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俺の創った箱庭世界  作者: コルム
南極大陸編
237/243

第237話 情報収集

 1週間。

「自分で納得して了承したとは言え、結構暇になるかも・・・」とか、最初は思ってました。

ところがどっこい、街の散策やら情報収集やらしていたら、あっという間に経過。


 只今、今回の為に急遽街の外に造られた、“練兵場的な施設(となる予定のただの広場)”に来ています。

(ちなみに将来的には農地とかにも転用出来る様に、ただ木々を伐採しただけとも言う)

目の前には、少なくとも1000人以上は居るの魔族達と、それに従う従魔&召喚獣達。

それぞれ思い思いに戦闘準備中。


 自分で言っておいてなんだが、本当に集まったんだなぁ・・・。

これもフリーゼの人徳のおかげなんだろうか? 他の街とかからも参加しているらしいし。

下はDランクから虎の子のBランクの冒険者達、さらにはこの街の衛兵さんも含めての数なので、結構な大人数になった感じ。

当然ブロンクス・クライブ・フリーゼも参戦する模様。

(ちなみに残りの元パーティーメンバーは都合が付かなかったらしい)


 しっかし、コレで儲からんかったらマジで割りにあわん依頼だよなぁ・・・。

俺からちょっとした参加者報酬も用意しちゃったし・・・。 頑張らねば。




「リューノ?本当にこの人数相手に単独で戦うつもり?」


 挑発的&ちょっと懐疑的な視線を投げかけて来るフリーゼ。

でもねぇ・・・うん。ぱっと見た感じ、脅威は感じないのですよ。


「う~ん。まだ何とも言えないが、まぁ大丈夫だろうな。

言っただろ? “対レギオン級の相手をするつもりで”って。

今はまだ無いだろうが、将来未知の超危険生物・・・言ってみれば災害級の魔物を相手にすると思えば、丁度良い訓練にもなるだろうしな。


それに、この面子全員の平均的な強さをブロンクス達クラスだと想定しておけば、万が一殺す事も無いだろうし。

俺の召喚獣を使ってまで相手しなきゃいけない戦力かと言われると、正直まだ不足なんじゃね?」


 呆れ顔の、フリーゼ&一緒について来たブロンクスとクライブ。

ぶっちゃけ、コレならまだ水中特化系ドラゴン複数体相手に水中戦する方が遥かに面倒だとは思う。

ただまぁ今回は“殺しちゃダメ”って縛りがあるので、その分は確かに面倒臭いとは思うが。


 俺の声が聞こえたのか、ブロンクス達を含めて相手を侮った発言したせいかも知れんが、若干の敵意の視線を感じつつ、俺も戦闘準備をしつつ・・・つーか、俺って戦闘準備じゃなくて、準備体操程度なんだが。

装備もただの服と同じくただのマント(この街での購入品)だし。唯一五節昆を持ってきたぐらいかなぁ。

必要に応じてすぐに準備(装備変更)出来るとは言え、見た目的にはそんな感じ。

サブウエポンすら持って居ないので、完全に舐めプですな。


 で、そんな広場の端っこの方ではギャラリー達とこの後の為に俺が仕込んでおいた方々も着々と準備中の模様。

ま、こっちは今の所は無視って事で。 一応戦闘に巻き込まない様にだけは気を付けないとね。


 まぁそんな感じで時間を潰しつつ、とりあえずはこの1週間を振り返ってみる。


 


 依頼を受諾した後、早速宿を紹介して貰いました。

って言っても、ギルド併設の飲食スペースの2階だったんだが。

一応個室でリビング・・・と言うか応接室(?)付きのちょっとだけ立派なお部屋。

寝室とその応接室、後は風呂無しトイレだけって部屋なので、広さ的にはそれほど大きくは無い感じ。

ただまぁ・・・寝室のベッドがダブルだったので、多分個人で宿泊する用のランクでは無いのかも知れん。

俺も最初に「個室で」って言ったんだが、ダブルベッドな時点で個室じゃないし、その辺はフリーゼが気を利かせてくれたのかも。

応接室が付いているし、ちょっとしたお金持ち(?)が泊まる部屋って所かな?


 まぁその分1泊2食付き(2食の時間帯はいつでも可。まぁ飲食するのはギルドの飲食スペースだしね)で、金貨1枚なので・・・かなりお高めな部屋なのかな?

 ただしベッドメイクとかは別料金。別途銀貨3枚支払って、部屋の清掃込みでお願いする仕組み。

地球の(日本の?)ビジネスホテルの豪華版なのか、風呂が無い分廉価版なのか、本当に微妙な感じ。

値段設定はビジネスホテルの倍以上するので、物価が高いのか、この部屋が特別なのかは判断に迷う所。


 そんな宿に宿泊しつつ、適当に街を散策するのがここ数日の日課。

行きつけになった焼き鳥屋台のおばちゃんに、色々とお薦めのお店とか聞いて、この街の文化水準を調査&情報収集。


 つーか後から知ったんだが、このおばちゃん。街長の母親らしい。

「偉いさん(?)の母親が屋台って・・・」って思ったんだが、庶民派っぽくて好感度がぐ~んとUP。

俺の中でこの街は“良い街”認定されました。

(買い物(買い食い)する度に「こないだ孫がね~」とか「ひ孫がね~」とかの子孫話が長いのはご愛嬌って事で)

 俺的には「孫とかひ孫とか言ってたし、多分第2世代の魔族なんだろうな~」程度の認識。



 情報収集で得た事その1。

なぜだかこの街ってテイル系の召喚獣や従魔を連れて居る魔族が、微妙に多い。

(実際に屋台のおばちゃんも連れてたし)

他の召喚獣や従魔を連れて居る魔族を見掛ける事もあるけど、どうみても非戦闘員な女性とかが連れて居るのはほぼテイル系。

その辺の事を実際に連れて居る屋台のおばちゃんに聞いてみた所、この国って“守護聖獣”様が居られるらしく、それがテイル系なんだとか。

その名の通り、テイル系の聖獣なんだってさ。 それにあやかっての事らしい。


 情報収集で得た事その2。

俺の予想通り、この国を統治しているのは“皇帝”なんだそうな。今は5代目の皇帝らしい。

「アレ?」っと思ったのは、恐らく第2~3世代の魔族が存命なのに、既に5代目・・・だって事。

その辺は2代皇帝が決めた事らしく、若くして(大体50~80歳台で)代変わりするのを基本方針に掲げているらしい。

 要は先代や先々代が、まだまだ存命で補助が可能なうちに実務経験を積んでおいて欲しいって親心と、“頑迷で保守的思考な“老害”が国のトップに立ち続けるよりは、早いうちからまだまだ若いこの国に新しい風を入れたい”って事なんだそうな。

 (ちなみにさらにややこしい事に、初代皇帝は“皇帝”を名乗った事が無く“族長”としか名乗らなかったんだそうな。

その辺のお堅い考え方に対する相違があったせいで、2代皇帝(実際は初代皇帝)がそういう方針を掲げた国策を取っているんだと。

 「コレ、外国の人間である俺に言ってもいい話なのか?」って話なんだが、結構有名な逸話らしくて、国民なら誰でも知って居る事らしい)


 情報収集で得た事その3。

この国は一応絶対王政(帝政?)を取ってはいるものの、皇帝にはそれほど絶大な権力がある訳じゃないらしい。

実質、帝都の運営権と各地にある街の街長の任免権がある程度なんだそうな。

各街を造った際の初期投資が皇帝(っつーか皇都(?))による貸付で、各街を統治する形。

まぁクリーンな封建社会(?)って所なんだろうか?

 絶大な権力を持って居るのは“守護聖獣”様の方らしい。

実際に今まで強権発動が行われた事は無いらしいんだけど、“守護聖獣”様の意思次第で皇帝の任免も可能なんだとかなんとか。


 情報収集で得た事その4。

俺がこの街に来て、ブロンクス達との宴席で疑問に思った「なぜこの街に人が集まるのか?」って理由が判明。ついでにこの街の名前“テイルズガーデン”の名前の由来も判明。

 とりあえずこの街の成り立ちなんだが、この街からおよそ2日ほど行った場所に“守護聖獣”様の直轄ダンジョンがあるらしい。

知られている範囲では地下5階層まであるらしいんだが、その先(つまり確実に6階層以上はあるって事)は立ち入り禁止。

 で、ここからが本題。

そのダンジョン、テイル系しか居ないらしいです。しかも先に述べたように、テイル系の召喚獣とか従魔は人気があって、完全に需要と供給が釣り合って無いらしい。

 しかもそのダンジョンに入れる時期が、直轄地なだけに限定されているらしくて、乱獲も不可能・・・と。

 でもそれは“基本的には”であって、誰かが門番としてダンジョンを管理している訳じゃないみたい。

だけど、単一系種族の魔物しか出現しない所を見るとその“守護聖獣”様がダンマスなんじゃないかな?

 そういった理由で、街の名前が“テイルズガーデン”になったんだそうな。


 ダンジョンの解禁日はその“守護聖獣”様が来た時だけらしいので、いつになるかは不明。

とは言え、世界樹の結界範囲ギリギリの所に街があるので、一応魔物狩りは常時可能なので、上を目指す冒険者達が集まってくる感じ。


 「・・・あれ?それだったら、ダンジョン付近に定住して街づくりをした方がいいんじゃね?」って思ったんだけど、俺が“モノリスの書”の記述変更して“定住範囲内に魔物が自然発生はしない”って記述変更したのは、この世界的にみればごく最近の事なので仕方が無い事なのかも知れん。

 将来的には移築か新しく街が造られるのかな~?


 とりあえず1週間で得た情報としてはそんな感じ。

もう少し情報収集出来たのかも知れないけど、基本的にはのんびり風味な1週間でした。

 つーか買い食いとか買い物ばっかりしてて、情報収集は2の次な感じだったのはナイショ。

俺が今着ている服とかマントも、この国の文化水準を調査するついでに買ったつもりだったんだけどなぁ・・・。




「リューノ。そろそろいいかしら? こちらの準備は終わったのだけれど?」


 眼前には完全武装の魔族達。 んじゃ、そろそろ皆さんの思い出作りを始めますかね。

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