第213話 事前準備 その3
リザアース歴1054年1月4日(火)。
早朝から談話室(食堂スペースの横に作った部屋で、軽い飲食が可能な部屋です。コーヒーメーカーとかも設置済み)に全員集合。
昨日の予定では8時に集合だったんだけど、7時の時点で全員が集まったので、そのまま全員して北辺にある練兵場に移動して〝太極拳”。
俺と魂の神様だけは神体のままだったけど、まぁその辺はいつもの流れなのでスルーで。
その後、全員食堂スペースに揃って朝食。今日は珍しく完全に和食(白米・焼き鮭・味噌汁・卵焼き・ほうれん草のお浸し)です。
で、朝食を食いつつ最終打ち合わせをば。
『ひとまず、ワシらが特にせねばならん事は無いんじゃな?』
「一応今日の所はそうなりますね。
ただ、メインはエッジ達になりますが、誕生させた人類達の冒険者登録の手伝いをお願いするかも知れません。
後は女性の方々をメインに、夕食の炊き出しとその準備って所でしょうか?」
『うむ。承知した』
「そうそう。
まぁ無いとは思いますが、言う事を聞かない奴とか、注意しても従わない奴が居たら言って下さい。
そういう輩に対しては、〝帝都”から放り出しますので」
「リュウノスケさん?
今の現状で〝帝都”から放り出したら、さすがに生き残れ無いのでは?
かなり成長したはずの自分達ですら、まだまだソロだと結構厳しい感じですよ?」
「でしょうね。
まぁその辺はある意味〝見せしめ”って所でしょうか?
最初にレナから注意事項として伝える予定ではいますから、それに従えない様な輩に関しては、一切無視するつもりです。
はっきり言って、誕生直後の時点で私・・・と言うか、我々の指示に従えない様な〝人類”は必要ありませんからね。
とは言え、そんな事になるとは思えませんから、まぁ大丈夫かと思いますよ?
大体レナには〝威圧”して貰う予定で居ますし」
『リュウノスケくんが〝威圧”しないの?』
「ええ。
最初からいきなりビビらせ過ぎて萎縮されるのもどうかと思うので、レナにお願いします。
私が〝威圧”するよりは、〝実質的なこの国の支配者であるレナに丸投げする”って感じですね。
と言うわけでお願いね?レナ」
「はい。お父様」
だらだら談笑しつつ朝食を済ませたら、その流れで宴会に突入。
明日からは宴会をする時間的な余裕も無いだろうし、もしかしたら数年間は年末年始の休みを取れるのかすら怪しいのでね。
(一応今の予定としては、誕生させた人類に関しても3労1休って感じで考えて居ますが、炊き出しの事を考えると数年の間は〝年末年始を俺らの休みの日に出来るかどうか・・・”って感じなので仕方がないのです。
その為に、今年一年はかなり頑張って教育やらをするつもりなのですが・・・。
こればっかりは、実際に人類の成長を見ながらやって行かないとどうしようもないので、不確定要素が満載なんですよねぇ。
ま、それも人類の教育と成長次第なので、俺ら一同頑張るつもりだし、その様にお願いもしてあるのですが)
昼前辺りに軽い昼食(ボアカツサンド系)を済ませたら、いよいよです。全員で謁見の間へと移動。
俺は昔、レナ達から〝父の日”に貰った装備&〝純白の”サーコートを身に着けて玉座に着席。
んで、ルナ達&トウは立ったまま俺の後ろで控える形。トウ以外は人間形態です。
擦りガラスの前にレナを中心として左右に並び、ジンさん達は謁見の間後方で待機。
唯一魂の神様だけがこっち側で俺の合図待ちって感じでしょうか。
「皆さん準備は良いですか?」
『うむ。いつでも良いぞい』
「魂の神様は?」
『OKだよ』
「レナ?」
ブツブツと、改めて俺の後に述べる口上を繰り返していたレナにも最終確認。
「・・・はい!大丈夫です!」
「良し。んじゃ、いきますか・・・」
いよいよ北極大陸にも人類を誕生させる時が来ました。
なんだかんだで時間が掛かったけど、やれる事は大概やってきたはず。後は出た所勝負。
今までの事を振り返ってみれば、色々とあったし、これからも色々とあるだろう事は予想済み。
〝なるようになるし、ならん様にしかならん!”って事で・・・いざっ!
〝モノリスの書”の〝人類に関する理”のページを開き、誕生させる人類を復習しつつ・・・。
『生命創造っ!』