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俺の創った箱庭世界  作者: コルム
生命誕生編
72/243

第072話 幻のお酒&誕生日&新規開店

『あぁ~お風呂で飲む、キンキンに冷えた大吟醸は格別だねぇ』


「あ!そうだ。

新しく純米大吟醸を思い出したんだった。『出ろ!』

とりあえず氷魔法で冷やしてっと。

魂の神様、ちょっと杯空にして頂けますか?」


『お?新しいお酒かい?大歓迎だよ! ちょっと待ってね・・・ん。よろしく』


「はいどうぞ・・・ミツハルさんもどうぞ」


「有難うございます。う~ん、焼酎・・・某独裁者さんの焼酎ぐらいしか思い出せない。

んっぐ・・・!!!

何ですかコレ!!今までとは比べ物にならないお酒じゃないですか!!」


「・・・幻の酒と呼ばれていた、と言ったら判りますか?」


「え゛!リュウノスケさんあれ飲んだ事あったんですか!?

確か1杯数万以上とかするって酒じゃないですか!」


『・・・これはすごいね。

他のお酒も十分に美味しいけど、格が違うって感じだね。

ミツハル君も飲んだ事が無かったのかい?』


「ええ、当然ありません。

流通量自体が少ないですし、美味い事が知られていた分、簡単には手に入らないんですよ。


ざっくりとした計算ですが、

いつもリュウノスケさんが出してくれているお酒数本と、この1杯が同等の価値と言えば、希少性がお判り頂けるかと。

リュウノスケさんは飲んだ事あったんですか?」


「本当に1杯だけですけどね。

いや~再現するのに滅茶苦茶苦労しましたよ~。


それっぽいのは簡単に出来るんですけど、どうしても元の味とバランスが段違いになっちゃって。

かなり際どいバランスで完成しているお酒な分、イメージ補完しても元のお酒とは別物になっちゃうしで。


あぁ、だからと言って今まで出していたお酒が不味い訳じゃないですよ?

一応料理とかに合わせたお酒を出していましたから。


コレに関しては、冷酒にして風呂酒が一番合うかな~と思って出さなかっただけですし」


『いや、それは分かってるよ。

多分これを料理と合わせても、お酒の方が勝っちゃうだろうしね。

それにしてもすごいお酒だね。とりあえずこれは持ち帰り確定かな』


「ははは、まぁ燗したりすれば他のお酒が勝るかも知れませんからケースバイケースですけどね」


「うわ~。こんな所であのお酒を飲めるとは思いませんでした・・・」


「あ、ミツハルさんは他の焼酎を思い出すまでこのお酒停止ですからね?

さっさと思い出してください」


「うぐぅ。何かリュウノスケさんが冷たい・・・」


「ん~。リア充爆発しろ!ってのと、余計な面倒事を増やしたペナルティですかね?

まぁお土産で持ち帰られる分には問題ありませんから、それで我慢して下さい」


「これを飲ませたら、自分の世界の杜氏が自信無くしそうですけどね・・・」


「まぁ勤勉かつ実直な日本人気質が生み出したある意味最高傑作ですからね。

その辺りは丸投げしますよ。


最悪渡さなければいいだけだし。

本来ならミツハルさん達だけで飲んで頂くつもりでお渡ししてたお土産ですしね」


『ところでかんって?』


「あれ?今までお出ししたことありませんでしたっけ?

日本酒を加熱して飲む飲み方の事です。熱燗とかぬる燗とか温度によって呼び方は変わりますけど、

その分香りが立ったり、口当たりが変わったりしてそれはそれで美味しいですよ?

夕食時にでもお出ししますね」


『よろしく~。

とりあえず今はこれを味わいたいからまた後でね。あぁ、手酌で飲むからそこに入れておいて。

リュウノスケ君達は焼酎の件をお願いね』


「・・・了解です。

重ね重ね言っておきますが、これも日本のお酒なのでお酒の神様には、くれぐれも・・・・・お伝え願います」


『了解~♪』


俺の分まで取り上げるとか、魂の神様も結構鬼だな。

とっととミツハルさんと焼酎の詳細を詰めて、俺達も普通に風呂酒に戻ろう。



ミツハルさんとうんうん唸りつつ、何とか美味い芋と麦の焼酎を2本づつ作成。

そこに到るまでに、数百本分ぐらいの焼酎を飲むハメに・・・俺、正直言うと焼酎系が苦手なのに。


そしてその頃には既に夕飯の時間帯。

結局自分で出した酒なのに1杯も飲む事無く風呂から上がってリビングへ。

明日はちゃんと飲む事にします・・・。


リビングではお子様達も揃ってました。完全に神様3人待ちだったみたい。

急いで用意せねば。


「お待たせしてすみません。

すぐに用意しますが・・・何かご希望ありますか?」


「今日はリュウノスケ様のお誕生日だったはずですニャ?

でしたらリュウノスケ様にお任せ致しますニャ」


う~ん。

主夫としては、いわゆる何でも良いが一番困るんだけど、誕生日の件を出されると返しづらいな。

お子様達も居るし・・・ん?お子様だったらアレでよくね?


「分かりました、少々お待ち願います」


もう創造魔法で創るだけなんですぐに済まします。

魚とかはあるけど、捌いてたら時間掛かっちゃうし。


とりあえず先に従魔連中の食事の準備を済ませて配膳してから、

今晩のメニューを創造魔法で作成して、台車に乗せてリビングへ。


「お待たせしました。

ちょっと陸くん達にも楽しんで貰えるようにしたんで、配膳を手伝って頂けますか?」


「あ!手巻き寿司!」


ミツハルさんは気付きましたが、今晩は手巻き寿司にしてみました。

お子様だったら自分で作るのも楽しめるし、一石二鳥です。


ミーさん達に配膳を手伝って貰いつつ、食べ方の説明をミツハルさんに丸投げ。

配膳が粗方済んだら、俺は日本酒の熱燗作成に戻ります。

魂の神様は食べるより飲む方が好きみたいだし。

まぁ熱燗に適したお酒を、容器を入れ替えて温めるだけですけどね。


準備が済んだら全員で「頂きます!」します。

従魔連中は好き勝手に飲み食いしてるので放置。

一応手が掛かりそうなお子様達の様子を伺いつつ、俺もかなり久々の手巻き寿司です。


ミーさん達やお子様達は、一通りミツハルさんに作ってもらってから、自分達でも初手巻き寿司に挑戦してます。


“きゃっきゃ”言いながら自分の好みにあった具材だったり、自分で彩りを考えたりしながら巻き巻き。

欲張って具材を詰め過ぎて、結果的に“手巻きサンド”になったりも想定内です。

俺も昔やったなーって感じ。


ミツハルさん達ご家族はそんな感じで楽しそうに食事して頂いてます。

多分、使っている材料的にもミツハルさん所で再現可能なのでは?

ってお伺いしてみたら、手巻き寿司の存在をすっかり忘れていたとのこと。


ミツハルさんの世界でも材料的に再現可能だから、これからはお子さんの誕生日は手巻き寿司にするそうです。


一方魂の神様。

最初は手巻き寿司にしてましたが、面倒になったのか刺身として食べてます。まぁ熱燗と刺身って合うしね。

そういった食べ方も全然OKな手巻き寿司の懐の深さに助けられつつ、俺も巻くのが面倒なので刺身と熱燗で。


そうこうしてたら用意していた酢飯も具材も無くなりました。

従魔達も食休み中です、お酒は飲んでますけど。


お子様達はまだ食べたそうに不満を言ってたけど、これからケーキを用意するって言ったら大人しくなりました。

どうやらミツハルさんの世界でもケーキは流通してるみたい。

その辺を突っ込んで話し込もうとしていたら、従魔達&お子様達から“ケーキを!早くケーキを!”的な視線が。


ミツハルさん平謝り。

俺苦笑しつつ、給仕室に戻って創造魔法でケーキを作成。

ミツハルさんの世界ではまだ流通していないだろうと思って、デコレーション・シフォンケーキにしてみました。


あと、追加で普通の無添加プリンも量産。

お子様達にもケーキを食べさせていいのか判らないので。


一応10ホール用意したけど、シフォンケーキって基本でかいからな・・・食いきれるかな?

まぁ残ったら大食い達に食わせりゃいいかとか思いつつ、リビングへ。


リビングに入った瞬間に全員からケーキに熱い視線が注がれているのを感じます。

まぁなー。今までになく巨大だしな。

追加でフルーツも乗せてるからかなり豪勢な感じだし。


苦笑しつつ、従魔達には1ホールずつ。他はカットして1/6づつ配膳。

本当なら綺麗に切るのが難しいケーキなんだけど、

その辺は短剣スキルがカンストしているおかげなのか、クリーム部を一切崩す事無く綺麗にカット出来ました。

スキル様様です。


「お聞きしていませんでしたが、陸くん達にケーキを食べさせても大丈夫なんでしょうか?」


「「「大丈夫です!」」」

いや、陸くん達には聞いてない。


「大丈夫ですよ。

自分達の世界でも早いかな~?とは思いましたが、今では普通に食べてます。

それより、シフォンケーキですか。自分の世界ではまだ出来てないんですよね」


「なら丁度良かったですね。

まぁお子様達用に無添加プリンも用意しましたけど、こっちは明日以降に回しますか」


「「「大丈夫です!食べられます!」」」

いやだから、陸くん達には聞いてないって。


とりあえず追加でワイン類とグラスを出して、お子様達(相変らず野菜ジュース)を除く全員に配ったら着席。

と、同時に「ハッピーバースデー トゥ ユー♪」 あ、完全に忘れてたわ。

微妙に照れつつ、謝意を伝えたらいざ実食!


『へ~ すごいふわふわしてるね。面白い食感』


「そうですね。

これがシフォンケーキの良い所と言いますか、普通のケーキとは違う所ですね。

まぁその分大きくなるし、結構食べる量が多くなるのが難点ですが」


「でもこのふわふわ感がたまらなく良い感じニャ!

また作り方を教えて頂けますかニャ?」


「構いませんよ?

ただ、私も作った回数が少ないですし、かなり綺麗に“ふわっと”仕上げるのが難しいですからね。

レシピはお渡ししますが、色々と試行錯誤してみて下さい」


シフォンケーキも好評だった模様。出して良かったです。

ちなみに従魔達もがつがつ食べてましたが、丸呑みに近かったのであんまり意味なかったかも。

まぁ食いきれない分を処分して貰ったから良しとしておきます。


お子様達も頑張ってたけど、1/3ほどを残して限界だった模様。

まぁ2歳ちょっとが食べるには量が多すぎだしね。

結局プリンは明日以降に持ち越しです。


とりあえずは全員食事が終了したので、ミーさん達に従魔達と子供達のお風呂をお願いしつつ俺は片付け。

ちなみに昨日お子様達&ルナがやらかしたので、今日は入浴剤も禁止にしました。


使った食器類を食洗機に放り込んで、出しっ放しだったものやプリンなんかを片付けたら一応終了。

とりあえず明日の朝食の準備だけ済ませておきます。まぁいつも通りのおせち他なんですが。


用事が済んだのでリビングへ。神様2人は酒盛り中。


『リュウノスケ君。せっかくだし、色々カクテル作ってくれない?

日本酒も美味しいけど、あれだけ色々な種類のお酒を見せられた後だと気になってね』


「いいですよ?ん~それだったらちょっと部屋をいじるか。

ちょっとまた神体で部屋をいじりたいので、お待ち頂けますか?」


『それは別にいいけど、今度は何するの?』


「まぁ見てのお楽しみってことで。ちょっと失礼しますね」


ちゃちゃっと本体に帰還してさっさとリビングへ。


「とりあえずリビング自体をもうちょっと広げるか。『空間拡張!』

で、一応スペースは確保出来たかな?」


リビング自体を前回に引き続きまた1周り大きくしました。

今回はソファーとかの設置物は拡大しなくて、単純に空間だけを広げてみました。

で、何がしたかったかって言うと。


「ん~場所的には給仕室と鍛練室の間でいいか。

丁度給仕室を挟んでコーヒーメーカー類の設置場所と逆になるし。

んじゃ、ここで決定っと 『出ろ!』 ん~まぁこんなもんかな?」


爆笑してる魂の神様と呆れるミツハルさん。


「リュウノスケさん。わざわざバーカウンターなんか出さなくても・・・」


「いやいや。こういうのは雰囲気も大切ですからね・・・ちょっと分体に戻ってきますね」


と言う訳で、バーカウンターを出してみました。

当然壁際には酒類を置ける棚も設置済み。

バーカウンター内側には流しとか冷蔵庫とか冷凍庫も完備してます。

機能的には既存の設置済みの物と同じです。


カウンターの外側にはバーとかでよく見かける椅子を5脚ほど並べて、ちゃんと座れるスペースも確保してます。

天井部から吊り下げ式のグラスとかの収納場所も設置済みです。

当然、バーカウンター専用の照明器具も設置済み。

リビングを暗くしたら、完全にバーとしてやっていけそうな感じ。


ちょっと1日で神力を使い過ぎたのか、気分が悪くなってきました。

かなり眠いし。昼間の焼酎のせいかな?

とっとと分体に戻ります。


「さて、お待たせしました。

とりあえず酒類を出さないと始まりませんね。『出ろ!』ベース系はこれで足りるかな?

後はリキュルー系か。最初から飛ばし過ぎるのも何だし、ベーシックに攻めてみますか。『出ろ!』

こんなもんかな?


後は・・・あぁ、シェイカーとか要るな。『出ろ!』っと。

とりあえずこれでバーとして成立するでしょ。


あ、つまみのピスタチオも出しとこう『出ろ!』・・・こんなもんですかね?

つーか、それよりもレシピブックが先か。記憶だけで作れる物も限られてるし。『出ろ!』

あ~せっかくだし、ついでにメニュー表とか要ります?」


「いや、形だけで既に普通にバーとして成立してますから。

自分、リュウノスケさんが何処を目指しているのか判らなくなってきました・・・」


「ははは。まぁ好きでこういうのやってましたからね。個人で、ですけど。

作れる種類もそれほど豊富じゃないですし、お客さんのオーダーで作ったりした事もないですからただの趣味ですよ。

基本、レシピ以外のカクテルとかも作ったこともないですし」


「いや、それでも十分それなりに出来てますって・・・」


「ははは。まぁ初めてのお客様ってことで、こちらへどうぞ。

メニューが無いので、最初の1杯はお任せで構いませんか?

私が好きだったヤツなんですけど」


リビングの照明をかなり落としてバー“リザアース”の開店です。

まぁ最長でも、年末年始の3日間しか営業しませんけどね。

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