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俺の創った箱庭世界  作者: コルム
全ての始まり
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第003話 神様になろう

『銀河を1つあげるからキミの好きなように箱庭を創造してみないかな?』


軽く言われた言葉だったが、よく考えなくてもとんでもない話だと思う。

だが、言われて一番最初の感情がワクワクしていたのは間違いない。

俺って中二病もちだったっけ・・・


「えっと・・・冗談・・・ではないですよね?」


『まぁキミの価値観だとそう思うかもしれないけど、それほど大それたことじゃないよ。

こっちとしても余っている所の有効活用って感じかな。元々テストだしね』


やっぱり流されてるのかも知れないけど、最初に感じたワクワク感が自分の根底に眠っていたモノに火をつけたのかも知れない。

心の中で受けると決めると同時に徐々に冷静になろうと意識する。

神様は言ったはずだ テスト だと。 確認すべきことはいくらでもある。


『おや 意識が変わってきたね?面白い。 聞きたいことがあるみたいだね?』


「はい、幾つか。 まずは魂についてなのですが、増えすぎると問題があるのですか?」


『増える分には問題はないよ。むしろ増えた方がいい。

魂には物質的じゃなく、言ってみれば”重さ”みたいなものがあって、それが世界を支えているんだ。

だから魂の総量が増えれば増えるほど世界が広がってゆく。


上位の神々にとってそれは喜ばしいことなんだけれど、管理する私としては大変でね。

基本的にはシステマチックに輪廻転生するのだけれどその輪自体にも処理の限界があってね。

言ってみればオーバーフローしかねない状況だったのさ』


「そもそもなんですが、魂ってどうやって増えるのですか?」


『ん~キミの居た世界で付喪神つくもがみってのがあっただろう。

あれと同じように長期間存在したものや、祈り、信仰の対象になったもの。

純粋な気持ちで接し続けたものなんかに魂が宿る場合があるんだよ。善悪問わずにね。


最初は小さくて軽い魂なんだけど、それが輪廻転生を繰り返すことでより大きく重くなるんだ』


「何度かテストだとおっしゃっていましたが、合否とかあるのですか?

合格した場合や失敗した場合は私はどうなるのでしょうか?」


『ふふふ。本当はそれが1番最初に聞きたかったんじゃないのかい?』


・・・・さすが神様。バレてましたか。


『まぁいいよ。テストだとは言ってるけど、合否なんてほとんど関係ないんだ。

要は新しく魂の受け皿になってくれる世界を作って欲しいってことだけなんだよ。


だからキミしか魂が存在しない世界を作りました なんてことなら不合格でキミを今ある輪廻転生の輪に送るだけだね。

神だって多少なりとも時間を割いて銀河を与えるんだから結果はやっぱり求めるよ。


あと、合格判定はないね。問題がなければその世界を維持・管理し続けて貰うだけさ』


「1つ銀河を頂いたとして、すぐに魂の受け入れを始めなければなりませんか?」

『いや、それはさすがにないよ。例えば今ある銀河を完全にコピーして受け皿を創ってもテストにならないし、

何よりそれじゃぁ面白くない。色々なパターンの箱庭が見たいってのが神々の総意かな。


現状では最初のテストで作った世界が上手くいってるから当分は受け入れなくても大丈夫。

他にもスカウトして既に新たな世界を創ってくれて、その世界への受け入れが始まっている世界もあるからね。


だから存分にキミの好きなように作ってくれたら嬉しいね。準備期間は十分にあると言ってもいい。

それと初めの頃はこちらの魂を受け入れて貰うことになるけど、ある程度受け入れて貰ったら、

キミの創った世界の中だけで輪廻転生を繰り返す魂だけになると思うよ』


「輪廻転生の輪についてなのですが、どうやって創ればいいのでしょうか?」


『それは既にある雛形を使って貰おうと思う。まぁ高度にシステマチックなものだから我慢してね。

判りやすく言えば、キミに与える神与物の1つにあたると思っていい。


それと、多少の変更は出来るけど新しく創った輪が安定して機能するまでは余り負荷が掛けられない。

最初は許容量自体が少ないんだ。時間経過やその世界の魂の総量によって少しづつ許容量が拡大していくと思って欲しい。

まぁその為の準備期間でもある訳だね。


今回問題になったのは輪廻転生の輪の許容量が拡大する以上に魂の総量が増えてきたからなんだよ?』


『あぁ。念のために言っておくけど新しく創った輪廻転生の輪にいきなり許容量以上の魂を受け入れないようにね。

初めに言ったオーバーフローを起こして機能停止。なんてことになったら何が起こるか判らないから。


許容範囲内だったら大量虐殺なり何なりしても魂の浄化機能は正常に働くからいづれ正常な魂の循環に戻るよ』


「お話を聞いていて疑問に思うのですが、私は神になるのでしょうか?」


『確かに神とは言えるんだけど、それはキミの銀河限定の神ってことになるね。影響力もキミの銀河限定だ。

神々にも色々あるってことだよ。私よりも上位の神々だって居るし、キミと同じ立場の神だってたくさん居る』


「私がその銀河の神になったとして、他の神々から指示を受けたりとかはありますか?」


『基本的にはないと思っていい。でも、さっき言ったようにちゃんと新しい魂の受け皿を作ってくれないなら不合格として、

その世界は回収し、キミの魂は輪廻転生の輪に送らせて貰うよ』


「では新しい魂の受け皿として銀河を維持・管理している限りは神で居られると?」


『そうだね。その認識でいいと思うよ』


「・・・神になるならいわゆるチートとかも可能なんでしょうか?」


『あはは。やっぱりそれが気になるかな?キミの元居た世界の魂は本当に面白いね~

今までキミの元居た世界からスカウトした魂も殆ど皆聞いてきたからよほど流行してるのかな?』


・・・何も笑わなくても・・・


『ごめんごめん。チートだったよね。とりあえず銀河の維持・管理をする以上、不死には必ずなって貰うね。

あとはチーレム?だったり無双だったりはキミの好きにすればいいと思うよ?もちろんちゃんと世界の維持・管理はした上でね』


「不死にして貰うと言う事以外に何か頂けるのでしょうか?」


『あぁ、勘違いしてるみたいだけど “不死にして貰う”じゃなくて“不死になって貰う”が正しい。

不死になる選択をするのはキミだ。どう不死になるかは任せるけど、それだけは必要な条件だと理解して欲しい。


銀河1つを維持・管理する以上、膨大な時間を生きて貰わないと困るからね。

こちらからキミにあげるものは、銀河1つと輪廻転生の輪の雛形を1つ。その2つだけだよ。


あとは銀河に関して多少の要望は聞くってぐらいかな?』


「えっと、すみません。とりあえずどうやって不死になればいいのでしょうか?」


『ん~そうだねぇ。アルカシックレコードでも生命の書でも創って“神は不死である”とでも記述すれば不死になるよ。

そもそもそういったモノを創るところから始めて貰うつもりだから。最初は大変かもね』


「神としての力を使いたければ、何かに記述すればいい。ということであってますか?」


『そうだね。まぁ記述しなくても“そういうものだ”という認識が一般的ならまかり通るんだよ神は。

でも最初はキミしか居ない世界で一般的と言っても不自然だよね?だから神の書的なものを創るように言っただけ。

ただ私の経験上だけどそういう物があった方が管理し易いみたいだからね。


最初から神として確固たる意思と認識を持っていれば必要ないけど、そういう方法もあるよって話。

まぁちょっとしたアドバイスだと思ってくれればいいよ』


「そうですか。ありがとうございます。

要は世界の定義を記述すれば、それが反映される物があった方が便利だということですよね?

でも記述と“一般的な認識”と齟齬があった場合はどちらが優先されるのですか?」


『その場合は神の認識が優先される。神が自分で記述したものよりも“一般的な認識”が正しいと認識したら、

“一般的な認識”が正しいとされるんだ。 でも普通自分で正しいと思わないことを記述しないんじゃない?』


「いや、まぁそうなのですが、元普通の人間が間違えないなんて傲慢な考えは持ちたくなくて・・・」


『あはは、正直だね。まぁ現役の神だって間違えることだってあるからある程度気楽に考えた方がいいよ?』


『・・・とりあえず大体は理解出来たかな?』


「・・・はい。ありがとうございました」


『で、まぁあえて聞くけど、どうする?やる?やめとく?』


また流されているだけかも知れないが、もう他に選択肢は考えられないだろう。だから


「・・・・お受けしたいと思います。」

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