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俺の創った箱庭世界  作者: コルム
生命誕生編
75/243

第075話 神格位 その後

私、只今真っ暗な空間に居ます。マジで真っ暗。何もありません。


前回やらかして以来の久々だけど、とりあえず気分が悪くなって寝た所までは覚えています。

今回は何かやらかした記憶もないので、ただの夢かな~?

とか思いつつ、ふわふわと漂って居ります。


にしても、この空間。真っ暗だし何も無いからする事ないです。超ヒマ。

昨日はなんだかんだでかなりの量の酒を飲んだせいかな?

もう少し自重すべきか・・・とか思っていたら、

何かちょっとした威圧感だけ感じました。なんだコレ?


気分的に胡坐あぐらを組んで、この状況とさっきの威圧感の原因を考えてみるけど、訳判りません。

ちなみに私、股関節だけ・・は柔らかいので、手を使わなくても座禅まで組めます。

他は堅いので前屈しても床に手が着きませんが。


あれ~?とか思っていると、前方?から光が迫ってきました。

あ、これ、魂の神様が来た感じですか?


『やぁ!おはよう。リュウノスケ君』

正解っぽい。


「おはようございます?

と言うか今何時頃なんでしょうか?私寝過ごしましたか?」


『ん~7時前ぐらいかな?寝過ごした訳じゃないよ』


「あれ?確か9時集合でしたよね?何か緊急のご用件でしょうか?

それならルナに言って起こして貰えば良かったんですが?

わざわざ魂の神様が来られなくても・・・」


『いやいや、ちょっとルナちゃん達だとどうしようもない問題が発生してね。

で、私が出張でばってきた訳さ』


「問題ですか?私、また何かやらかしたんでしょうか?」


『う~ん。そうとも言えるし、違うとも言えるんだよね~。

所でリュウノスケ君さ、今の自分の神格位がどの程度だと今思ってる?』


「またえらく唐突ですね?神格位ですか?

ん~以前『空間をいじるとか~』とかっておっしゃっていたから、

下級の中位ぐらいまで上がってるんでしょうか?』


『あ~やっぱりね。それ、間違いだから』


「は?」


『前にさ、最初から自分は上級神だと本気で認識してた神の話したじゃない?

覚えてる?』


「ええ、覚えてますよ?

確か神としての認識以外にも、神には神格位としてのみたいなものがあるってお話しでしたよね?」


『そうそう。

それでね、簡単に言うと、今回リュウノスケ君にはその逆のパターンで問題が発生してるんだよ』


「えっと?すみません。良く判らないのですが・・・」


『私も初めて見るケースだから詳細は判らないんだけど、多分リュウノスケ君の神としてのが上昇してるのに、

リュウノスケ君自身の認識では下級神のままだから、齟齬が出ちゃったんだよね。

で、リュウノスケ君自体が消滅の危機になってるんだよね~』


「は?消滅の危機って。何でそんな事に?

神としてのが上昇したからって神格位を上げる必要があるんですか?

と言うか、そもそも勝手に上がるのでは?


あと、現状で私としては満足なので下級神のままで全く問題ないのですが?」


『う~ん。私も初めてのケースだから、何とも言えないんだけど。

とりあえずと神の神格位の認識に齟齬があった場合は問題があるみたい。

と言うか、現在進行形で問題になってるんだよ?リュウノスケ君が』


「私が、ですか?」


『そうそう。

今の症状としては、神としてのが上級神並にあるのに、認識が下級神のままでしょ?

そうすると神自身が自身のを認識しないと神格位が上がらないみたい。

で、単純に言ったら、自身の神格位を適正なとして認識するか、消滅するかの2択が迫られている感じ』


「何ですかそれ! そんな話を今まで聞いた記憶がありませんよ!?」


『さっきも言ったけど、私も初めて遭遇したケースだからねぇ。

多分これで正解だと思うけど、私自身でも正直よく判ってないんだよ』


「え~。

正直現状の下級神のままで全く問題ないから、そんな面倒な事しなくていいのに・・・」


『いやいや、だから問題が起きてるんだって。

このままだと魂ごと消滅しちゃうかも知れないし』


「消滅は嫌だなぁ。

せっかく世界を貰って“さぁこれから!”って所なのに。

あと、もっとルナ達をモフりたいしなぁ」


『でしょ?だったら認識を改めて上級神として自分を認識してくれない?』


「え~。何か面倒事が増えそうなんで下級神のままでいいんですけど・・・。

それじゃぁダメなんですか?」


『ダメだね。

さっきも言ったけど、現状で2択を迫られているから、どちらかしか選べないと思うよ?』


「さっきも言いましたけど、そもそも神格位って勝手に上がるものじゃないんですか?

何で勝手に上がってないんです?

ミツハルさんの時とかどうだったんですか?たしかミツハルさんって中級神ですよね?」


『ミツハル君の場合は知らないけど、普通の神だったら神格位を上げようとするのが普通だからねぇ。

その辺に興味が無くて、下級神のままでいいと思ってるリュウノスケ君が特殊なケースだと思うから、参考にならないよ』


「う~ん。本当に神格位なんてどうでもいいんですけど・・・。

が上がった場合のメリットとかデメリットとかってありますか?」


『メリットとしては使える力が増えるね。色々出来る事と影響力が増えるって感じ。

デメリットは・・・リュウノスケ君の場合はこの世界を治めて貰うって約束の神だから、特にないかな?

何か責任が増えるとか、やらなきゃいけない事が増えるって事もないし。

あ、を上げなかった場合のデメリットとしては、消滅するかもってのがあるね、現状だと』


「う~ん。

本当に神格位なんてどうでもいいけど、消滅するのだけは嫌だなぁ・・・。

それじゃあ、とりあえず自分を上級神だと認識すれば良いんですね?」


『そうそう』


「中級をすっとばして、いきなり上級になるってのも変な話だと思うんですけどねぇ」


『普通は順番に上がっていくものなんだけどね。

リュウノスケ君の場合はほら、モノリスの書の分体作成スキルで神格位の上昇について記述してたじゃない?

多分アレのせいだと思うよ?

しょっちゅう分体と神体を行き来してたみたいだし。

一応中級神の時もあったんだろうけど、問題が表面化してなかっただけで、が上級神になったから、

今回一気に問題が表面化しちゃったって感じかな?』


「あ~。なるほど。

そう言われるとちょっと納得です。そっか~あれが原因か~」


『納得して貰えた所で、とっとと上級神として認識を改めてくれる?

じゃないといつまでも同じ状態だし』


「いや、いきなり上級神とか言われても、全然イメージ出来ないんですけど?

私が知っている上級神って魂の神様だけですし、出来る事とか使える力が増えるとか言われてもピンと来ませんよ?」


『そこはほら。・・・なんとなく?

とりあえず思い込みでいいからさ。やっといてくれる?

私もそろそろ戻るから。あんまり長居し過ぎて変な影響が出たら困るし』


「なんとなくって・・・まぁ判りました。頑張ってみます。

俺は上級神。俺は上級神・・・」


『それじゃ、頑張ってね~』



***全ての魂を司る神視点***


リュウノスケ君の頭から手を離して様子を伺ってみる。


相変らず明滅を繰り返してはいるものの、消滅の危機は脱したようだ。

存在感自体が薄くなることは無くなり、神々しい存在感を放つだけの、明滅と言うよりは点灯を繰り返す状態となった。

恐らくこれで大丈夫だろう。

後は彼自身が上級神として認識出来るようになれば目覚めるはずだ。


『とりあえずこれでもう大丈夫だよ。後は目覚めるのを待つだけだから、リビングに戻ろうか。

落ち着いてから、何があったのかを皆にも説明するからね』


私としても初めての事だったので焦りもしたが、もう安心して良いだろう。


彼の家族達に声を掛けると、全員から【主様を助けてくれて有難う】と言われたけれど、

私自身がリュウノスケ君を失うのは嫌だったからな。

彼が作ってくれる居心地の良い時間を私だって失いたくはない。


リビングに移動しようとすると、ルナちゃんだけは【主様の傍に残る】と言ってきた。

それもまた良いだろう。後から彼の家族同士で情報共有すれば良いだけの話だから。


そんな健気で彼の大切な家族達を見てふと気付く事があった。


『これは・・・リュウノスケ君の仕事が増えたな。まぁ大した手間でもないか』


ルナちゃんだけを残しつつ、リビングへ移動するとミツハル君一家が揃って不安そうにこちらを見てきた。

彼らもまた、リュウノスケ君を心配していたのだろう。


「魂の神様。リュウノスケさんの容態はどうなりましたか?」


『とりあえず消滅の危険性はもうないと思うよ?

説明するからとりあえず座ろうか』


機械でコーヒーを淹れてようとしたら、ミーちゃん達が代わってくれたので、お言葉に甘えて先に座らせて貰う。

ゆっくりとコーヒーを一口飲み、私達全員が少し落ち着いたら、

ルナちゃんを除いたリュウノスケ君の家族達やミツハル君一家も聴く体勢になったので改めて説明をする。


『結論から言うと、ミツハル君が指摘してくれたおかげでほぼ解決したよ。


リュウノスケ君自身が下級神としての認識しか持っていないにもかかわらず、

神としてのが上級神としての存在となった為に齟齬が生じて、神格位を上げなければいけない状態だった。


普通なら、自身が神格位を上げようとする所なんだけど、リュウノスケ君自身は神格位に間して無関心だったからね。


今回の事はが乖離し過ぎた結果、起こった事態だったと思う』


「すみません。は違うのですか?」


『あぁ、ミツハル君には説明してなかったね。

神としてのはそのまま神格位を表すと言ってもいいんだけど、

神のはその神格位になるための条件みたいなものかな?

その神のが適正な状態で初めて神としてのが上がると思って貰えればいいよ。


これは前にリュウノスケ君には説明した事があったんだけど、神はその認識が重要だと言う事は知ってるよね?』


「はい。魂の神様以外の、他の神々からもそのお話は伺っています」


『リュウノスケ君自身は全く意図してなかったのだろうけど、

リュウノスケ君がこの世界を治めるのに利用した“モノリスの書”って物があってね?

それにリュウノスケ君の分体が成長したスキルレベル以外の力や能力を、

神としての神格位を上昇させる為に全て消費するって記述をしてたんだよ。

つまりリュウノスケ君の分体自身はスキルレベル以外の成長は一切しないって記述でね。


リュウノスケ君は無意識にした事なんだろうけど、“引き篭もりの神”だからね。黙々とレベル上げをしている中で、

分体が成長した力がどんどんと神としてのじゃなくてが上昇する為に消費され続けていた訳だ。

が上昇しない事には神格位が上がらないからね。


そうしている間に、順調に神のは成長して、本来ならなれるべき神としてのになったとしても、

彼自身は神としてのに全く興味が無かった。

“自分の世界がちゃんと治められるならそれでいい”ってね。


だからリュウノスケ君自身の認識で、は下級神のままだった訳だ。

どれほど力を持っていたとしてもね。


ここからは私の憶測になるんだけど、が乖離し過ぎると問題があるみたいだね。

それで今回の事態が起こった訳だ。


私も初めての事態だったから、全く想像もしてなかったんだけど、ミツハル君の指摘で乖離の可能性に気付けた。

後はリュウノスケ君自身が適切な神格位を認識してくれれば全く問題ない状態だよ。


リュウノスケ君にもその説明はしておいたから、今頑張って認識を改めて貰っている最中だね。

乖離が解消されれば、自然と目覚めるはずだから、もう心配は要らないよ』


「では後は時間の問題、と言う事でしょうか?」


『そうだね。

リュウノスケ君が自身の神格位をちゃんと認識してくれればいいだけだからね』


「ふぅ~。良かったです。

あんな状態を見てしまうと、リュウノスケさんが消えてしまうんじゃないかと心配しました」


『まぁ私も同じ状態だったから、焦っちゃってね。

ルナちゃん達が煩わしくて、思わず威圧しちゃったんだよ。改めてごめんね』


「いえ、あんな状態を見たら焦ってもしょうがないと思います」


リュウノスケ君の家族達からも謝罪の念話が来たけど、謝らないといけないのは私の方だと思う。

本当にいい子達だ。


「ところで・・・リュウノスケさんは上級神になられるのでしょうか?」


『多分そうだと思うよ?

発していた神気からするなら、私と同格ぐらいになるかも知れない』


「あ~抜かれちゃいましたか。

これからはリュウノスケ様と呼ばなきゃいけないかな・・・」


『ははは。そんな事を気にするリュウノスケ君じゃないと思うけどね。

むしろ「すみません!寝過ごしました!」とか言いそうな感じだし。

まぁ彼の本質まで変わる訳じゃないから』


「あ~。そうですね。でも、もう上級神かぁ。すごいなぁ」


『異例中の異例だね。

誕生して1000年も経過してないのに、もう上級神になった。なんて話を聞いた事がないよ。


と言うか、ミツハル君達が中級神になってる事ですら、過去に例がないほどの速さなんだけどね。


今回の件は、他の上級神にも報告しておかなきゃいけないと思うから報告はするけど、信じて貰えるかが心配だしね。

信じて貰えたとしても、厄介ごとが増えそうで私としては今後の対応が面倒だよ。


リュウノスケ君がらみとなると、面白い事も多いけど厄介ごとも多いんだよねぇ。

本当に面倒だなぁ。まぁ普通なら起こり得ない事態だから何とかなるとは思うけどね。

が乖離したらこういう状態が起こり得るって事は新しい発見だからね。普通なら起こり得ないよ』


「結論としては、リュウノスケさんは色々と規格外な事をやらかすってことでいいですかね?」


『ははは。それでいいと思うよ?』


此処で過ごす、いつも通りの空気に戻ったと思う。

多少の面倒事は増えたが、またいつもの彼さえ戻ってきてくれさえすればそれでいいのだから。

補足説明です。

前話で魂の神の威圧に関して主寝室からミツハル神が居る客室まで届いてますが、

各部屋には防音等の措置は処理しているものの、神の威圧に関しては全く措置を行っていません。

完全に主人公の想定外の事態だったものだったとして、補足しておきます。

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