第229話 南極大陸到着
パカ、パカ、パカ・・・・・・・。
リザアース歴1300年1月4日(火)。
南極大陸の人類と接触すべく、転移したのを見られない様に一応世界樹の影響範囲外へと転移したものの・・・いきなりやらかしました。
よく考えてみれば・・・南極大陸って植樹した後は放置状態だったんだから、基本的には殆ど未開拓の地域じゃん!
そんな中に転移したら、当然森の中に転移する訳で・・・そんな中を馬車で移動なんて絶対無理!
・・・まぁそういう事。
で、アルファーは常足移動中。その鞍上でがっくりな俺。
ブラボーとチャーリーも、それぞれデルタとエコーを鞍上に乗っけて俺の後ろからついてきてます。
(ブラボーもチャーリーもパラディン。つまり聖騎士なので人馬一体、ワンセット)
このペースならもう少し移動すれば世界樹の影響範囲内に入るし、予め下見してあった(“衛星の視点”スキル使用)南極大陸の人類が造った一番世界樹の影響範囲の外縁部に近い街・・・と言うか村に到着するはず。
それまでは我慢して、この森林浴を楽しむ・・・しかないか。
ちなみに馬車は試しに“特殊空間魔法”の掛かった大きなテント(天幕サイズかな?)の中に収納してみた所、何事も無く収納出来ちゃいました。
つーか結果的に“特殊空間魔法”の中に“特殊空間魔法”を重ねてるって予定外の使い方になっちゃったので、「コレは不味い」って事で速攻で北極大陸の秘密基地経由で神の居住区に戻り、神体に戻って加筆修正。
(戻ったついでに馬車は秘密基地の俺の階層に格納・・・頑張って作っただけに泣ける)
まぁ、あのまま放置していたら訳が分からん状態になりそうだったので仕方がない。諦めが肝心。
マトリョーシカ人形状態を放置するべきじゃなかったからね・・・。
(予想はしていましたが、馬車を“亜空間魔法”では収納出来ませんでした。
そっちは馬車の中(正確には馬車の中の“特殊空間魔法”内)に生命体が居るので当然だけど)
到着するまでの間、ただ馬上で揺られているだけに結構暇なので色々と再確認してみる。
先ずは俺らの装備品から。
俺とブラボー&チャーリー(騎士の方)の装備品は、武器以外はほぼ共通。
上下インナー。
綿のシャツにズボンと靴下。付与は所持者限定と自動洗浄&自動修復のみ。なので装備品補正は微々たるもの・・・と言うか、ほぼゼロ。
頭部。
オリハルコンとミスリルの合金製のヘルム(顔部分は丸出し)・・・なんだけど、所持者限定やら自動洗浄・自動帰還・自動修復なんかの描陣付与&クッション代わりに綿で裏打ちをしたせいか、素材の割には装備品補正がかなり(と言うか滅茶苦茶)低下。
DEF&MDEFが+100ぐらいかな?
頭下部と耳の装備は無し。
首。
魔法耐性を上げる“守護のネックレス”って名前で作成しましたが、頭部装備と同じ合金製なものの、こちらも色々と付与したせいで思って居た程のMDEFの補正は無し。+500程度。
胸部&腰部&肩部&腕部&手甲部&腿部&脛部&足部。
頭部やネックレスと同様の合金製。付与のせいで装備品補正もほぼ一緒。
ただしこちらは裏打ち&腹部&脚部装備等と一体化させたかったので、間の部分に竜種の翼膜を使用したせいか“ブレス耐性”が追加。
(“ブレス耐性”ってスキルは追加して居なかったので、この装備が出来た後に慌てて追加。そういう事もあるんだね・・・。
伝説級以下だったら“神の祝福”スキルや、神、神獣、神人になったら自動追加されるはずなのに、追加されなかったのは“モノリスの書”にそのスキルに関する記述が無かったせいっぽい。
つまり“ブレス耐性”ってスキルに等級が無かったので、自動追加がされなかった模様。
その辺の話をウルズさん達に聞いてみたら、「理の神や万物の神が“モノリスの書”を強化した影響が出ているのかも知れないね」との事。
他にも未知のスキルがあるかも知れないので、“神の祝福”スキルや神獣なんかの記述に““モノリスの書”に記述のあるスキル限定で自動追加される”と加筆修正済み)
翼膜を使用したのは移動時や隠密行動時を想定して、“ガチャガチャ”と音が出そうな全身金属装備にはしたく無かったのが主な理由。
なので合金部分は主に急所や余り動かない箇所がメイン。それでも全体で見れば全身鎧に近いのかな?
ぶっちゃけ、前開きの全身タイツに金属片を色々と貼り付けたみたいな感じ。
無手での格闘戦用に手甲部や脚部は合金製にしてあるので、若干装備の脱着が面倒なぐらい。
手足の首部アクセサリー装備は作るのが面倒臭かったので俺以外は無し。
俺だけは左手首に“装備記憶のバングル(改)”を“創造魔法”で作成して装備。
実際に全身鎧を着用してみたら、いちいち着替えるのが面倒臭かったのでね。
ちなみに“改”にしたのは、一応基本の“装備記憶のバングル”と同様なものの、“装備パターンD”の全裸用を無くした為。
なので“現在のパターンA”・“比較的軽装なパターンB”・“将来使うかもしれない全くの未登録なパターンC”・“バングル以外は着衣無しのパターンD”となっております。
全裸になる時は“装備記憶のバングル”も外さないといけないので、所持者限定やらの付与付き。
手指部。
俺の“降神魔法”使用時に作ったチート魔石製の“HP自動回復”“MP自動回復”“SP自動回復”の指輪を作成。
これは余剰MP自然回復量を自動で指輪に付けた魔石に吸収&貯蔵させ、それぞれの数値が半分以下になった場合に自動で回復させる代物。
基本はHPの“オートヒール”的な魔法をリング部分に描陣で刻印し、さらに変換系魔法の応用でMPとSPの自動回復を可能にしたって感じ。
その他にも他の装備品と同じ付与済み。そのせいで装備品補正はスキル以外は全く無し。
外套。
竜種の翼膜を使用したフード付きサーコート。
こちらもブレス耐性が追加されたものの、自動洗浄・自動帰還・自動修復なんかのチートスキルを描陣(刺繍で)付与したせいで、案の定装備品補正が激減。
DEF&MDEFが+50程度に。
後から装備品補正の激減理由をウルズさん達に聞いてみたら、その辺も“モノリスの書”の強化による反動らしい。
どうやら“素材に付与出来る限界”的な俺の知らない裏設定が追加されたっぽい。
(ただし“創造魔法”は例外。チート装備の作成も自由自在でした。まぁ使わないけどね)
武器。
俺のメイン武器は防具装備品と同じ合金製の五節昆(任意で昆や三節昆にも変形可能)に予備武器として同素材の小太刀を帯刀。
ブラボー&チャーリー(騎士の方)の装備品も同じ合金製の馬上槍(斧槍系)と予備武器に大太刀。
どれも必要以上に色々と刻印付与したせいで、装備品補正は激減。ATK+500程度って所かな。
アルファーとブラボー&チャーリー(馬の方)とデルタ&エコーの装備品も基本は俺らと一緒。
頭部はオリハルコンとミスリルの合金製の面当て(噛み付き等は可能なフルフェイス)。
首や胴体、脚部部分の可動部位以外は同じ合金と竜種の翼膜を使った全身鎧(尻尾は丸出し)。
アルファーとブラボー&チャーリー(馬の方)は、それに鞍が付いている感じ(装備一体型)。
デルタ&エコーはミニドラゴン系なだけに、鞍が無い代わりに翼部分までは覆っていないだけ。
俺達と同様の刻印付与のせいで激減しているとは言え、一応トータル的にはDEF&MDEF共に+1000以上は何とか確保した感じ。
ただし、体当たり(頭突き)や踏みつけに使いそうな部分だけは突起を付けたので、若干のATK補正付き。
全員の装備品の金属部分は白っぽい色を着色。全身鎧等の竜種翼膜使用部位だけは薄茶色に染色。
見た目的に過剰な威圧感&ダークサイドっぽい配色は避けて、“実用性重視”アピールで。
そんな装備品補正が激減した装備でも、まだまだこの世界では最上位クラスの補正性能だとは思う。
当然付与してあるスキルを除いたとしてもね。
その対策として、所持者限定やら自動帰還やらのスキルを付与してあると言っても過言ではない感じ。
そんなこんなでアルファーに揺られる事2時間ほど。ようやく目的地が視界に入ってきました。
全体を木材で城壁代わりに隙間無く囲み、50mほど森林を伐採して視界と射線を確保しているのであろう街に接近。
見張り台みたいな所に数人の魔族を発見したものの、こちら側に出入り口は無し(知ってたけど)。
無駄に魔族を刺激しない為に、森林と平地部の境界付近をぐるっと大回りして出入口がある南極点側へ。
少ししてようやく出入り口が見える様になっても、一応遠回りして、若干舗装されている場所(と言うか、人通りによって自然と出来た轍みたいな所)まで行ってから街の出入り口へと向かいます。
これも無駄に警戒心を持って貰いたいく無い為と、一応礼儀としてはちゃんと正面から向かうべきかな~?と判断した結果。
が、街の出入り口付近には割と屈強なおっさん(多分)魔族らしき人影が20~30人ほど警戒中。
多分俺が森から出てきたのを、見張り台みたいな所に居た魔族が発見していたっぽい。
ま、世界樹の影響範囲外から、しかも明らかに“魔族では無い風体”の奴が現れたら警戒するわな。
正面から真っ直ぐ出入り口方向へ30m程の所まで近づいたら、案の定警戒していた魔族から・・・。
「待て! 何者だっ! そこで止まれ!」
北極大陸以外の人類と(つーか俺って北極大陸の人類とも、初期以外は殆ど接点が無かったけど)ファーストコンタクト。
友好的にお話し出来るかな~?




