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俺の創った箱庭世界  作者: コルム
全ての始まり
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第004話 白い本と輪

基本主人公は流され体質です。あと、神様相手に腹芸出来るほどのスキルもないので脳直でしゃべってます。

「・・・・お受けしたいと思います。」


ちゃんと自分の意思で選択出来たと思う。少なくとも後悔はしないと決めた。

だったらあとは思う方向へ歩いていけばいい。


『ありがとう。なかなか気持ちのいい返答だったよ。

前に居たんだけど「チーレム!」とか叫んでまともに確認しないまま神になった魂も居たからね。


とりあえず神にして銀河と輪廻転生の輪の雛形渡したけど、何をしたらいいか判らなくて茫然自失になってたなぁ。

まぁ今は四苦八苦しながらもちゃんと管理してるし、それもまた面白いからいいんだけれど。


アレに比べればキミは思っていたよりも真面目な魂だったみたいだ。別方向で少しは楽しませてくれそうだね』


誰だか知らないけどいきなりチーレムはないだろう。

恐らく日本人だな、その人は。しかも割りと発酵してるタイプの人だと思うぞ。


『それじゃぁ早速だけどキミを神にするね』


「はい、よろし・・・」

“パン”

『はい終了』


へ?音がしたと思ったら神様が一瞬ピカっと光っただけみたいなんですけど?

特に力が備わったとか、全能感とかは全く感じないのですが??

『あぁその辺は説明してなかったっけ?

神と言っても現状でのキミの影響力なんて自分の銀河限定だし、神として存在するには意識の問題だからね。


私は全ての魂を司るって言ったでしょ?その魂を、ただの“神としての存在”にするのは簡単なことだよ。

神の格的にも下の方から数えたほうが早いぐらいだし。まだまだ力も弱いしね。


ん~やっぱり自分が神であることをしっかり認識出来るまでは、やっぱりモノに頼った方がいいかもね。

神が認識を確固たるものに出来なければ、その支配する世界自体が不安定になったりするんだよね~


ちゃんと手足が見えるでしょ?元の魂の記憶に即した神になったからそのあたりも復元されてるでしょ?』


言われてみれば自分の見慣れた手足がある。でも魂の状態の時に手足があるかなんて確認してなかったな・・・


『まぁいいや。とりあえずキミは神になりました。おめでとう~パチパチ。

容姿をもっとイケメンに変えたいとかあったら想像して願えば想像通りに変更出来るからやってみてね。

で、他にもやることあるからさくさくいくよ?』


「・・・はい、進めて下さい」


もういいや。とりあえずここは流されてしまえ。多分それが正解だ・・・多分。


『次は銀河を選んで貰うのだけれど、希望はあるかい?』


「出来れば辺境の方がいいです。他の生命体からの影響を出来るだけ排除したいので。

あと、元居た太陽系に近い環境の銀河はありますか?

暦とか時間とか最初から作るのは大変だと思うので、慣れたものは流用したいと思うのですが」


『ん~色々言いたいけど、辺境の銀河を希望だね。渡していいって聞いてる候補はいくつかあるけど・・・

せっかくだし一番辺境の銀河にしようか。あと、影響とか環境についてだけどね・・・まぁいいか』


“ぽわ~ん”


神様が両手?を合わせて開くと微妙な効果音とともに1冊の白い本のようなものが出てきた。


『まだちゃんと理解出来てないみたいだから改めて言うけど、キミには銀河を1つ治めて貰う。

他の生命体の影響を排除したいとか、銀河の環境をどうしたいとかも全てキミ次第なんだよ。で、この本をあげる。

この本に、自分の銀河には他の生命体は影響を与えられないとか惑星の自転・公転周期とかを記述すれば記述した通りになる。

太陽系を元にしたいなら”この記述時点での太陽系を元にこの銀河を改変する”とでも記述すれば、記述した時点での太陽系のコピーが出来る。


と言っても“魂あるものは除く”ってちゃんと明記しといてね。じゃないと魂があるものごと丸々コピーしちゃうから面倒なことになる。


記述漏れがあった場合はある程度ファジーに対応してくれるけど、思わぬ障害が出たりするから十分に気をつけてね。

大体、太陽系って言ってもキミの認識の太陽系なんでしょ? 最初から正確な記述は出来ないかも知れないと思っていた方がいいね。十分に気をつけてよ?』


『こういったものは本当なら自分で作るモノなんだけど、キミの場合はまだまだ神としての認識が弱いからな~

それに一番最初の環境創りだけでもかなり時間が掛かりそうだからね。まぁ神になった誕生祝いみたいなものとして受け取っておいて。


普段はこんな特別扱いはしないんだけど、真面目に管理しようって心意気を買った。ってことで』


「すみません。お心遣いありがとうございます」


『いや、いいんだけど、1点だけ注意して欲しいことがあるんだよね。

何かって言うと、その本は“キミより上位の私が作った”ということ。

だからその本に記述されていることと、その銀河を支配するキミの認識との齟齬があった場合はその本の記述が優先される。

“一般的な認識”との齟齬の話をしたと思うけれど、その本はキミより格上の私が創ったモノだからキミの認識を凌駕するんだ。

だから取り扱いには十分に注意してね。記述を変更しない限り、キミがどう頑張ってもその記述が正解になるんだから』


「はい、判りました。重ね重ねありがとうございます。ただ・・・どうやって記述すればいいのでしょうか?」


『あぁ、記述って言ってるから判りにくかったのかな? 別にペンみたいなもので直接書き込んでもいいけど、

その本のページを開いて書き込みたい内容を思い浮かべて、書き込みたいと思えばいい。それだけだよ。言語も関係ない。


一応は本の形にはなってるけど、神の創った本だからね。どれだけ詳細に書き込んでもページが足らなくなるなんてことはない。

もし修正したくなった場合は、そのページを開いて修正したい内容を思い浮かべる。若しくは削除したいと思えばいい。


あと、ページを開く前にその本のタイトルを決めて書き込んでね。それがその本の所有権が誰にあるのかを決定付けるから。


それから、表表紙おもてびょうしの裏に“この銀河を治める神として此処にこの銀河のことわりを記す”

と記述すればキミのやりたいことが出来るようになるよ。創った世界も同様に書き込めば反映される。

書き込んだ内容を反映させるやり方は色々あるから、試行錯誤してみてね』


「タイトルを書くことと、表紙の裏に“この銀河を治める神として此処にこの銀河のことわりを記す”と書き込めばいいんですね?」


『そうそう。説明だけ聞いてて疲れて大変かも知れないけど、まだ説明しなきゃいけないことがあるから次いくね』


「・・・はい」


『はい、これが輪廻転生の輪の雛形』


神様が渡してきたのは1cmほどの白いメビウスの輪が中空に浮いている透明な円柱だった。


「これが輪廻転生の輪ですか?」


『そうだよ。まだ不安定で未熟な状態だけど、一応魂の浄化は出来る。けど処理できる量がまだ少ないんだ。

設置方法は瓶から取り出して・・・あぁ、雛形が設置場所に転移するのを想像すれば取り出せる。

で、魂の入る方向と出る方向を決めてやればいい。その辺はさっきの本を使えばいいよ。


これを瓶から出してキミの世界に設置して初めて安定と成長が始まるんだ。

瓶の方は雛形が転移したら勝手に消えるから気にしなくていいよ』


「こんな小さなモノで浄化出来るんですか?それに、ガラスの円柱にしか見えないのですが・・・?」


『見た目に騙されたらダメだよ?大きさで言うなら、その大きさでもある程度の魂の浄化は出来るんじゃないかな?


キミが居た世界だけで考えても2mぐらいの大きさがあれば問題なく浄化出来る。大きさ的にはね。


それから、その瓶は魂が通れないようになってるから、輪廻転生の輪が稼動しないように保護してるって感じだね』


「はー確かにすごいですね。地球の人口で言っても億超えてるのに・・・円柱はまぁなるほど、と思いますが」


『魂は人間だけに宿る訳じゃないから人口で考えても意味がないけど・・・まぁ確かに高度なシステムなんだよね』


「ところで浮いてるのには意味があるのですか?周りに“ある程度空間が必要”だとか。

輪廻転生の輪を設置する場所を決める時に参考になるかと思うのですが?」


『ん~。周りに“ある程度空間は必要”だと思う。当然これから成長していくからね。

あと、浮いてるのは何かに接触しないように・・・かな。何が起こるか判らないから。


最初の輪廻転生の輪がこうだったから考えたことなかったけど、多分何かに接触しない方がいいと思う。勘だけどね』


『・・・一気に色々詰め込んだけど大丈夫?』


「まぁなんとか・・・いきなり神になったりで戸惑う暇もなかった感じなので不安ではありますが、とりあえずは大丈夫だと思います」


『そっか。こっちとしても、ここまで突っ込んで聞いてくるとは予想してなかったからびっくりしてるんだけどね』


「はぁ。重ね重ねすいません」


『いやいや。とりあえず大丈夫ってことが判ったから早速で悪いんだけど、予定した銀河に飛ばすね』


「え?もうですか!?」


『うん。まぁあっちで色々頑張ってみてよ。基本的にこっちから手出しするつもりはないから。キミのやりたいようにね。


あぁ、1番大事な話が残ってた。魂の受け入れだけれど、基本的にはこっちで適当に送るから。様子を見て送る量も調節するし。

輪廻転生の輪が安定して、ある程度成長してきたらとりあえず初回は10万送るね。』


「10万って!多すぎませんか!?」


『いやそうでもないよ?魂を持つのが人間だけだとは限らないってちゃんと覚えてる?』


「それは覚えてますが・・・単純にいきなり10万の魂の受け皿を創れ・・・と言われても・・・」


『あ、ごめんごめん。説明してなかったけど、輪廻転生の輪に入ったままで、そこから暫く出なくても問題ないから』


「そうなんですか?」


『うん。浄化が終わった魂は受け入れる器の順番が廻ってくるまで輪廻転生の輪の中にずっと居るんだよ。

だから最初に魂を持てる器を幾つか創ってそこから自然と器が増えるようにしてくれればいいからね。


キミの元居た世界で言うなら、アダムとイブだけ創ってくれればいいってことだよ。

あと、神なら輪廻転生の輪から希望した魂を直接取り出すことも可能だから、最初の器に入れる時なんかは有効活用するといい。


とりあえずそれで大丈夫かな? 本当はあまり細かい説明しちゃうと自分で試行錯誤しなくなっちゃうからダメなんだけどね。

まぁ既に説明し過ぎたかなとは思ってるし。キミだけに時間使い過ぎる訳にもいかないから、そろそろ本当に飛ばすね』


「判りました。色々とありがとうございました」


『それじゃ、頑張って』

“パン”


拍手かしわでを打つ音がしたと思った瞬間。あっけなく意識が遠のいていく。ちゃんとお礼言えたのかな・・・

後半の展開が速くなっていくのは神様が若干イラついてきたからです。

主人公だけに長時間を拘束されるわけにはいかんのですよ。管理職は。

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