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俺の創った箱庭世界  作者: コルム
北極大陸富国編
220/243

第220話 リザアース歴1100年1月2日(日) 経過報告会 その3

「提案・・・ですか?」


「うん。

まぁリュウノスケくんが「どうしても嫌だ」って言うのなら諦めるけど、出来ればお願いしたいなぁって感じ」


「で?どんな提案なんでしょうか?」


「え~っとねぇ。

魔法に関しての事なんだけど、今までは自身の習得しているスキルの等級?で威力とかが変わるだけじゃない?」


「そうですね」


「それに追加する・・・と言うか、改めて“系統”を纏めなおして欲しいんだよね~。


具体的に言えば、詠唱の“形状”に関して、ちゃんとした定義をして欲しいって感じ。


んで、例えば今までの火の矢ファイヤーアローだと、習得済みスキル等級によって威力が変わる訳だけど、それを“習得済みスキルの等級に応じて使用可能になる様に”仕様変更して欲しいって感じかな?」


「ん~?それの何が問題なのでしょうか?何か不都合でもありましたか?」


「不都合って言うか、それってちょっと違和感なんだよねぇ・・・。

特に“日本のサブカルチャーに触れた側”としてはさ。エスくん達もそう思わない?」


「そうですね。確かに少し戸惑う点ではありましたね。もう慣れましたが」


「と、仰いますと?」


「リュウノスケさん的には問題無かったのでしょうが、低威力とは言え“基礎スキル”しか習得していない人類が、“魔法の矢だの槍だの壁だのを簡単に使えてしまうのは問題ではないか?”って事ですよ」


「ふむ・・・」


「勿論現状でもある程度・・・・は威力的な面で意味があるんだけど、もう少し改善した方がいいんじゃないかと思ってね。


で、どうかな?」


「・・・他の方々も同意見でしょうか?」


 俺的には余り意識した事が無かったので、一応他の方々の意見も聞いてみる・・・。



 ・・・むぅ。予想以上に賛成派が多い・・・。

リアンさん達とルナ達親子は“別に現状維持でも問題無いんじゃない?”派。

で、ジンさんを始めとする、多少なりとも“日本のサブカルチャーに触れた事がある側”が賛成派に。

後は陸くん達とかの“魔法がある世界”経験者も賛成みたいです。


「う~ん。まぁ別に構いませんけど・・・。そんなに問題なんですか?

ついでに言うと、今まであった事を変更しちゃう事になるので新たな問題が出ませんか?」


「それはある程度の妥協案も考えてるよ?

現状と同じく、言ってみれば“詠唱”で補完しちゃえばいいんだしね」


「ふむ。まぁちょっと考えますが・・・」


 う~ん。ちょっと熟考。

俺としては現状で満足しているので問題無いし、ルナ達もこの世界で慣れちゃったから、今更な感じ。


 でも、違和感があると言われれば、確かに微妙な所。

言われた通り、基礎スキルしか持っていないのに、様々な形状の魔法が使えちゃうってのも確かに微妙。

でもなぁ・・・記述を考える手間を考えると・・・。


「で・・・駄目かな?」


「う~ん。・・・まぁいいでしょう。

でも、フォローはお願いしますよ?独りで考えるのも面倒ですし」


「おっけ~♪やったね!」

「うむ。任せよ!」


「ん?何でそんなに乗り気なんです?」


「いや~。ぶっちゃけちゃうけどね?私達って“神話級スキル”が使えないじゃない?」


「ですね」


「下位互換でもいいから、将来的に使える様になりたかったんだよね~♪」


「あぁなるほど。本音としてはそっち狙いですか?」


「ん~。まぁ確かに希望としてはあったけど、さっき言った違和感も実際にあったからね。

“ついでに・・・”ってのが本音としては正解かな?」


「まぁいいです。んじゃ『出ろ!』・・・さて、考えますかねぇ・・・」


 とりあえず紙束と書く物を出して、早速草案作り。

皆で“わいのわいの”言いながら楽しく考えます。


 先ずは基礎からって事で順次決めていきます。



 ・・・で、話し合いの終盤。火・水・土系の神話級スキル(それぞれ灼熱地獄ヘルフレイム氷結地獄ニヴルヘイム隕石雨メテオレインにしました)に関しては問題が無かったのですが、

神話級の風スキルに関して、俺が“こんなスキルでどうでしょう?”って提案したら、リアンさんからご指摘が。

ちなみに、最初に俺が提案したスキルはこんな感じ。


等級:神話級

形状詠唱部(詠唱短縮時):血煙地獄デッドリーミスト

魔法内容:指定空間を真空状態にし、その内部に存在する生物等を爆散させる魔法。

魔法発動から数秒後、指定空間が解除され、周囲にも強烈な暴風を撒き散らす。

範囲窒息魔法でもあり、極めて致死性の高い魔法である。



「リューノよ?少し良いか?」


「はい?」


「この“血煙地獄”だが・・・我の定めた理では、こうはならんぞ?」


「へ?そうなんですか?」


「うむ。確かに真空状態にある程度以上・・・・・・曝されれば、生命体にとって危険性は高いが、短時間であれば死に至る事はあるまい。

まぁ何の対策もしていなければ、窒息状態にはなるがな」


「そうなんですか?」


 ここは日本出身の知恵者である、ミツハルさんにも話を振ってみる。


「確かにそうですね。

某有名な宇宙関連組織の実験結果でもそういう結果が出て居たはずですし、実際に宇宙服の空気漏れ事故でも同様の事例があったような・・・。


結論としては、いきなり真空状態に放り込まれても即死・・はしなかったはずですよ?」


「あれ?そうなんですか?だったら私が最初にやらかしたのは・・・」


「あぁソレね。それはリュウノスケくんの認識のせいだよ。

某地球の有名な映画だと、リュウノスケくんが思って居る様な描写があったはずだしね。

その記憶が強かったんじゃない?


何度も言っているけれど、その世界の理はその世界を統治する神の認識が最優先だからね。

そのせいだと思うよ?


で・・・まぁ今回の事で、リュウノスケくんの認識が揺らいじゃった訳だけど・・・どうする?」


「はぁ・・・あの自爆自体すら、やらかした事の1つだったって訳ですか。

情けないやら何やら・・・。


まぁそれはともかく、ん~とそうだな・・・今更コレを採用するのも何だか癪なので・・・。

タリズ!風と言えばお前だ!何かいい案無い?」


「案で御座いますか?」


「うん。元々お前って風特化だしな。

好んで使っている魔法ってどんな感じなの?」


「巨大な竜巻を起こすか・・・巨大な真空刃を飛ばす事が多いですが・・・」


「う~ん。竜巻魔法自体は下位にもあるしな。んじゃ、“巨大な真空刃”ってのを採用しちゃおう。


名前は・・・次元断裂・・・とか・・・どうでしょうか?

実際に次元断裂を起こす訳ではありませんが」


「それで良いんじゃない?」

「うむ。構わんぞ」


「んじゃソレで」



 やいのやいの言いつつ、最後の纏め。

結局こうなりました。最終的に“モノリスの書”に記述する詳細は丸投げされちゃったけど、大枠としてはこんな感じ。


基礎

生活系:殺傷性の低い魔法群。調理用の火だったり(火属性)、飲料水の作成だったり(水属性)、光源の確保だったり(光属性)と色々。

攻撃系:拳大のつぶてを飛ばす魔法。それなりに殺傷性はあるものの、威力は低め。

詠唱は、礫(つぶてorグラベル)って事で。(詠唱短縮例・火の礫ファイアーグラベル

上位互換系:上位スキルで規定されている形状の下位互換。

自身が習得している魔法スキルの1ランク上位の系統を使用出来る。

ただし消費MPも増大。威力の減衰もあるが、下記想像系よりは消費MPも威力の減衰も少ない。

想像系:従来通りの魔法の使い方。詠唱時(orイメージ時)の形状次第で、思い通りの事象を引き起こす。

ただし消費MPは以前よりも増大。


初級

アロー系:魔法の矢を創り出す。有効射程距離はおよそ500m。

若干の自動追尾能力を持つため、曲射も可能。

ただし曲射に関しては、矢の現在地点より毎秒トータルで30度以内に限る為、いきなり直角に曲がったり、遮蔽物の真裏を攻撃する事は事実上不可能である。

ちなみに矢の秒速は80mほどで一定であり、減衰はしない。

が、有効射程距離を超えると自然消滅する。最大有効射程距離自体は、消費MPと術者次第で変化する。

弾丸バレット系:魔法の弾丸を創り出す。有効射程距離はおよそ100m。

貫通力は皆無ではあるが、弾速は早い。基本的には射出時の目標地点へと即座に弾着する事となる。

弾速及びMP効率に優れるが直進しか出来ない為、移動目標に命中させるにはそれなりの狙撃能力を必要とする。

ウォール系:魔法の壁を創り出す。規模と持続時間は術者のスキルレベルと消費MP依存。

壁の中に居続ける(閉じ込める)事によって使用属性によるスリップダメージ及び状態異常がランダム付与。


中級

ジャベリン系:魔法の槍を創り出す。有効射程距離は100m弱。

貫通力に優れ、最終的な弾着地点周囲にも若干の加害範囲が発生する。疑似範囲魔法としても使える。

弾速は矢系統よりも若干遅い、秒速50m程度。

爆弾ボム系:任意の(目視可能範囲限定)場所(空中や水中は不可)に炸裂魔法を設置する系統。

加害範囲はそれなりに広いが、威力は若干低め。ただしそれらも消費MPと術者次第。

時間差発動も可能である。


上級

矢嵐アローレイン系:上空に複数の魔法の矢を創り出す範囲魔法。一応ある程度の高さがあれば屋内使用も可能である。

一応は初級矢系の上位版ではあるが、上空からの打ち下ろしになる為、どちらかといえば弾丸系の上位版に近い特性を持つ(自動追尾能力はあるものの、弾着までの時間が比較的短い為)。

簡単に言えば、同一系統による多重魔法と言った感じ。

ストーム系:魔法の竜巻を創り出す。加害範囲に優れ、持続時間もそれなりにある。

ただし、規模と持続時間は術者のスキルレベルと消費MP依存な点は注意。

拘束チェイン系:魔法の鎖を創り出し、単体対象を拘束する系統。

魔法効果の持続中は使用属性によるスリップダメージ及び状態異常がランダム付与。


伝説級

爆裂エクスプロージョン系:下位爆弾系と嵐系を纏めた様な系統。

対象地点を起点とする、広範囲に影響を及ぼす。属性によっては、空中や水中を起点とする事も可能。

爆雷マイン系:簡単に言えば下位爆弾系の上位版。

こちらは設置対象が空中や水中でも設置可能となり、複数同時設置も可能となる。


神話級

とりあえず・・・概要は決まったけど、詳細は俺任せなので、後で“モノリスの書”にちゃんと記述します。

光属性と闇属性は丸投げされちゃったしね・・・。



「ひとまず神話級は置いておくとして・・・他はこんな感じで如何でしょうか?」


「ん。いいんじゃないかな?」


「んじゃ、了解しました。後程“モノリスの書”に記述しておきますね。


それでは・・・他に問題はありますか?



・・・無い様ですね。では、年始の会議としてはこれで終了です。

んで・・・ここからは別口で、今までお手数お掛けした分の報酬をお渡ししますかね~」


「報酬・・・ですか?」


「ええ。

まぁちゃんと給与やギルド依頼で儲けたお金なんかはお持ちだとは思うのですが、さすがに今まで散々お手数お掛けしておいて“私からは何も無し”じゃ、ちょっと気が引けるのでね。


って事で・・・ジャ~ン!!」

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