第055話 模擬戦 午後の部
トイレ休憩も終わり、全員がリビングに集合。
ぞろぞろと連れ立って鍛練室へ・・・。で扉をオープン。
「う~ん。同じだけどまぁいいか。特に問題がある訳でもないし」
引いたのは再び氷原エリア。まぁいいでしょってことで此処で午後の実戦練習と参ります。
「午前中にも言ったけど、今日は単純に連携の練習だから。
単に連携の練習目的だから、神の試練も封印状態で戦闘するし当然手加減も使用しての訓練にします。
まぁ死ぬことはないけど、一応全員手を抜いたりしないで本気で取り組む様に。
そうじゃないと、意味がないからね。
あと、昨日付与した練気魔闘術。あれ使ってみてね、結構便利だから。
それじゃ、『完全変身!』」
【あ、フェンとシファードはこの姿初めて見るよね?
一応俺の手加減の一種だと思っていいよ。皆が強くなったら本来の姿で戦闘するから頑張ってね】
とりあえず改めて午後の説明。
で、俺がテイル種に変身した姿を見せてなかったので、フェンとシファードは吃驚したみたいだけど、
そのリアクションにはもう慣れました。
ちなみに、タリズ・リヴィア・フェンの変身組みは元の姿に戻ってます。
【一応、いつもの訓練と同じスタイルで練習するから、最初はちょっと離れるね。
開始の合図はいつも通り俺の超位神聖魔法で光を出すからそれを合図にしてね。んじゃ、戦闘準備!】
自分で戦闘準備~とか言っておきながら、俺独りは入り口から反対側へ全力でダッシュ。
で、壁際に到着したら超位神聖魔法を天井に向かって発射&手加減発動。さぁて、始めますかね。
【午前中の説明でちゃんと理解してれば、俺を近づけないようにする事が大事だって理解してると思うんだけど・・・。
どうだろう?ちゃんと出来るかな? ま、やってみれば判るか。
一応戦闘しながら注意点があればその都度注意する方向で行こう。まぁまだ俺の方が断然強いしな】
従魔には手を抜くなと指示しましたが、俺は手を抜かないと練習にならないので適当に手を抜きます。
早速、瞬動じゃなくてただの走りで従魔達の元へ接近。
ちゃんと午前中の説明を理解していたのか、リヴィアはブレスで、ルナ・フェンは自分達の強化&俺の弱体化。
タリズはいきなり極爆風魔法を放ってきました。ま、この時点ではシファードのすることがないわな。
まぁ、此処までは一応合格かな?問題はここからなんだよな~。
とか余裕かましつつ、多少は痛いけどブレス&弱体化&極爆風を突っ切って、リヴィアに接近。
【さて、接近された場合はどうしたらいいか思い出して! 各自頑張ってね!】
一応声を掛けつつ、リヴィアに突進からの噛み付き。で尻尾で捕まえて氷原に叩きつけ。
と、横からルナが飛び込んできたので一旦離脱。
さらに予測していたのかフェンも俺の離脱地点目掛けて突進。
まぁ当然余裕でかわせますけどね。
【そうそう。リヴィアだけにターゲットを絞らせないように、ルナとフェンは上手に動いてね。
シファード!ぼーっとしてないで、すぐにリヴィアを回復させる!
タリズもルナとフェンが俺を引き剥がしたんだから、さらに離れるように魔法とかで追撃して!】
まぁ、一応ルナとフェンに関しては今の所及第点、ってところかな。
【リヴィアも単純にブレスを放つだけじゃダメ!
ブレスを放った後も俺に捕まらないように避けるとか準備しなきゃ!
練気魔闘術使ってみ?今よりも動けるようになるはずだから。
もう面倒だから、全員練気魔闘術を使用して戦って。
今のままだと、俺からしたら連携が遅過ぎてちゃんと練習出来ないし】
ちょっとこのままだと、俺が手を抜いても俺Tueee状態になってしまうので、練気魔闘術の使用を改めて指示。
ちゃんと全員発動したみたいで、昔の俺の時みたいに青白と紫の蒸気みたいなのに包まれました。
秒間回復量の関係でMPとSPの使用量が減っちゃうけど、基礎能力が上がる分、十分練習になるでしょ。
で、その後も適時指摘しながら連携の練習を続行。
リヴィアだけじゃなくてルナやフェンを狙ったパターンや、あえて離れて後衛に対して魔法攻撃を仕掛けるパターン。
全体攻撃された場合のパターンなどなど、色々と試してみました。
まぁ皆、弱いなりに出来る事を模索しながら戦ってくれたので一応及第点はあげれるかな?
特にタリズの頑張りがすごかった。極爆風魔法放った直後に魔法に紛れて突進掛けてくるとは思いませんでした。
今回唯一のクリティカルヒットって感じでしたね。あれは油断してた分、完全に直撃。ちょっと痛かったわ。
結局、シファードが自身でSP枯渇状態になってしまい、ヒール役が居ない状態の練習として続行してたんだけど、
シファードに続きフェンが、さらにはタリズ、次にリヴィアまでもがSP枯渇で気絶。
ちなみにタリズとリヴィアは底力が発動したみたいで、1度は回復したものの、その後再び枯渇して気絶しました。
最終的に基礎能力が他とは段違いなルナだけが残った状態に。
【ん~。まぁ今日はこれで終了でいいか。とりあえずルナ。お疲れ様。
大体皆の動きとか、連携の意味が判った?
明日だとまだ早すぎるかも知れないけど、今後生かせるように頑張ってね。
『手加減解除!』『完全変身解除!』】
「ふ~。まぁ皆頑張ったし、今日は特別におやつ追加かな。勿論ルナの分もあるからね」
ルナをモフりつつ、皆頑張ったことだしおやつ追加発言。で、それに喜ぶルナ。
あ~癒されるわぁ・・・。
俺のレベル上げも兼ねて、MP変換で各自のSPを回復。
一応HP変換とSP変換も併用してます。レベル上げなので。
で、全員が気絶状態から回復したら、手加減を解除させてから巨体組みにはリビングサイズに縮小して貰いました。
「は~い。皆お疲れ様でした。
まだ全体として連携の練度が低いのは仕方ないし、基礎的な能力も低いから負けちゃいましたけど、
一応各自がそれなりに頑張ったので、合格としておきます。
先ずは基礎的な能力自体を上げる方向で頑張ってみてね。
あとタリズ!お前のやった攻撃はなかなか意表をついてて面白い発想だったと思う。
常に狙ってちゃダメだけど、ごく稀に狙う程度なら有効に使えるかも知れないから覚えておいて。
で、頑張ったみんなには晩御飯におやつを追加しますのでお楽しみに。
まぁ、明日の訓練で少しでも今日の連携の成果が出るといいよね、ってことで今日の練習は終了です。
晩御飯にはまだ早いから、今日は先にお風呂入ってから晩御飯にします。
ってことで皆でお風呂行くよ~」
全員で連れ立って浴室へ。
俺だけぱぱっと装備を脱いで洗濯乾燥機に放り込んだらいざお風呂タイム~♪
今日も昨日と同じ順番で丸洗いしてあげました。
で、俺自身も洗い終わったら浴槽へ。
「ふぃ~。今日の練習はなかなか良かったな。皆頑張ってくれたし。
訓練日の午前か午後に組み込むか?
でもなぁ、もし訓練で俺が負けた日はせっかく予定してる皆の自由時間が無くなっちゃうからなぁ。
皆はどうしたい?って聞いてもどうせ訓練を無くすか少なくする方向でしか答えないだろ?
それはないから」
案の定、古参3人組からは「どうしたい?」って言った瞬間に訓練を無くしたい方向の回答しか得られませんでした。
新人2人はよく判ってないみたいだけど、まぁ明日の訓練が終われば古参達の態度を実感してくれる事でしょう。
一応新人の通過儀礼みたいな感じになってるけど、明日も手を抜くつもりはないからね。
「う~ん。訓練で負けた日の午後は従魔同士で模擬戦して貰えばいいか。
実際に相手にした時の方が役割の重要性とか、どう立ち回ったらいいのかが理解しやすいかも知れないし。
さすがに1対1だとルナの独り勝ちになっちゃいそうだから、それはナシとして。
適当なハンデをつけるとか、ある程度皆が強くなったら単純にくじ引きにしてもいいな。
そうすれば俺が居なくても訓練は出来るだろうしな。よし、そうしよう。
暫くはルナ・シファードVSタリズ・リヴィア・フェンでやったらバランスも取れるだろう。
それじゃ、明日からの訓練日午後の予定はそれで決まりね。勿論俺に勝てれば自由時間にするけど。
一応勝った方にはご褒美で・・・そうだな。おやつ程度の量でも晩御飯が出ればやる気も出るかな?」
浴槽の反対側でタリズとリヴィアがアイコンタクト。少しはやる気になったみたい。
一方ルナは不満げ。
まぁ現状の戦力差で考えると、どうしてもこういうチーム分けになるから。諦めてくれぃ。
暫くのんびり浸かりながら、俺の独り言っぽい雑談タイム。
明日の訓練日が終わったら連休になるから、どうやって過ごそうかな~?とか、
12月31日は従魔だけで総当り戦をしても面白いかな~?とか、
何かご褒美が出たら皆もやる気が出るかな~?とか。
それならその成績順で正月の3日間限定でおやつのお代わり自由にするのも面白いかな~とか。
1月1日はお酒もだして無礼講でどんちゃん騒ぎしたいな~とか。
まぁそんな感じで取り留めの無い話をだらだらと喋ってました。
一応念話で【それならやる】とか【お酒って甘い?】等のリアクションがあったので、一応聞いてたみたい。
誰からのリアクションかは推して知るべし。
そうこうしてたらいい時間なので全員でお風呂から上がり、夕食。
まぁ昨日予定してたメニューに、今日のがんばったで賞として生のマンゴーを追加した程度ですが。
で、食後は独りで食器類の片付けや減った野菜ジュースの補充やら明日の朝食の準備を済ませます。
あと、朝から煮込んでたボア煮を寸胴ごと食品棚に移動。また明日も作らなきゃ・・・。
全部終われば少し早いけど本体に戻って今日は就寝。ちゃんと目覚まし係には目覚ましをお願いしておきました。
さて、明日は新人2人が加入しての初訓練になるけど、どの程度持ちこたえてくれるかな・・・。
「それじゃ、みんな、おやすみなさい~」