第069話 年越し蕎麦
あれから結構な時間神様3人で喋りながら呑んでたんですが、中々お風呂組みが出てきません。
さすがにちょっと心配になって、ミツハルさんに様子を見て来て貰う事に。
で、暫くしたら全員が戻ってきました。
若干ミーさんとクレマチスさんがお疲れモード。
お子様達もしょんぼりしてます。
何があったんだ?
「ミツハルさん。随分と遅かったみたいですけど、何かありましたか?」
「すみません。
陸達が広いお風呂に入った事と、入浴剤が始めてだったので大はしゃぎしてたらしいです。
で、ルナちゃんから大目玉食らって大泣きしたらしいんです。
自分の子らは怒られ慣れてないものですから・・・。
その後、ルナちゃんから正しい入浴方法の指導がかなり厳しく指導されたらしくて・・・。
その指導に時間が掛かったそうです。
ルナちゃんには自分の子らがお手数をお掛けして申し訳ない」
「あ~、まぁ何か大事があったって訳じゃないなら全然構いませんが・・・。
ルナ~?また変な入浴方法教えたりしてないだろうねぇ?確か前に変な入浴方法を教えたらダメって言ったよね?俺」
ルナはプイッと顔を背けて“普通の事しか教えてない”との念話が。
「ミーさん。ルナは変なルールみたいな事を教えたりしてませんでしたか?
・・・例えば浴槽のヘリに頭を乗せなきゃいけない・・・とか」
「確かにルナニャンからはそう聞いたニャ。
他には私達の世界と特に変わった事は言ってなかったニャ」
「あ~。すみません。
ウチのルールでもそんな変わった入浴ルールはありませんので。それは忘れて下さい。
ルナ~?お前は後でちょっとしたペナルティな。
そうだな・・・お前だけ年越し蕎麦の揚げは半分にするから。
・・・お前“なんで!”みたいな顔してるけど、そのルールは前に辞めなさいって言ったの忘れたのか?
ミツハルさん。ウチのルナが変な事を教えたみたいですみません」
「いえ、自分らの子が悪かったのですから気にしないで下さい。
それより早く年越し蕎麦を食べませんか?余り遅くなると、年を越してしまいますし」
言われて気付けば21時過ぎ。ちょっと遅くなり過ぎたか。
「そうですね。
急がないと意味が無いですし、確か縁起も悪くなるはずですから。
それじゃ、持ってきますね」
大慌てで給仕室へ。
もう準備完了してたので、即配膳して全員で“頂きます”しました。
ちなみに陸くん達は始めて食べるお蕎麦に再び大はしゃぎしてました。ミーさん達に怒られてましたが。
俺としたら、その年齢でお箸を上手に扱える方が驚きなんですが?
それにしても、お子様達は元気だな。そして懲りないな。
ある意味ブレないと評価した方がいいんだろうか?
あと、宣言通りルナの揚げは半分にしました。
が、お代わりしてたので余り意味ないんだけどね。
まぁルナの好物っぽいから若干しょげてたけど、お代わりは禁止してなかったから例年の倍以上食ってましたわ。
『初めて食べたけど、面白い食べ物だね。これにも意味があるんでしょ?』
「はい、細く長い食べ物なので、延命とか長寿とか。あと末永くご縁がありますように。
とか、そんな意味があったと思います。確か別の意味もあったと思うのですが・・・。
ミツハルさんは覚えて居られますか?」
「え~っと。
確か切れやすいから、今年一年の災厄を断ち切るとかそんな意味があったような・・・」
「あぁ!そんな意味もありましたね。
年越し蕎麦の意味としてはそんな感じです。
麺以外の具材に関してはウチの家庭の味って感じなので、意味は無かったと思います。
と言うか、聞いたことが無いので」
『へぇ。おせちもそうだけど面白いね。
ところでミツハル君は久しぶりらしいけど、どう?』
「旨いですし懐かしい味ですね。基本的にはほぼ同じ味と言っていいのかな?
揚げと鰊の甘露煮もこれはこれでアリですね。
自分も初めてですけど、十分美味しいですよ。魂の神様は如何ですか?」
『確かに美味しいね。もう完食しちゃうぐらい美味しいよ。
ところで気になってるんだけど、リュウノスケ君のところの従魔は別として、
リュウノスケ君とミツハル君の食べ方に意味はあるの?他の食べ物の時はそんな風に音を立てて食べたりしないのに、
お蕎麦を食べる時だけ随分と音を立てて食べてるけど?』
「あぁ!すっかり忘れてました。
我々の元居た世界と言うか、国ではこれが普通だったんですよ。
他の料理に関しては違いますが、お蕎麦に関してだけは音を立てるように“すする”って食べ方が一般的だったんです。
一応これにも意味がありまして・・・。
・・・そうですね。実際に食べ比べて頂いたら判るかと思うのですが、
“すする”事で空気も一緒に口の中に入りますよね?
それでお蕎麦の香りがより引き立つんですよ。
ちょっとはしたないかも知れませんが、実際にやってみて下さい」
「そういえば、普通は音を立てないのがマナーでしたね。
私もすっかり忘れてましたけど、体は覚えているものですねぇ」
『へ~じゃ、ちょっと失礼して「ズズー・・・」お!本当だ。さっきよりも香りを強く感じる』
俺達の話を聞いていたのか、ミーさん達も「ズズー」って食べ始めました。
あ~、蕎麦食ってるなぁって感じ。 和の心ですな。
まぁ他の食べ物だと単純にマナー違反なんですけどね。
一応お子様達にはその辺を注意しておきました。「音を立てて食べて良いのはお蕎麦だけだよ」って。
ほどなくして全員完食・・・と言うか作っていた蕎麦が無くなりました。
ルナ達が食い過ぎ。何人分食ってんだって話。
まぁ全員分が無くなったし、お寿司を出してお子様達以外は飲酒タイムです。
魂の神様は『お蕎麦も美味しいけどお寿司も美味しいね。清酒と合うし、お酒が美味しいなぁ』と大好評。
未成年なので野菜ジュースを飲んでいた陸くん達がぼそっと呟いた、
「神酒がこんなに・・・しかもルナさん達まで大量に飲んでるなんて・・・」発言はスルーします。
神酒がどうとか、俺には全く関係ない話だもんね!
いい加減いい時間(11時前)なんでそろそろ就寝時間。
神様連中は明日風呂酒予定にして、今日は風呂に入りません。
大人達だけなら夜更かしして年越しもアリだけど、お子様が居るから早めに就寝です。
明日も朝7時起きだし、正月はやらなきゃいけない事が沢山あるしね!
ってことで「おやすみなさい~ 良いお年を~」と言い合いつつ各自就寝。
陸くん達もこの挨拶を知ってたらしい。
お子様3人はお母さん方と一緒に寝るとの事で、連れ立って客室へ。
後は俺独りで後片付けと正月準備です。
いい加減、俺にも従者が、欲しいです。 字余り。




