第025話 冒険者誕生
「ふぅ~」
最後のタバコも吸いきりました。さて、南極大陸の環境を整えますかね。
でもその前に。
「食料とか用意しとかないといけなかったんだよね~。
いくら耐性持ちとは言え、飢餓とか渇水状態だと自然回復に影響出るかも知れないし。
まぁ前に死にまくった時も一応回復したから大丈夫だとは思うけど、
分体になって空腹とかのまま作業とか、やってられんからなぁ。
ま、一種の嗜好品になるだけかも知れんが、用意しとくに越したことはないよね」
ってことで早速準備。
つってもイメージして“出ろ!”って言うだけですが。
イメージとしては500mlサイズの水筒が1つ。中には大好きなコーヒーを。
あとは1辺が15cmで高さ5cmぐらいの弁当箱。中にはコーヒーに合うようにサンドイッチ。
こっちは飽きないようにカツサンドとかハムサンドとか卵サンドとか・・・とにかく種類重視で。
どちらも蓋をして一定時間で内容物が復活するようにしとけば、とりあえず飲食に関しては最低保障になるでしょ。
まぁ絶対飽きるとは思うけど。その辺は我慢。
本気で飽きてしまったら、創造魔法で食料作ればいいだけだしね。
なるべくMP消費は抑えて、環境整える方で創造魔法は使いたいのです。
あとはそれらを収納しとく袋かな。まぁ持ち運びとかを考えると腰の後ろに装備出来るポーチ型のが使いやすそう。
水筒だけでも取り出したり出来るように、よくある水筒収納可能タイプのポーチでイメージ。
あとは冒険者装備品と同じような効果も付与してっと。
「ん。まぁ単純だしイメージもしやすいから問題ないでしょ」
『出ろ!』
今回は出す物が小さかったのと、量的にも少なかったので光の粒子も少量でした。
で、出たのがこちら。
名前:不思議な水筒
所持者:リュウノスケ&リュウノスケの分体限定
重量:0.6kg
特殊効果:内容物が自然復活・防菌・自動帰還・鑑定不可
名前:不思議な弁当箱
所持者:リュウノスケ&リュウノスケの分体限定
重量:0・6kg
特殊効果:内容物が自然復活・防菌・自動帰還・鑑定不可
名前:冒険者のポーチ
所持者:リュウノスケ&リュウノスケの分体限定
重量:300g
各種補正:なし
特殊効果:防汚・防水・防塵・自動修復・自動帰還・自動洗浄・鑑定不可
こんな感じ。ポーチだけは腰部の装備品として作成です。まぁ当然か。
とりあえず水筒を開けて飲んでみる。
「ん。味的に問題なさげ。あとはサンドイッチも摘んでみるか。
・・・ん~。こっちも問題ないな。久々に食べたから美味しく感じるわ。
とりあえず種類を揃えたかったから、実際にはコンビニで売ってるサンドイッチ程度の味なんだろうけど」
飲食共に問題無いようなので、早速ポーチに詰め込んでみました。 ま、予定通りきっちり収まります。
「あ、せっかくだしギルド水晶とかも出してみるか。ついでに冒険者登録とかも出来るか試しておきたいし」
まぁついでに確認しとこう。程度でしか考えてないのですが、せっかくだし。どうせ暫く戻ってこれないし。
神力も余裕があるみたいだから、無駄遣い出来るうちにやっちまいな!ってことで
イメージとしては30cm四方の黒い箱。中に20cmぐらいの真球かつ透明の水晶&座布団?付き。
『出ろ!』
今回も光の粒子はそれほど集まらず。でも無事出来たっぽい。
「お~!イメージ通りなんだけど、黒漆で塗り固められた箱っぽくて何だか時代劇臭いな。さて中身は・・・っと」
箱を開けて中身を確認。って言っても水晶しか入ってませんが。
「ん。ちゃんと水晶入ってるね。あと座布団みたいなのも付属してるから予定通り・・・なんだけど、
完全に透明な水晶と、紫色の座布団&四隅の黄色い房がセットであると怪しさ満点の占い師みたいだな・・・。
下らないこと考えてないで、せっかくだし色々テストもしておくか」
とりあえず身近にあった不如意棒を箱に突っ込んでみる。
普通に考えれば入るサイズじゃないんだけど、モノリスの書で記述した内容がちゃんと機能していれば入るはず・・・。
「おぉ~!入った!でもなんか変な感じ。縮小表示されてるみたいになってるな」
突っ込んだ先からどんどん縮小される感じで正直微妙な違和感はあるけど、ちゃんと入りました。
で、出してみたらちゃんと元に戻る感じ。 一応完全鑑定で鑑定してみたけど変化もなし。
「問題ないみたいね。 んじゃ次、冒険者登録のテストに行ってみますか。
リザアース史上初の冒険者の誕生だね!・・・自分で言ってて異常に虚しくなったわ。
さっさとやろう・・・あ、分体で作った方がいいかな?」
ちょっと思う所があって分体でギルド登録してみます。とりあえず書斎の机の片隅に箱共々水晶セットを設置。
箱は埃とか入りそうな気がしたんで横向きにしてみました。まぁただなんとなくなんで深い意味はないです。
んじゃ、とりあえず豪華椅子に座ってっと。
『分体作成!』
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『分体作成!』
「・・・ん。気分的には久々に分体に戻ってきたな。とりあえず以前と変わった様子はない感じ。
あ、ジャージ復活してるわ。ま、とっとと冒険者登録やってみますかね」
とりあえず水晶に触れつつ魔力を通すだけなんでさっさとやってみる。
「ん?何か体の中に力が宿った感じ。なんか違和感あるけどこれでOKか?とりあえず確認してみるか」
気分的に右手から出るイメージをして。
『ステータスオープン!』
詠唱と同時ぐらいに右手の上空に完全鑑定で出たのと同じような板が出現。2周りほど小さいぐらいかな?
「お~出た出た。どんな表示になってますかねぇ」
名前:リュウノスケ(分体)
ギルドランク:G
所属パーティー名:なし
種族:人間族人間種黄色人科 (雄)
年齢:238歳
職業:冒険者
状態:正常
HP:8983
MP:7374
SP:8934
STR:377
INT:624
AGI:98
DEX:131
MID:356
所持スキル:(多すぎるので割愛。前より鑑定系のレベルが1づつ上がってました)
マスタースキル:(同じく割愛。魔術系を除く耐性系がマスタースキルになってるぐらい。前と同じですね)
カード内所持残高:0円
残貢献度:0
ランク特典:ステータス上昇率UP 残り365日
受注依頼達成状況:なし
「ふ~ん。こんな表示になるのね。まぁステータスが異常だと思うから、非表示化出来るのは全部非表示化してっと。
ん~やっぱり完全鑑定の方が便利だな。補正が判るし、非表示ステータスも見れるから。まぁ神話級スキルだから当然か。
ついでだしパーティー登録もしてみるかな? ギルド職員が居ないけど、多分出来るはず・・・」
書斎にあった適当な紙にパーティー名を記入。考えるのが面倒なので“リザの守護者”としておきました。
一応本当のことだし、まぁいいか。ってことで。
で、箱に記入した紙を投入。直後に消滅。
「ん?あぁ、水晶に触れるんだっけ」
水晶に触れた瞬間・・・特に何も変化なし。 ・・・ちゃんと出来たのか?
今度は無詠唱で“ステータスオープン!”
「おぉ~所属パーティー名がリザの守護者になってるわ。それ以外変化ないけど」
無事検証終了。まぁモノリスの書が現段階で問題無さそうなのが判ったので十分です。
とりあえずの用が済んだので、本体に触れつつ
『帰還!』
******************************
『帰還!』
本体に戻りましたよっと。
「あ、ジャージとかは残るのね。一応装備品と言うか身に着けている物は残るのか。
それじゃ、本題の検証しますかね」
『分体作成!』
******************************
『分体作成!』
「分体ふっか~つ。またジャージ着てるし。草生えるわ。ま、とっとと検証すっか」
また右手から出るイメージをしつつ
『ステータスオープン!』
詠唱と同時ぐらいに再びさっきの板が出現。表示内容は
名前:リュウノスケ(分体)
ギルドランク:G
所属パーティー名:???
種族:人間族人間種黄色人科 (雄)
年齢:238歳
職業:冒険者
状態:正常
HP:???
MP:???
SP:???
STR:???
INT:???
AGI:???
DEX:???
MID:???
所持スキル:???
マスタースキル:???
カード内所持残高:???
残貢献度:???
ランク特典:???
受注依頼達成状況:???
「う~ん。一応モノリスの書でギルドカードは肉体に宿るとしたけど、
分体にも適応される感じでいいみたいだな。あと、所属パーティ名が”???”になってるけど、意味あるのか?
まぁ何処かに所属してるってことが判るぐらいなものか・・・」
とりあえず検証したかったのは、分体の場合にギルドカードがどう処理されるのかってこと。
分体で活動するつもりだから分体で作ったんだけど、もし本体に戻って、また分体を作った場合、
ギルドカードがどうなるかを検証しておきたかったのです。
とりあえず所属パーティー名が変更されてないっぽいので、分体でも問題なくギルドカードが使えると判断した次第。
あとはリザアース暦1000年以降にどうなるかが問題だけど、
今のギルドカードが使えないならまたここで作ればいいだけの話なんで検証としてはOKかな。
ま、年齢については後で考えよう。
「よし。とりあえず検証終了。さっさと南極大陸の環境を整えないと」
本体に触れつつ
『帰還!』
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『帰還!』
「またジャージが・・・。もういいや。畳んで寝室に持ってこう」
で、そのままジャージと冒険者装備とモノリスの書も一緒に抱えて寝室へ・・・。
途中のリビングで時計表示を確認したらさっきの年齢と同じく238年になってました。
人間だった時の体感時間経過と、神の時の体感時間経過がかなりズレがある気がするけど、
もう当分の間は分体で活動するし、これからは神の体に戻ることの方が少なくなると思うからスルーします。
で、主寝室に到着。
無駄にでかいベットの隅っこに冒険者装備とか不如意棒とかその辺の装備一式を置いて、すぐに寝れる体勢へ。
「さて、今度は本当にやるか。とりあえず遣り残したことないよな?まぁ思い出したら帰ってくるか。んじゃ」
『分体作成!』
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『分体作成!』
「本体の方は・・・もうお休みですね。じゃ、予定通り南極大陸に向かいますか」
・・・特に感慨もないのでいそいそと冒険者装備にお着替え中。
「よし、こんなもんかな?
特に動きにくいとかそういった感じもしないわ。
まだ着慣れてないからちょっとは違和感あるけど、そのうち慣れるでしょ。
ポーチも問題なしっと。体揺すってもズレたりしないし、かと言って締めつき過ぎ感もないから丁度いいな。
あとは・・・不如意棒か。基本ただの棒だから特に言う事は無い感じ。実際に戦闘で使ってみないと判らんな」
とりあえず身辺の整理だけしていざ南極へ。
あ、何度か分体作成した分の復活したジャージは、ベットの隅っこに下着共々畳んで纏めといて放置して行きます。
「準備完了!とりあえず南極点の火山上空でいいだろ」
『転移!』