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俺の創った箱庭世界  作者: コルム
生命誕生編
63/243

第063話 従魔の従魔

リザアース暦801年 5月11日(金)。


ちなみに今年の正月は魂の神様だけがいらっしゃいました。

ミツハルさんのお子さんは無事誕生したとのこと、母子共に健康だそうなので一安心しました。


で、そのミツハルさん達はお子さんが生まれて間もない為、長期間ご自分の世界から離れられないとのこと。

と言うか、ミツハルさんだけでも来られたんだけど「男親として母子を放置して正月休みとか出来ません」だって。

まぁ確かに。

首もすわってない子供を残して正月休みしてる親父はダメだと思うし。


ちなみに生まれたお子さんは3人。

ミーさんところが双子だったらしいです。魂の神様は知ってて黙っていた模様。

まぁ知ってて当然っちゃ~当然だけど、ミツハルさんは発覚したら大慌て&大喜びしてたらしいです。


最初から教えてあげればいいのに~って言ったら『楽しみを全部取っちゃうのもねぇ』とのこと。

悪意がある訳でもないし、お目出度い事だから別にいいけどね。


で、俺からの出産お祝いとして、お食い初め用の祝い御膳セットを3つ(かなり豪華仕様にしてみました)、

あと清酒30本ほどを魂の神様から渡して頂くようお願いしておきました。亜空間&時間停止仕様の岡持ちに入れて。


当然、毎年恒例となった魂の神様へは、複数の種類の清酒を合わせて150本ほどお土産としてお渡し。

いい加減、これだけの量の酒をどうやって消費しているのかお伺いしてみたら、

上位の神様仲間で分け合ったりして飲んでるらしいです。

そうやって上位の神様にもお渡ししているおかげで、俺の世界への干渉を抑えられてるとのこと。

まぁ不干渉の代わりの上納品だと思えば安い(創造魔法を使うだけ)ものですから構いませんけどね。

ただ種類と数が多い分面倒臭いだけで。

それでも干渉されるよりはマシなので全然OKです。



で今に至る。

現在は自主訓練日夜のお風呂タイム中です。

今日は入浴剤OKな日なので、浴室に広がるローズ系の香り。

後は全員定位置でのんびりゆったり浸かってます。


色々と花系やハーブ系の香りの入浴剤を出してみたものの、ルナはもうローズ系しか選ばないみたい。

誕生日や進化した日なんかに、他の従魔達にも入浴剤の選択権を与えたりしたんですが、

ルナに気を使ってか、ローズ系しか選択しませんでした。

気分的に、俺独りで入浴する時限定で湯上り爽快系を使用するぐらいです。


従魔達は自主訓練の日でも20時頃にはリビングに戻ってきます。

夕食を出す訳でもないし、外泊もOKなんですが、ゆっくり休みたいから戻ってくるらしい。

お前ら、野営系スキルを上げるつもりが全然ないんだな・・・。


そんな感じの従魔達には空間魔法までしか付与してないのでたま~にリビングでバッティングが発生。

それによる空間魔法が不発する事もちょくちょく発生しました。


それじゃぁ、って事でどうせ使ってない執事&メイド部屋を雌雄でそれぞれに割り振りました。

最初の頃は慣れなくて主寝室で寝てましたが、最近は慣れたのか、それぞれの部屋で寝てくれるように。


長年続けてきたせいか、ちょ~っと一人寝が寂しく感じる事もあるけど、もう慣れました。

相変らずルナによる目覚まし係は継続中。大体7時前後が起床時間です。


そんな日常をぼーっと振り返りつつ、入浴中。

こいつら俺より断然強いのに、この姿見たら全然強そうに見えないなぁ・・・って感じ。

シファードの入浴時の落ち着きの無さは余り改善しませんでしたし。

今もタリズとリヴィアの翼の上でちょろちょろ動き回って楽しんでます。

翼から滑り落ちてあぷあぷしてたらタリズかリヴィアが助けてるんで、お互い楽しんでるみたいだし注意するのもね。


あ゛~。どうすっかな~色々と。

覚悟は出来てるけど、マジでいい加減明確な方向性を考えておかないとなぁ。

若干考え込んでいたら、ルナが気を使ってか尻尾2本を器用に使って俺の肩とトントンしてくれました。

ルナさんや・・・いつも済まないねぇ・・・って感じです。


こいつも随分成長したよなぁ・・・とか思いつつ、かなり久々に完全鑑定・・・と。おや?


「ねぇルナ? なんかお前の従魔召喚魔法のレベルが上がってるんだけど・・・何か心当たりある?」


トントンしてくれてた尻尾がピタッと停止。

あ、この反応。何かやらかしたな?


一応他の従魔達も完全鑑定・・・他の従魔達は上がってませんでした。

するすると尻尾を引き戻すルナ。

逃亡する可能性が高いので、とりあえずルナを捕獲。

両前足を確保しつつ、お腹を上にした抱き込む体勢に。

で、お腹あたりをモフりながらさらに追求。


「ん~?心当たりがあるのかな~? 怒らないから言ってみ~?」


じたばたし始めるルナ。

ふっふっふっ。俺の捕縛術&柔術はカンスト済み。簡単に逃げられると思うなよ?

まぁルナが本気で逃亡しようとしたら、阻止出来ないけど。


「全員ちゅ~も~く。

ルナが何かやらかしたみたいなので、只今より尋問を行います。

逃亡の可能性があるので、各自ルナが逃亡出来ないように監視をお願いします!」


とりあえず全員を巻き込んでルナの逃亡を完全に阻止。これで逃げられまい。

正面にリヴィアが、右はタリズ、左にフェン。俺の頭の上にシファードが乗って完全にルナ包囲網の完成です。


ってか、シファード。あえてそこか! それほど重くないからまぁいいけどさ。


「さて~。改めまして~。ルナ?何をやらかした?」


沈黙しつつ、顔をプイッと背けました。 ほっほー 徹底抗戦の構えか?


「とりあえず逃げられません。で、俺は放す気もありません。

でもルナは喋る気がないのかな~?

だったら、誠に遺憾ながら~・・・ルナにくすぐりの刑を執行!」

くすぐりの刑と言う名のモフモフを堪能です。

さすがにもう何百年の付き合いなので、ルナのモフられて気持ち良い場所も把握済み。

で、あえてその気持ち良い場所を触れそうで触れない感じにして、じらします。

なんか自分で言っててエロイな。


「ほれほれ~ 別に怒ったりしないから、素直に白状してみ~?」


じたばた暴れるルナ。

だんだんマジで逃亡しようと試みてるみたいだけど、完全に俺が抱え込んでいるのでまだ無理。


「ほれほれ~ これ以上続けたら、弟妹達に醜態を晒す事になっちゃうぞ~?」


いつもより5割増しぐらいでモフり倒し続けていたら、ルナちゃん失禁。

あらら、粗相しちゃった。

まぁ俺にとったら子供の粗相と変わりないので、大した問題じゃないけどね。 ペットの嬉ションと同じノリ。


でも、ルナとしては長姉としての威厳が損なわれる結果に。自業自得です。

涙目なルナから抗議の念話とてしてしと降参のタップが。

まぁ涙目って言っても、元々眼球赤いから判り難いけど。


「だから。抗議する前に素直に白状すれば良かったのに。

とりあえずリビングで改めて聞くから、覚悟しとくように。

んじゃ、全員もう一度体洗って出るよ~。あ、ルナが逃亡しないように見張っておいてね」


で、出水口を止めて浴槽の水を抜きつつ、入った時も洗ったけど改めて全員丸洗い。

そして全員がリビングに集合。もちろんルナも連行されました。


全員の前にコーヒー牛乳を配ったら、事情聴取再開です。

ちなみにここ100年ほどで全員が俺の真似をして風呂上りにコーヒー牛乳を飲むようになりました。

あと雄従魔達は最近ではコーヒーまで飲むように。


「で?なんで黙ったのさ?

従魔召喚魔法のレベルが上がってるなんて、理由は考えるまでもなく従魔従えてるんでしょ?

まぁ従魔が従魔従えてるのは完全に俺の予想外だけど、俺が間違えて付与しちゃっただけだから気にしなくていいのに。

そこまで頑なに説明を拒否した理由は何?

さっきも言ったけど、別に怒らないから言ってみ?」


まぁ普通に考えれば当然ですわな。従魔が居ないのに、従魔召喚なんて出来る訳ないし。

で、半泣きのルナからの念話を纏めると以下の通り。


南極大陸にはなぜかテイル種が数多く存在しており、格が違うとは言え、自分と同種族を狩る気にはなれなかった事。

で、テイル種を従魔にして、俺の指示していた南極大陸の魔族誕生予定地点周辺の魔物討伐を代行させていた事。

そうすると自分自身が食いっぱぐれるので、勝手に中央大陸に移動して狩りをしていた事。

それらを勝手にやっちゃったので、俺に言ったら怒られると思って黙っていた事。

だそうな。


「ん~なるほどねぇ。

南極大陸にテイル種が多いのは謎だけど、同族狩りを避けたのは別にいいよ。

従魔を使って俺の指示を代行させてたのは、ちゃんと言ってくれれば許可したし、

同種族が多くて狩りづらかったなら、他の大陸を任せてもよかったんだしね。


ただ、勝手に別の大陸で狩りしてた事と、それらを全部俺に相談しなかった事は問題かな?」


しょぼ~んとしているルナ。尻尾が増えても可愛いものは可愛いです。

と言うか、それで怒られると思われていた事自体が、俺にとってはショックです。

もう何百年も一緒に居るんだから、もう少し信頼してくれてもいいのに・・・。


「まぁ問題としてはそれだけかな?ちゃんと俺に言ってくれれば良かったのに。

今まで従魔が従魔を従えるって可能性を考えてなかったけど、もし他の皆も従魔を持ちたかったら従えていいよ。

特にリヴィアは担当する範囲が海だから1人じゃ大変だろうし。

あぁ、ルナも含めてだけど、従魔達に1000年が経過して人類が誕生したらなるべく敵対しないように伝えてね。

と言うか、人類と接触しないようにって言った方が正確かな?

まぁ当然人類に襲われたら逆襲するのはアリだけど、なるべく接触しないようにして欲しいぐらいかな?

俺は1000年が経過した後は、人類に混じって生活するつもりだから、その時に討伐とかしたくないからね。


もし希望するなら北極大陸に移住させる事も考えておいて。あそこなら人類とは関係ない場所だから。

俺から言える事はそれぐらいかなぁ。

だからルナ。これからは些細な事でもちゃんと相談してね。判った?

俺としては、それぐらいで怒られるって思われてた方がショックだから、もう少し皆に信頼して貰えるよう頑張るよ」


鼻をすりすりしながらごめんなさいしてくるルナ。あ~癒されるわぁ・・・。


ほのぼのしていたら、ルナから再び念話が。

“風呂場で何を悩んでいたのか?”だって。気付かれてたらしい。

と言うか、他の従魔達も気にしてたみたい。他の従魔からも同じ様な念話が来ました。

最近風呂に入ってたら考え事してる時が多いから当然か。


「ん~まだ内緒。

1000年になったらちゃんと言うからそれまで待ってね。

と言うか、俺自身でまだどうするか考えてる段階だから、皆に言う訳にもいかないんだよね~。

出来るだけ皆が幸せになって欲しくて悩んでるだけだから、心配しなくて大丈夫。ありがとう。

ところでルナ?従魔ってどれぐらいの数を従えてるの?」


従魔達に気を使われてた事に嬉しくもあり、情けなくもありつつ、露骨に話題転換。

まぁまだ言う時期じゃないからね。俺も決めかねてるし。

で、ルナの従魔の数ですが軽く30を超えているそうな。すげぇなお前。


しばらくして、ルナも落ち着いたら今日は解散。

おやすみなさい~と各自に声を掛けつつ、俺は風呂場の掃除をしてから朝食の準備。終わったら主寝室へ。『帰還!』


******************************


『帰還!』


「さて、明日も自主訓練日だしとっとと寝るか。食材としてはオーガ系を少し狩れれば十分かな?

んじゃ、おやす・・・ん?

南極大陸・・・テイル種・・・あれ?

もしかしてシファードを従魔にした時の奴が生き残ってた!?」


ちょっと思い出したんだけど、

シファードを従魔にした時に居た2階層分のテイル種を狩らずに南極大陸に放置した気がする。

で、あれがきっかけでテイル種でもちゃんと狩ろうと決めて、それからは種族関係なく狩ってたけど、

最初の奴らは踏ん切りが付かなくて威圧して追い散らしただけだったような・・・。


「するって~と何ですか?

今回の従魔騒動の顛末は結局の所俺がきっかけだった?


あちゃ~。これはルナ達には絶対に言えんわ。

墓場まで持って行かなきゃ・・・まぁ死ぬ気はないけど」

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