第221話 リザアース歴1100年1月2日(日) 経過報告会 その4
「ジャーン! 召喚石ぃ~♪」
「召喚石・・・ですか? 何の召喚獣なんです?」
「ふっふっふ~。 なんとっ!ホムンクルス喚石ですっ!!」
「おぉ~!まだホムンクルスは持って無かったんですよ!」
「で?で?ホムンクルスってどんな進化をするんだい?」
「むふふ~。
詳細は秘密ですが、今の“モノリスの書”では9系統の進化先がありますね。
これからまた増やすかも知れませんが」
「ふむふむ」
「とりあえず現時点で確定している分だと・・・。
え~っと確か・・・生活補助系と戦闘系。生産系。後は天使系と悪魔系ですね。
今の所、一番進化先で分岐数が多い召喚獣ですよ」
「いいねそれ!どんな進化をさせるのか。楽しみだなぁ」
「まぁとりあえずとして、お1人に1つづつお渡ししますので、じっくり育ててみて下さい。
最初は弱っちぃですし、能力的にも成長率的にも他の召喚獣に比べたらかなり劣りますから。
あ。ルナ達やレナ達の分もあるからね~」
「主様?我々にも与えて頂いても宜しいのですか?」
「うん。問題無いよ。ぶっちゃけ余ってるしね。
ついでに言うと、レナ達と言うかエッジ達のサポート要員として最適な召喚獣だからね。
“そのついでに”って意味もあるんだよ。
種族的に極めて汎用性が高い設定になっているから、日常の生活や事務補助なんかに丁度良いんだよね。
まぁさっきもちらっと言ったけど、その分戦闘系では他の召喚獣に比べれば劣るんだけどね?」
「承知しました。有難う御座います」
「あともう1つだけ注意点が。
召喚したてだと全裸幼児なので服とかが必要になります。まぁ今回は私の方で用意しておきましたけど。
んで、進化させてクラスチェンジさせると大きくなるので、以後は皆さん各自で用意して下さいね?
こちらが用意した物も最低限な物しか用意していませんので、装備の更新とかは皆さんご自由にどうぞ。
って事で『セバス。ミザリー。召喚!』 んじゃ、先に被服室で受け入れ準備よろしく~」
俺の背後に2体の金髪碧眼の白人っぽい少年少女姿の人型が出現。
皆さんに対して優雅に一礼してから、指示通り“皇族居住区”にある被服室へと移動しました。
そんな2体の様子に、俺以外の一同が唖然としております。
「・・・リュウノスケさん?彼らは?」
なんとか持ち直したのか、エスさんから代表して(?)質問が。
まぁ見た目が完全に人類と同じだからね。そりゃそういう反応にもなるでしょう。
人形っぽくないし、ヌルヌル動くから、見た目的にも完全に人類(しかも人間種)にしか見えませんからね。
「ホムンクルスの進化先の1つ、レプリカントですよ。
まぁまだあいつらもホムンクルスから1段階しか進化していないんですけどね。
私の将来的な想定としては、もっとホムンクルス系の召喚獣を増やして“皇族居住区”の維持管理や防衛要員としての使用を考えて居ます。
あいつらだけは先行してコッソリ育てていたんですよ。
それでも私達に比べればまだまだ弱っちぃですが、現時点でも生活補助要員としてはそれなりに使えますね。
あの2体に関しては、育成の都合上ちょっとズルをして“太極拳”スキルを付与してありますが。
そうじゃないと、ホムンクルスがどの程度使えるのかが判りませんでしたし。
まぁさっきから何度も言って居ますが、生活補助要員としては最初からそれなりに使える召喚獣だと思いますよ?」
「・・・ホムンクルスって人間族限定なんですか?有翼種とかの選択は不可能なんでしょうか?」
「はい。基本的にはそうなります。
後々の進化先で・・・ぶっちゃけ天使系とか悪魔系の話になるのですが、ある意味有翼種にはなりますけれどね。
でも、それ以外の進化先では人間族限定ですね。他の種族は選択出来ません。
“科”と性別は初召喚時に選択可能ですが。
単に“飛翔可能か?”と言う話でしたら、この世界だとスキルさえ習得出来れば誰でも可能なので、その辺の心配は無いかと。
と、言いますか・・・。
ぶっちゃけますけど、ホムンクルス系って基礎ステータス成長率的に劣る代わりに、スキル習得面で他の召喚獣よりも優秀にしたんですよ」
そうなんです。
ホムンクルスは基本的には人間族限定ではあるものの、初召喚時に“科”も選択可能項目となっています。
なぜかと言うと、俺の中で多様性と言うか・・・悪く言えば“器用貧乏”なイメージがホムンクルスにはあるのでね。
その辺も人類の中で一番器用貧乏とも言える人間族が、ホムンクルスのベースになっている感じ。
それもある意味、ホムンクルスの特徴と言えば特徴です。
まぁ後々はそれぞれの方向性へと徐々に特化可能なんですがね。
進化先に天使系と悪魔系があるのもそれが理由です。
つーか、ウチの世界に“魔物”として天使系と悪魔系が存在しなかった(作っていなかった)せいですが。
いいじゃないの!炊事洗濯が得意で戦闘が苦手な天使や悪魔が居たってさ!




