第044話 スキル追加とか
『帰還!』
早速モノリスの書を手元に引き寄せて、関連記述を眺めつつ修正点を考えます。
「何処から手を付けたらいいか判らんから、片っ端からやっていきますかね」
「とりあえずは従魔の秒間消費MPを減らそう。
でもなぁ。減らし過ぎるのも問題なんだよなぁ。
強力な従魔を実力が伴わない奴が従える状態だけにはしたくないし。
正直現状でも十分少なくしてるんだけど、1000年後とかを考えると・・・。
う~ん。やっぱ俺のMP回復量でもルナとタリズだけですら維持出来るかどうか怪しいな。
俺的には陸と空の従魔が揃ったし、あと海系で1匹は確実に追加したいから絶対に不足しそう・・・。
・・・もう単純に現状の数値から従魔魔法のスキルレベルで割るか。
一応従魔魔法のレベルが低ければ現状維持になるし、高くなったら最大で1/100まで減らせるしな。
従魔の秒間消費MPに関してはそれで行こう。問題の先延ばしでしかないけど、とりあえず記述」
“ぽわ~ん”
「次は・・・完全変身時の消費MPと消費SPをどうするか、が問題か。
神話級とは言え、消費0とかにはさすがにしたくないな・・・。
かと言って新しく秒間回復量増加系のスキルを追加しちゃうとバランスが崩れるしなぁ。
う~ん。回復量増加系のスキルを追加する以外に良いアイディアが思い浮かばん。
とりあえず保留するか」
「戦闘中の回復量低下をどうするか、が次ぎの問題かな?
こいつは完全にモノリスの書の記述を変更するかスキル追加の2択になるから、スキル追加で決定だな。
戦闘時も通常時と同じ回復量にするなら、極端なバランスブレイカースキルにはならないだろう。
それなりに厳しい習得条件を設けておけばレアスキル化して十分バランス取れるだろうし。
特殊スキルとして追加するか。
スキル名は・・・常在戦場にするか。
元ネタの詳しい意味までは覚えてないけど、字面的にそんな感じだしな。丁度いいや。
習得条件をどうするかだけど・・・過去1年間の総戦闘時間にするか。それっぽいし。よし決定」
“ぽわ~ん”
「消費MPとかで思い出したけど、そう言えばバフ系はスキル記述してるのにHP以外の回復系がないな。
火力以外の後衛の役割が少ない気がする・・・。
MPとかSPを変換してそれぞれを回復するスキルを追加するか?
変換率はレベル依存にするとして。
HP→MP&SP、MP→SP、SP→MPとして、自分以外の回復も可能にしとけば後衛の重要性も上がるかな?
でもM猿的なスキルにはしたくないから、下限制限だけはつけとくか。
自己犠牲スキルなんざ要らんし。
現状の俺ってMP消費ばっかりでSPが過剰気味だから、そういう人にも使えるスキルになるかもな。
よし。それで行こう。
このスキルを追加しとけば自分である程度HP減らせるから、俺のレベル上げも楽になるだろう。
よしよし、我ながらいいアイディア。
どうせなら、もっと早く気付いて追加しとけばよかったなぁ。
そうしたら緑化も楽だったろうに・・・。
あ、ついでに補正で自然回復量も増加させとこう。従魔魔法が使いやすくなるだろうし。
こうなると・・・完全に後衛専用のスキル化しそうだけど・・・まぁいいか。
ん~・・・。
内容的に中級あたりかな?前提スキルなしにしとけば、結構敷居が高いし便利なスキルになるだろう。
あ、ついでだしちょっとだけネタを仕込んでおくか」
“ぽわ~ん”
「う~ん・・・。
さっきまでの件とはちょっと違うけど、北極大陸の入場制限に関するスキルもついでに追加しとくか。
現状だと神罰を受けし者スキルが強制付与って記述してるけど、何を根拠に入場制限にするか曖昧だしな。
これもスキルとして追加しとくか。まぁ補正は必要ないから特殊スキルでいいや」
“ぽわ~ん”
「後は・・・これもさっきの件とは違うけど、そろそろ各中央大陸にも名前を付けとくか。
これからは中央大陸付近と言うか赤道付近の魔物狩りもしたいしな。
やらかしてから1度世界樹を見に行ったきりで、現状も全然判らないしな。
今後は行く機会も増えるかも知れないし。
その時に転移でのイメージ補完を考えると名前がないと不便だしな。
とりあえず、もうすぐ正月だし1月1日正子時点での赤道上で太陽の真逆地点にリザアースの日時基準点を作って、
各大陸をアイネ・クライネ・ナハトム・ジークって名前にしとくか。
名前は完全に適当だけど。
こいつの記述は新しい理と言うか追加記述にしてっと、ややこしいな・・・これでいいかな。
後は海流とかの記述とかも加えておいて・・・っと。ま、こんなもんだろう」
“ぽわ~ん”
「残りはさっさと部屋の拡張に移りたい所だけど、棚上げしてた回復量増加系をどうするか?だな。
とりあえずざっくり計算して、今後どの程度不足するかを予想してから考えるか」
「結局同じ事になりそうだし、神の試練スキルについてはこの際無視しよう。
で、さっきの減り方だと秒間15ぐらい。完全変身分で10だから、従魔維持分で5として。
ルナとタリズの魔改造分が1ぐらいだから、純粋なルナの成長分がおよそ3。
実際には鍛練開始するまで殆ど成長してなかったから、実質1日に1成長したって計算か。
年間にしたら365だけど、スキルがカンストしたら増加も鈍化するし、面倒だから年間3として・・・。
あれ?俺の秒間回復が1500だから、500年ほどで破綻してるんじゃね?
うわ~やべぇやべぇ。
とりあえず500年までに俺の従魔魔法がカンストしてるとして、
さっきの計算も加えたら1/100だから一応5万年程度は維持出来るようになった訳だな。
ただしルナ単体の話だからタリズも含めると2.5万年。さらに従魔は増やしたいから1.6万年ぐらいか。
俺の希望としては最終的に従魔を6体ぐらい従えたいから、1万年は切ってくるけど・・・問題ないか?
追加した変換系魔法がカンストした分も計算に入れたらさらに延びそうだしな・・・。
う~ん・・・。
これ以上チート化しても楽しくないし。さすがに1万年ぐらい一緒に過ごしてたら魂も宿るだろう。
そうなったら従魔魔法から契約魔法に切り替えればMP維持の必要も無くなるし、もう現状のままでいいか。
万が一不足し始めたらその時に改めて考えよう。
完全に棚上げだけど、あんまり従魔を増やさなかったら済むだけの話だし。
んじゃ、特に問題ないってことで実行!」
“パン”
「ふ~。とりあえず終了かな?
そう言えば改めてモノリスの書を見直して気付いたけど、探索魔法を追加してたんだっけ?すっかり忘れてたわ。
タリズも加入したし、タイミング的には丁度良いから、なるべく早く探して追加するか。
タリズの弟か妹分になってくれれば、タリズも頑張るだろうし。
一気に従魔が増えるけど大丈夫かな?
ま、いいや。俺が頑張って従魔魔法のスキルレベル上げればなんとかなるだろう。
ルナは仕方ないとしても、3匹の間で強さの差が極端に出ないようにしたいから、早く探さないとな」
急いで修正しとかなきゃいけなかった用事が済んだので、次の用事へ。
ようやく本来の用事が出来ます。
「とりあえずトイレの拡張からだな」
いそいそとバス/トイレへ移動。
「この際だし自重は辞めとこう。
従魔3体にするのは俺の中で確定事項だから、トイレも3つ設置出来る幅に拡張するか。
ついでに脱衣所も広くなるしな。んじゃ 『空間拡張』あ~んど『出ろ!』」
なんかトイレに“出ろ!”っておかしな表現ですが、まぁ予定通り出来たので良しとします。
結局同じサイズでトイレが3つ並んだ感じ。その分脱衣所スペースも広くなりました。
「せっかくだし浴室も大幅拡張しとくか?
現状で不満はないから拡大コピーする感じでいいや。
10人ぐらい同時に入れるぐらいの大きさにしとけばタリズも翼を広げられるだろう。
『空間拡張!』・・・うんOK。
完全に大浴場みたいになったな。
あ、でも入浴剤は1個じゃ足りないんじゃね?『拡大!』ま、これでいいでしょ。
どうせ大浴場ならシャワーとかも増やしておくか。『出ろ!』」
はっちゃけました。今まででも十分広かったんだけど、3倍ぐらいに拡張。
単純に拡張したんで、出水口も排水穴&栓も巨大化、お湯が溜まるペースも排水ペースも変化はない・・・と思う。
入浴剤は箱ごと拡大。中の入浴剤も1つあたりのサイズを4倍ほどに拡大したので、使う時は1つで足りるはず。
一応体を洗う用のスペースも広くなったのでシャワー類も合計3つにしておきました。
「とりあえず浴室もこんな感じでいいかな?普通に泳げるぐらいにはなったけど、お風呂だしちゃんと禁止しとこう。
んじゃ、次は執事部屋とメイド部屋を少し拡張して、部屋数を増やすぐらいか。さっさと済ませよう」
先に執事部屋に移動。各部屋全体を少しだけ拡張して動線が広くなるようにしました。
ついでに個室のシャワールームも、ほんのちょっとだけ広くしておきました。
で、全く同じ配置の部屋を2部屋追加。
扉の位置の都合上1部屋だけ追加すると対称にならないので、イメージするのが面倒だったのですよ。
追加した部屋はそれぞれ入り口から入って正面の2部屋の外側に配置。
なので、扉が若干入り口から遠くなったけど、まぁいいよね。ってことでスルー。
最後にメイド部屋。こちらは執事部屋の完全コピーなんで大して苦労することもなくあっさり終了。
1度作ってしまえばイメージ補完が楽なので、コピーするだけなら手間も掛かりません。
予定外に居住区の住人が俺+8人+お客さん分までOKになりましたが、
従魔も魂を持ったら個室を与える予定なので、まぁいいやってことにしときます。
あ~それにしても、朝食とか作る事を考えると、早く使用人が数人欲しいところです・・・。
今の俺って完全に主夫&保父さん状態だしな・・・。
多少げんなりしつつ主寝室へ。
「俺が獣化した時の装備品をどうしよう・・・。
今みたいにいちいち脱いだり着たりするのが、正直かなり面倒くさい。
時計のバングルと同じような装備にしておけばいいか。 『出ろ!』」
名前:装備記憶のバングル
所持者:リュウノスケの分体限定
重量:100g
各種補正:なし
特殊効果:人化時の装備品を獣化時に自動収納、再人化時に自動装着。時間差は発生しない為、一瞬たりとも全裸状態にはならない・
自動装備(右手首若しくは右前足部)・自動修復・自動帰還・鑑定不可
「これでいいか。一応時計のバングルも左手首とかの自動装備に変更してっと『修正!』
亜空間魔法の応用になるから分体時に使えるか不安だけど、一応神作成装備だから大丈夫だろう」
「んじゃ、用事も全部終わったかな?」
『分体作成!』
******************************
『分体作成!』
「は~。とりあえず終わった終わった。
げ、もう完全に昼過ぎてるじゃん。ルナ達はどうしてるかな?
とりあえずバングルのテストがてら装備し直して・・・っと。『完全変身!』」
【よしっ!獣化時でも装備品は問題なし。じゃ再び・・・『完全変身!』】
「おっけ~♪ 問題ないみたいだな。これで変身の度にいちいち着替えなくて済むわ。『完全変身!』」
【さて、ルナ達はどうしてますかねぇ。ちゃんとお昼にありつけただろうか・・・?】
テイル状態のまま鍛練室へ・・・。
で、中に入ったらすぐにルナちゃんと遭遇。上手に泳げてるし、水中散歩を楽しんでるみたい。
もう結構な量を食べた後なのか、たま~に状態異常魔法を魚に放って捕食。おやつ代わりってところか。
ちなみに毒化して死亡したら食べる時にわざわざ解毒して食べてる模様。マッチポンプじゃん・・・。
で、タリズはと言うと・・・。浅瀬にず~っと佇んでおります。何してるの?って感じ。
暫く観察していたら、突然ズボッと水中に頭を突っ込みました。
で、鮭ゲット。上手に頭から丸呑みしてます・・・お前はハシビロコウか・・・。
俺としてはグンカンドリとかみたいに急降下して捕食してるのかと思ったけど、違うみたい。
とりあえず陸まで移動してから念話で集合をかけました。
【はいはい、ちゅーもく。
俺の用事が終わったんで戻ってきたけど、この後はどうする?
晩御飯までこのまま遊んでてもいいし、何か別のことしたいのなら考えるけど?
ルナもタリズもこのまま遊んでて構わないなら、俺もやりたいことあるし、そっち優先させて貰うけど?】
一応聞いてみたけど、特に今のままでいいみたい。
ただ、トイレに行きたいとのこと。いや、確かに指示はしてないけど、それは勝手に行ってきて下さいよ。
【了解。じゃ、晩御飯までこのまま遊んでてね。
別に疲れたらリビングで寝ててもいいし、勝手にお風呂入っててもいいから。勿論トイレも自由です。
基本的に出入り自由な部屋に関しては出入り自由としておくから、好きに過ごしていいよ。
あ、鍛練室を出た所で自分を洗浄&乾燥するのを忘れないようにね。
トイレの数も増やしたし、お風呂もかなり大きくしたんで入る時は楽しみにしててね。
そうそう、お風呂で泳ぐのは禁止とします。大きくしたけど、お風呂では泳いじゃダメです。
一応俺が帰ったら改めて一緒にお風呂には入って貰うんで、それは了承しておいて下さい。
で、新しく幾つかスキルを増やしたので付与します。先ずはルナからね~】
とりあえずルナから変換魔法系と常在戦場を付与。一応だけど神に認められし者スキルも追加。
続いてタリズにも同様に追加。マジでガルーダ化して欲しいので、はっちゃけて極爆風魔法も追加しました。
ルナと違って他の魔法系を追加していない分特化させてみました。
【よし終了。またスキルを追加したんで頑張ってレベル上げしてみてね。
それじゃぁ俺は新しい仲間を探して連れて帰ってくる予定だから、楽しみに待っててね。
一応晩御飯までには帰る予定はしてるんだけど、
もしかしたら少し遅くなるかも知れないので、おやつ代わりに頑張ってお魚を食べてて下さい。
帰ったらちゃんと声を掛けるから、遅くなっても晩御飯を食べ逃す心配はしなくて大丈夫だから。
それじゃ、行ってくるね~】
声を掛けつつ再び入り口へ戻ります。
2匹とも着いてきたのでおや~?と思いつつ鍛練室を出た通路で洗浄&乾燥してから人化。
続いて出てきた2匹とも同じく洗浄&浄化。タリズは鍛練室を出る前に小型化してました。
で、なんじゃらほい?と思いつつリビングへ。
2匹は先を争うようにバス/トイレへ。気になって着いていったら2匹ともトイレだったみたい。
先にタリズが出てきて再び鍛練室へ。
暫くしてからルナが出てきて、浴室を空けたんで入るのかな~と思ったけど、入らずに閉めてご機嫌な様子で鍛練室へ。
単純に俺が広くしたって言ってたのを確認しただけみたい。
ご機嫌な様子だったし気に入ってくれた模様。まぁ良しとしましょう。
「ま、2匹とも鍛練室で遊ぶことにしたみたいだし、俺は俺で新しい従魔を探しますかね。
水系って言うとやっぱりクラーケンになっちゃうかな? 『探せ!』」
すぐに衛星の視点が発動。
どうやら何処かの海みたい。まぁ場所が判らなくても転移出来るんで問題なしですが。
「んじゃ、従魔にしてきますかね。『転移!』」




