があったんですか?

俺としては完全にネタとしてしか考えてなかったのに・・・」


実は所有者に対して明確な害意を持って相対した相手に対して、自動で攻撃するって機能を付けてました。

所詮ぬいぐるみだし、力的にもあの時の俺(分体の方)の1/100同程度の力しか持ってない上に、

行動不能にする程度の事しか出来ない(しない)、いわゆるガーゴイル的な機能を付けてたんですよね~。


まぁ神の子だし、明確な害意を持って相対するなんて事は想定してなかったから、単なるお守りとして考えてたんだけど、

意外な所で発動したっぽい。 つか、命を救うって大事じゃね?


「は~。なるほど。で、この状況ですか」


相変らず俺に対して畏まってるミツハルさんご一家。


『そうそう。

まぁ私としても、リュウノスケ君としても、完全に面白半分にした事だったんだけど、

結果的にいい方向に行ったから良かったんじゃない?』


「まぁそうなんですけどね~。

とりあえずミツハルさん達はソファーに座って普通にして下さい。落ち着かないので。

後、今まで通りの態度に戻って下さいね?


とりあえず魂の神様に丸投げしますけど、ミツハルさん達をいつも通りの状態に戻しておいて下さい。

年越し蕎麦が伸びちゃう方が、今の私としては大問題なので。

ってことで後は宜しくお願いします」


『え~面倒だなぁ。

まぁお蕎麦が不味くなるのは嫌だから引き受けるけど、ある程度は我慢してね?』


面倒事っぽいので魂の神様に丸投げ。

とりあえず年越し蕎麦を放置して来てるので、先に配膳を済ませます。

で、配膳を済ませたら全員で「頂きます」しました。


年越し蕎麦を食べてる間はミツハルさんご一家は終始無言。

魂の神様はニヤニヤ。ウチの従魔達は我関せずで食ってます。


ちょっ。マジで誰かこの空気を何とかして下さい。

居心地が悪過ぎる・・・。蕎麦も食った気がしない・・・。


会話らしい会話もなく蕎麦も食べ終わったので、片付けを済ませ、お寿司とお酒を出してから改めてミツハルさんに挨拶。

一応先に、従魔達にはいつもの宴会セットも出しておきました。


「えっと・・・とりあえずミツハルさんお久しぶりです。

また宜しくお願いします。


で、平伏とか様付けとか、正直辞めて貰いたいので、その点は理解して下さい。

とりあえずは飲みながら話ましょう。お互いに落ち着きませんし」


「はい、すみませんでした。改めてこちらこそ宜しくお願い致します」


「それで?何があったんですか?

あんなネタ機能を仕込んだ事自体、私は殆ど忘れてたんですけど?」


「はい、実は・・・」



かなり長くなったので要約するとこういう流れらしい。


とりあえずリザアース暦で1月3日はミツハルさん所の10月中旬あたりになるらしい。(神無月かっつーの)

で、自分の世界に帰ってきたら、岡持ちを持ち出した事が大問題になったらしい。

ミツハルさん的には、自分の所有物(というか貰った物)を持ち出して何が悪いの?って感じで無視したそうな。


日数が過ぎて、ミツハルさんの世界での正月に毎年恒例になった、俺から貰ったお酒を各国家元首に配ってたんだそうな。

場所的には一応迎賓館みたいな場所で毎年やってたらしく、今年(去年?)もそこで行ったとの事。

当然ミーさん達も従者なので同席。そうなると、お子様達はお家(神殿らしい)でお留守番。


そこに、神器(俺があげた諸々)を狙った闇組織がミツハルさんのお宅を襲撃。

かなり大規模な襲撃だったらしくて、神殿を守っていた人達にも死傷者が出るほどの大惨事だったらしい。

襲撃者側の人数がかなり多かったらしくて、守りきれずに神殿内に進入された挙句、

置いてあった幻の酒とかカクテルセットとか入浴剤とか岡持ちとかも強奪されそうになったらしい。


で、新しくお子様達に神器がもたらされたと知っていたらしい襲撃者達が、陸くん達も襲撃。

そこまでは襲撃者側の予定通りだったんだろうけど、俺がネタで仕込んだガーゴイル機能が発動。

襲撃者達の殆どを行動不能状態(四肢を尽く粉砕したらしい)へ追い込んで撃退。(襲撃者の割りに弱すぎねぇ?)


その時点になってようやくミツハルさんにも情報が伝わったらしく、急遽帰宅。


で、激怒したミツハルさんによって残っていた襲撃者達は殲滅。俺があげた岡持ちとか諸々も無事回収出来たらしいです。


人的被害以外は無かったものの、ぬいぐるみの活躍が無ければ陸くん達もかなり危険な状況だったらしい。

陸くん達へちゃんと指輪の機能を説明してなかったミツハルさんもどうかと思うが。

まぁお子様だし、突然の事で硬直してしまってたらしい。

そのせいで陸くん達は若干対人恐怖症になってしまったらしいです。

現在は少し改善方向に向かっているそうですが。


ミツハルさんが殲滅しちゃった為、

生き残ったぬいぐるみによって行動不能にされた襲撃者達を神パワーで尋問した結果、闇組織の全貌が発覚。


で、ブチギレ状態のミツハルさん達に壊滅されたのはいいんだけど、その過程で内通者と闇組織に依頼した者も特定。

内通者に関してはまぁいいとして、依頼したのがミツハルさん家の国の大臣達だったらしく、ミツハルさんがブチギレ。


一応は民主主義の法治国家だから、当然裁判になったんだけど、大臣達は無罪になったらしい。


大臣側の主張としては、神であっても国宝(勝手に岡持ちを国宝に指定)を勝手に持ち出す行為は許されない。

他の神より頂いた神与物を、神とは言え独占する事は神の国(こちらも勝手な認識です)の国益を損なう。

今後は他の神より頂いた神与物は神の国の物とし、国が管理する。

などなど。言いたい放題だったらしい。


まぁそれを認める側もどうかしてると思うが、国民に選ばれた裁判官だしねぇ。

国民自体が自分達を神に選ばれた国民だと、選民意識を潜在的に持っていたみたいです。


当然またまたミツハルさんがブチギレ。


“こんな国なんぞ知るか!”って事で、本当に信頼出来る人達だけを連れて出奔。

当然俺があげた物は全部持ってったそうです。


連れて行く人の選別はミツハルさん自身の神パワーと他の神様にも手伝って貰ってちゃんと鑑定したらしい。

で、未開拓の島国(一応北海道程度の規模はあるらしい)に自身の国を建国して全世界に建国宣言。

同時に元居た国を神の敵国と全世界に宣言したらしい。

自身の国に関しては他の神様の力も借りて、鎖国状態へ。


一応は出島的な外交ルートは作って、信用できる国とは遣り取りしてるらしいけど、基本的には鎖国。


神の怒りを買ったって事で元居た国では大混乱。

毎年恒例のお酒の下賜も中止になったりで混乱が全世界規模に拡大。

当然原因を作った元居た国に対して全世界規模で非難の嵐。

元居た国は国民からの突き上げで内閣総辞職やら色々あって、謝罪してきたらしいけど、

国民自体の選民意識が改革された訳でもないので、当然ミツハルさんは完全無視。


で、現在進行形でミツハルさんの世界は混乱中。



ミツハルさんの建国した国は神パワー全開で、とりあえずは安定した生活が出来る状態まで持って行けたそうな。

で、あんまり長期間離れる訳には行かないけど、俺に対してちゃんと謝意は伝えないと。

って事で今回ちょっと無理して来訪されたとの事。


とまぁ大体こんな感じ。

思い出す度にミツハルさんの怒りが復活するので、いちいち宥めるのに時間が掛かりました。


あ~長かった。

ってもう0時過ぎてるし・・・何時の間にやら年を越してた模様。


「そういう訳で、リュウノスケさんには深くお礼を申し上げます」

再び頭を下げるミツハルさんご一家。


「あ~とりあえずお礼は受け取りますから、お子さん達を寝かせてあげて下さい。

もう年も越してますので」


「あぁ、本当ですね、長話をしてしまいすみません。

ミー、クレマ。陸達を先に寝かせてあげて。ミー達も一緒にね」


「はいニャ。リュウノスケ様。本当に有難う御座いましたニャ。お先に失礼致しますニャ」

「リュウノスケ様。重ね重ね有難う御座いました。心より感謝申し上げます。 お先に失礼致します」


「いえいえ。おやすみなさい~・・・。


とりあえずバーカウンターに移動しますか。

ここで横向きに喋ってるより話しやすいでしょうし」


恐らく相当色々溜め込んでいるだろうミツハルさんに、

“少しは気分転換して貰えればな~”と思ってカウンターへご案内。


従魔達にはお酒とボア煮を追加。一応眠かったら寝ていいと指示。

あと、ルナには明日9時に起こして貰うようお願い。

従魔達はまだ寝ずにこのまま飲むらしいので、新年の挨拶してからリビングの照明を少し暗くさせて貰いました。


で、今回は俺だけがバーテン担当です。

恐縮してるミツハルさんですが、俺としてはとっとと座って飲んでろって感じ。


ウェルカムドリンク代わりに、ミツハルさんが好んでいたマティーニをちょっとドライ気味に作って新年1発目の乾杯。

立て続けに何杯か結構強めの酒を出してたら、ようやくミツハルさんの態度も落ち着いてきました。


で、改めて新年のご挨拶。


「あ~。

今更ですけど、明けましておめでとうございます。本年も宜しくお願いします」


『おめでとう。今年もよろしくね~」


「おめでとうございます。

色々とお世話になるかも知れませんが、本年も宜しくお願い致します」


「まぁミツハルさんのお話をお伺いした上で、色々と突っ込みたい所が満載だったんですけど、

とりあえずネタ機能が上手く働いてくれて陸くん達が無事だったから良しとしましょうよ」


「そうですね。

リュウノスケさんには“自重してくれ”って言ってたのに、今回に関しては助けて頂きましたから、

心から感謝の気持ちしかありません。重ね重ね、本当に有難うございました」


「あ~。はいはい。

もうお腹一杯感謝して頂いたので、これ以上はもういいです。気にしないで下さい。

とりあえずミツハルさんの国の大臣と言うか国民全体が色々残念な人達だったって事ですよね?

と言うか、ぶっちゃけると神に喧嘩売るって、かなりの“おバカさんなの?”

って感じですよね?」


「まぁぶっちゃけるとそうですね」


「大臣に関しては論外だし、選民意識もそうだし。私の世界でも気をつけよ~っと。

まあ私は表に出るつもりはないですし、自分の国は完全に他国から不干渉にしてますからね。

どうでもいいですけど」


「あぁ、北極大陸をリュウノスケさんの領土にしたって仰ってましたね」


『自分の世界の中でも引き篭もるんだから、すごい徹底してるよね。

さすがは“引き篭もりの神”は格が違うね!』


「いやいや。

ミツハルさんの世界の話を聞いたら、余計に面倒事しか思い浮かばないじゃないですか!

それを言うなら、ある意味ミツハルさんも引き篭もりになったんじゃないですか?

鎖国してるんだし」


「そうですね。自分も“引き篭もりの神”になろうかなぁ・・・。

正直今回の件は、自分の世界の事とは言え愛想が尽きましたよ。

頑張った結果がこれじゃぁ報われませんね」


『まぁ神ってそういうものだしねぇ。

そういった事と何とか折り合いを付けて、続けて行くしかないんだけどね』


「ところで、疑問なんですけど、その襲撃者達って弱過ぎませんか?

あのぬいぐるみに付与してた力的には、

去年お渡しした時点での俺の分体の方の1/100程度の力量しか持ってなかったはずなんですけど?

ミツハルさんの所の世界って人類誕生して何年ぐらい経過してるんですか?」


「自分の世界では人類が誕生してから2千年弱ほどですね。

リュウノスケさんの世界と違って、最初からある程度の環境を作ったら、すぐに魂の器を創り始めましたから」


くっ。その辺は俺と違ってミツハルさんは頭が良いしな。

基礎学力の違いか・・・って。


「あれ?

私の世界が誕生してから千年も経過してないのに、ミツハルさんの世界では2千年弱が経過済みなんですか?

私とミツハルさんって地球に居た年代の差って殆ど無いですよね?」


『その辺は魂だけの存在で居た時間の差だよ。

リュウノスケ君の魂を拾う前にミツハル君は神になって貰ってるからね。


仮に完全に同時に魂だけの存在になったとしても、輪廻転生の輪に入るまでに、結構時間が掛かってたからね。

今は色々な所に輪廻転生の輪があるおかげで、余り時間が掛からなくなってきてるけど』


「ふ~ん、なるほど。だから神歴も違いが出る訳ですか。

まぁその辺は、神体と分体とで生活してる時の体感する時間経過の差とかと同じ考え方でいいのかな?」


『うん。大体そんな感じ』


「なるほど。

で、話を戻しますけど、2千年弱が経過してる割には襲撃者が弱すぎませんか?

たかがあの程度のぬいぐるみに制圧される襲撃者って、正直突っ込み所が満載なんですけど?」


「いやいや!襲撃者の力量的には自分の世界でも上位の者達でしたよ!

だったらあの時のリュウノスケさんの1/100ってリュウノスケさんの世界ではどれほど強いんですか?」


「ん~。

大雑把に言えば・・・ウチの世界で・・・え~っと計算するのでちょっと待って下さいね?

交配するが生後20年として、その時点での成長分のおよそ1割が常に上昇していくものとして計算したら・・・。


一部のステータスに関しては、どれだけ遅くても千年後には誕生直後の赤ちゃんに抜かれちゃうかな?

スキル分も加算したらもっと早くなるかも?

あぁ、人類が頑張ったらさらにもっと早くに抜かれちゃいますね」


「・・・リュウノスケさんの世界って殺伐としてませんか?」


「いやいや。ミツハルさんの世界がヌル過ぎるんじゃないですか?

あのぬいぐるみのパラメータ的にも攻撃力的には600台だったはずだし。

いくら自動修復が付いてると言ってもHPだって200なかったはずだから、

一撃で撃破と言うか修復不可能なぐらいの損傷受けたら、さすがに壊れますから」


「・・・ちょっとリュウノスケさんと手合わせさせて貰えませんか?」


「構いませんけど、私の世界でやったらミツハルさんの実力が出せないのでは?」


「いえ、それでも参考にはなると思うので。是非お願いします」


「う~ん。とりあえず分体のままでOKならいいですよ。

私も神話級の魔法系のスキルとか使わなかったら、それなりの実力しかありませんし。

それでもいいですか?」


「はい。宜しくお願いします」


「了解です。一応何かあったら困るので、魂の神様も来て頂けますか?」


『おっけ~。面白そうだから、見物させて貰うよ』


神様3人で遊戯室に移動。

いちいちエリア指定するのも面倒なので、いつもの草原(芝生)エリアにしときました。


とりあえず入り口付近から500mほど中央方向へ移動して相対。

で、ふと気付く。


「あ、魂の神様?一応私の世界だったら、私はスキルとかも使えますよね?」


『うん。使えるよ?』


「あ~なるほど。

・・・とりあえずミツハルさん。最初は軽く徒手空拳でいってみますか?

ミツハルさんは神体だし、私は分体ですけど不老不死だから大丈夫だとは思うんですけど。

一応念のために」


「了解です。開始の合図は、魂の神様。お願いします」


『おっけ~。それじゃ、両者もうちょっと離れてね。

・・・そこでいいや。 それじゃ、始め!』

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