第217話 あれから15年・・・
あれから15年ほどが経過しました。
案の定と言うか、色々と問題も出てきましたが、俺ら一丸となって対処。
今の所は特に大きな問題も無く、安定した国家運営が出来て居ます。
その辺はアレですね。ジンさん達の協力が本当に大きかったです。
特にエスさんご一家の活躍が素晴らしい!
地球を含む、他世界で得た知識なんかの持ち込みは禁止していましたが、流石は国家運営の経験者は違いますね。
ウチの国の問題点を見つけるのも早かったですし、それに対する対処も文句無しです。
当初は渋って居ましたが、ジンさん達を分体にしたのは、結果的に大正解でした。
俺らだけだったら絶対に無理。完全に飽和して、今頃どうなって居た事やら・・・。
そんなジンさん達。
追加した教育に関するスキルが目に見えて成長するのを楽しんでやってくれているみたいで、今でも現役です。
それでも〝ボチボチと”ですが、ステータス自体も伸びているみたいで、楽しそうに過ごされて居ます。
今後の事も考えて、徐々にですが後継者育成もお願いしている所なんですが・・・。
その辺はまだまだジンさん達の教育関係のスキルがカンストしていないせいなんですかね?
まぁこちらとしては有難い事なので、もう暫くはこのまま後継者育成をお願いしつつ、様子見って所です。
一方誕生させた人類達。
先日漸く全員が宿屋街から各住居へと移住が完了しました。微妙に長引いた・・・。
多分15年間は宿泊も食事も無料にしたせいで、ギリギリまで粘られたせいだと思いますが・・・。
まぁしゃーなしですな。終わり良ければそれで良いです。
ちなみに道徳教育が上手くいったせいか、今の所追放者は出て居ません。
ちょっとした問題程度はありましたが、仲裁に入った上での当事者同士の話し合いとかでなんとかなっています。
で、10年で無事義務教育を卒業した人類達ですが、早速雇用して各職業に応じた教育中です。
先ずは一番INT値が高い10人ほどを勧誘してレナ直轄の官僚として教育中。
勿論、強制はしなかったので全員が成績上位者って訳ではありませんが、それなりの人材は集められました。
こちらは手の空いたエスさんご一家にも参加して貰っての教育が始まっています。
一応宰相であるルナや他の大臣であるタリズ達とも面通し済みで、一緒に教育中です。
次に各ギルド職員として、INT値が高く算数系スキル持ちをそれぞれ50名ずつ雇用。
今の所は昼夜2交代制で働いてもらいつつ、エッジ達が主となって教育をしています。
将来的には3交代制にしたい所ですが、現状では人手不足なのでちょっと無理をさせている感じ。
まぁあと10年ほどは我慢して貰いたい所です・・・。
それでもギルド職員は結構人気職業っぽくて、すぐに予定人数を雇用出来ました。
ちなみに〝全員が女性”って訳ではありません。ちゃんと男性も居ます。
その辺は〝寿退職”や〝育児休暇”って事も考えられるので、余裕を見て雇用人数を各50人にした感じ。
当然ですが、ちょっと余裕を見て12年が経過した段階で、南部ギルドを復活させました。
続いて治安維持担当の人員。こちらはなぜか殆どが男性です。
応募制なので、性差関係無く雇用するつもりだったのですが、どうしてかそうなっちゃいました。
ひとまず50名ほどを雇用して、その中から特にステータス値やスキル面で優秀な5人を幹部候補生としてリヴィアの下で教育中です。
数少ないはずの女性2名が、2人共に幹部候補生になっちゃう不思議。
まぁ治安維持とは言っても、現状特に問題を起こす輩は居ないので、ほぼ帝都の清掃業務が主になって居ますが・・・。
つーか初めてリヴィアと対面した時に、リヴィアが〝お遊び”で威圧したせいで、上下関係が一番厳しい部署になりつつあります。
完全に体育会系なノリの部署になっちゃいました・・・どうしてこうなった・・・。
まぁそのおかげ(?)で、ある意味規律が良いとも言えるので、治安維持部隊としては悪い事でも無いんだけどね。
最後に教育関係のスキルを習得していた100名ほどをジンさん達の下で教育中。
ある意味高等学校に入学した形になるのかな?
来年度は1500人程度ですが生徒が新規に入学してくるので、その為の〝教育者の教育中”って感じです。
新規の生徒1500人程度に対して教師100人っていう教師過剰な状態ですが、今後の事も考えれば「むしろ少ないかも?」とか思って居ます。
在学生もそれなりに居る事だし、そう過剰でも無いのかな?
一応これからも良さげな人材が居れば、随時適職に雇用する事で対処する予定で居ます。
んで、まだ行財政&防衛関係の人員確保は見送っています。
当分の間は必要だとは思えないし、1次・2次産業に就労して貰う人員も必要なのでね。
その辺は適材適所って感じでしょうか?
今の所、行財政に関してはレナ達に兼任させています。
財政に関しては特にですが、俺の持って居た資金を丸ごと国庫へ入れちゃったので、ぶっちゃけ資金面では潤沢過ぎるのです。
防衛関係に関しても俺の召喚獣が帝都城壁外で常時狩りをして居るんだし、必要かどうかが本当に微妙な所・・・。
まぁ将来的には「公務員の数を増やすべきだろうなぁ」と思っては居るので、追い追い追加ですかね?
1次・2次産業に関しては、実際に農業や畜産業。水産業(殆どが魚人族ですが)に就労している人も多いです。
パン屋や菓子屋なんかの食料品店。衣料品店や鍛治関係。雑貨屋(武器防具屋兼業)なんかも開業していて、かなり順調な感じです。
ただ、林業と建設業だけはかなり人材余剰気味な感じ。それと純粋な冒険者は人手不足気味。
林業と建設業に関しては、俺が帝都を造っちゃったせいで殆ど仕事が無い感じになって居ます。
かろうじて帝都城壁外の水産業者(殆ど魚人族の集落と言っても良い感じ)の建設に従事しているぐらいかな?
当然、それらの下で働く、被雇用者も居ます。
そうなんです。まだまだ帝都内には空き家が多いのに、既に帝都城壁外に集落が出来ているんですよねぇ。
位置的には南西方向の河川沿いにあります。一応、帝都城壁の近くではあるのですが・・・。
こればっかりは、水産業だし帝都城壁内では無理な事なので、仕方が無い面もあると思います。
まぁ彼らの子供達の義務教育は帝都でやる事になると思うので、その辺をどうするかを相談中って所です。
で、その帝都城壁外との流通を担っているのが冒険者って感じ。
一応帝都城壁外の資源調査や魔物の討伐なんかも、エッジ達ギルドマスター経由で依頼を出しているんだけど、そっちはちょっと不調気味。
まぁ今後に期待って感じでしょうか? まだまだ人口が少ない現状では仕方が無いですよね?
その人口ですが、漸く〝1万人を超えたかな?”って所です。当然大半がまだまだ子供な訳ですがね。
今の所、正確な統計は取って居ませんが、大体そんな感じ。
エスさんからは、「早めに人口調査や戸籍なんかも整備しておいた方がいいですよ?」って言われているので、なるべく早く取り掛からないといけないとは思って居ます。
でもねぇ・・・それをやる人手が不足気味なんですよねぇ・・・。
まぁ確かにやらないといけない事だとは思うので、早々に着手しなくちゃいけないんですけどね。
今度、その辺をレナ達に指示しとくかなぁ・・・。
人口の増加量に関しては、徐々に増えてきたものの、ここ数年は停滞気味。
大体1000人~1500人の間で推移しています。
まぁ言ってみれば第1世代しか成人した親が居ない状況なので、この停滞は仕方が無い事ではありますが。
将来に期待って感じかな? 堅調と言えば堅調ですが、まぁ順調と言って良いでしょう。
そうそう。人口増加に関してなんですが、ロンメルさんからこんな質問が。
「女性の妊娠、出産の年齢上限って無いんですか?」だって。
ウチの世界では成長状態に応じて交配が可能となるので、男女共にそれなりに高齢であっても交配が可能なんです。
だから・・・〝恐らくは”ですが、後15年ほど経過したら、一気に人口増加が始まると思う。
今はその可能性に備えて準備している段階って所ですかね?
で、そんな感じの中、俺。「漸く炊き出しや教育から解放された~!」って感じ。
第1世代が卒業してからは、他の面々に任せちゃいました。
大体教育しないといけない担当人数自体が、今は当初よりも減っている状態だしね。余裕はあるのです。
俺の場合は教育関係のスキルがカンストしちゃっているので、ここ数年旨みが無かったんですよねぇ。
さて?これからどうしますかねぇ・・・。
とりあえず〝老化偽装”はしているものの、後30年程度で表舞台からは消える予定で居ます。
コレに関してはジンさん達も同様の予定。
流石に今更「実は不老不死でした」なんてバラしても良い事なんて無いですし、将来的にもずっと国政に関わるつもりもありませんし、ジンさん達も飽きるだろうしね。
ただまぁエスさんご一家には、可能な限り〝政治顧問”としてレナ達を教育して欲しい所ですが。
一応表舞台から消えた後も、念の為に100年程度は表に出るつもりがありませんしね。
・・・マジでこれからどうしよう? ソレもコレも人口増加次第って所なのかなぁ。
ある程度軌道に乗せられちゃえば、後は勝手にレナ達が何とかしてくれる事でしょう。
あれからは年末年始の休みすら取られなかった状況だったし、少しはゆっくりしてもいいのかな?
他大陸の様子だって気になるところだし、そっちに行ってみてもいいのかも知れん。
未カンストスキルの育成をしたっていいんだし。
他にも召喚獣の新規追加や育成等々・・・やれる事は結構あります。
ま、なる様になるだろうし、ならん様にしかならないだろうから、流されるまま行きますか。