第207話 さらに追加
突然の提案に驚いたものの、とりあえずお話だけは伺います。
『いやね?前々からここに来たいって言っている神々が居てさ。待ってて貰ってる状態な訳。
で、今回理の神様とか増えたじゃない?だったら“纏めて増やしても良いんじゃない?”って話』
「ソレ、完全に私が“置いてけぼり”なお話ですよね?私の世界なのに」
『まぁね。でも、同じ地球の日本出身者だし、リュウノスケくん達とも話が合うと思ってさぁ。
それでも一応は気を使って、今までは保留にしていたんだよ?』
「はぁ」
「まぁまぁリュウノスケさん。それほどご心配されなくても大丈夫ですよ?
我々よりも先輩の神様方ですし、このリュウノスケさんの世界にも馴染んで貰い易いと思います。
と言いますか、自分達が“お世話になった方々”ですので、可能ならばご一緒したいんですよね。
もし何か問題がある様でしたら、責任は自分が負いますから。 ・・・駄目でしょうか?」
「いや、駄目って言うか・・・理の神様方が増えたばかりですし・・・」
『む?我らならば、別に構わぬが?』
「いや、理の神様が“構う、構わない”の話では無くてですねぇ。
私の気持ちの問題と言いますか・・・」
『ふむ。ミツ・・・エッスィーよ。
お主が言うておるのは、マサヒトとトモノリらの事かのう?』
「はい。かの神々でしたら、リュウノスケさんの世界で過ごされても、問題無いかと」
『ふむぅ・・・ワシも賛成じゃのぅ。あ奴らの世界は完全に落ち着いておる。
魂の神によって、輪廻転生の輪の補助機能も追加済みじゃったはず。そうじゃな?』
『はい』
『うむ。ではリュウノスケよ。同郷のよしみじゃ。
思い出話も出来るじゃろうし、別に招いても構わんのではないか?』
「え~」
『リュウノスケくん?何が引っ掛かかってるの?』
「いや、単純に“いきなり増え過ぎ”じゃないですかね?
その神様方が何柱居られるのかは知りませんが、今年は既に理の神様方4柱も増えましたし・・・。
それに、この世界に来られるとなると、客室スペースが・・・」
『その程度の事で、何ゴネているのさ。
客室スペースなんて、リュウノスケくんに掛かれば“ちょいちょい”と増やせるじゃない。
今までだって・・・と言うか、下級神だった頃から“空間拡張”とかやらかしてたじゃないの。
ソレ。本当に今更だから。言い訳にもならないよ?』
「まぁ・・・そうなんですけど・・・」
『もうぶっちゃけちゃいなよ?何が嫌なのさ?』
「・・・じゃぁぶっちゃけますけど、一気に滞在者が増えると、正直お持て成しに手が回りません。
既にこの世界で過ごして馴染んで頂いている方々に、ご迷惑をお掛けする可能性が高いんですよ?
今回から理の神様方が増えましたし、その対応にもまだまだ“慣れている”とは言えない状況です。
そんな状況にもかかわらず、さらに来客数が増える事が嫌なんですけど・・・」
『な~んだ、そんな事か。 全く問題無いね。 ですよね?ジンさん』
『うむ。そうじゃな。
理の神らへの対応は、魂の神ことウルズが請け負うと明言しておる。
新しく来る神々の対応は・・・エッスィー。お主が責任を持て』
「はい。間違い無く」
「あ!トモノリさん達の事でしたら、私達もお世話になってますし、喜んでお手伝いしますよ?」
ヒロアキ(トロン)さんも、賛成側に参戦。山吹(ケリア)さんも頷いて居られます。
「むぅ・・・」
「駄目ですかねぇ?リュウノスケさん?」
「う~ん・・・ん?ちょっと待って下さい。
“対応を請け負う”って仰られてますが、ソレって“長期滞在する”って事ですか!?
ソレって、また新しく分体が増えるって事なんじゃないですかっ!?」
『そだよ?』
「いやいや。同じ地球出身者って事なら、“輪廻転生の輪の件”で神様になった方々ですよね?
だったら、その神様方が統治されている世界はどうするんですか?
ヒロアキさんやミツハルさんみたいに、既に分身体の作成が出来る方々なんですか?」
『それはまだじゃが、さっき言うたじゃろうに。“落ち着いておる”と。
な~に。数年程度は己が世界を放置する事になるやも知れんが、その程度は何とでもなるわい。
その間に、此処で分身体の作成が出来る様になれば済む話じゃからのぅ。
ついでに言えば、神体の本体が分体を作成した場合のテストにもなるしのぅ。
丁度良いテストケースになるわい。 結論として、その辺はお主の気にする事では無いわ』
またしても逃げ道が無い・・・だと!?
『もう面倒臭いから、リュウノスケくんの説得はいいや。事後承諾にしちゃいましょう。
一応ジンさん。最高位神様として、リュウノスケくんに“命令”しておいて下さいね?
私はとっとと行って、彼らを連れて来ます。
リュウノスケくんの性格上、理の神様の時の様な“余程の気に入らない対応”をしない限りは、
“せっかく来たのに、すぐに追い返したりはしない”でしょうから』
おぉい!此処ってウチの世界なんだってば。
んで、俺ん家なんだが、それらをガン無視して“事後承諾”ってどうなのよ?
『そうじゃな。それで行くか。 ならワシも最高位神としての立場を使うとするかのぅ。
んじゃ、リュウノスケよ。ちょっと神体に戻ってくるわい』
ソレ言われちゃったら、完全に詰んでるじゃん・・・。
「だ~っ!!もう!分かりました!分かりましたよ!!受け入れたら良いんでしょう!全く・・・。
何か今年は随分と強引ですよねぇ・・・。ジンさんも、ウルズさんも・・・」
『がっはっは。
単純に、“分体としての同世代が増えた方が楽しいから”じゃのぅ。
ついでに言えば、対等な酒飲みの友が増える事になるしな。
お互いに切磋琢磨する対等な関係と言うのも、分体であるワシらには悪くはあるまいて。
リュウノスケよ。我慢せよ。ワシらの為にの。 がっはっは』
『OK。了承したと見做すよ? それでは私は少し失礼します・・・』
さっさと客室に戻るウルズさん。
多分神体に戻って、その神様方を連れて来るんでしょう。
つーか相手の都合は大丈夫なのか? いきなり連れて来る事になるんだが・・・。
あ~あ。流れ的に仕方が無かったとは言え、もう諦めるしかないか・・・。
気持ちを切り替えて、とっとと対応しますかねぇ・・・。俺も神体に戻るか・・・。
何柱来られるか不明ですが、とりあえずリビングをさらに拡大。
皆が飲食しているけど、もうその辺は放置です。
“モコモコ”ソファーが延長(拡大?)されましたが、ウチら家族は平然としたもの。
若干元の位置から飲み食いしていた物が“ズレ”たので、淡々と他の方も含めて配膳し直してます。
理の神様方は、
『上級神とは言え、これほどの力量を持つ・・・だとっ!?』
とか言うとりますが、面倒臭いのでスルー。俺は下級神の頃からやってたっちゅ~ねん。
始祖の神様ことジンさんは、熱燗飲みつつ『ガハハ』笑いしてました。
リビングのお次はお風呂場&脱衣所も拡張。ついでにトイレも増やしておきました。
サウナ好きな(サウナとビールのコンボが好きなだけとも言う)男連中の為に、
サウナ自体も、もう少し拡張しておきます。
最後に客室の追加へ。
っとその前に、エッスィーさんから来られる神様方の内訳を聞いておかないと・・・。
で、確認してみた結果、中級神のマサヒト神(独身)。
同じく中級神のトモノリ神とその奥様で下級神の白雪神。
お二人の娘さん(成人済み)で下級神の吹雪神の都合4柱だそうです。
ちなみに白雪神と吹雪神。
お2方共にミーさん達よりも年上だそうで、“輪廻転生の輪の件”で誕生した神の世界での、
初の人類から昇格した神様だそうです。
ついでに言うと吹雪神は“俺ら輪廻転生の輪の件”で誕生した神の中から生まれた、
初の“神の子”であり、誕生時点で“神”だったのも“同世代的には”初の事らしい。
(って言っても、かなり年代差はあるんですけどね。
つーか、白雪神ってば俺よりも年上らしい。吹雪神も、ミーさん達よりも年上なんだそうな)
トロンさんやエッスィーさんが言っていた“お世話になった”ってのは、
““人類の不死化”に関する話だったり、“神化”の先駆者がトモノリ神だったから”らしい。
確認の結果・・・来られるのは4柱って事ですね。
単純に家族で分けるのなら、余っている最後の2人部屋にマサヒトさん。
3人部屋にトモノリ神のご家族なんだけど・・・。さすがにお子さんが成人しているのなら、
“親と同居させるのもどうか・・・”って事で、手前の通路を延長し、
現状の客室の左右のさらに外側に部屋と通路を設けて、2人部屋を左右それぞれの内側に追加配置。
とりあえず今回は新たに創った通路の内側(既に客室のある方)にだけ、客室を追加しました。
これで、2人部屋が16部屋。3人部屋が4部屋。4人部屋が2部屋に。
最大で50人以上収容可能とか・・・マジで旅館みたいになってきたな・・・。
で、いい加減魂の神様ご一家も、お子さんとは別居(?)する事に。
魂の神様と美の神様は、客室に入って左手すぐの列、左側の2人部屋最奥の部屋へと移動。
従ちゃんと接ちゃんは、新規追加した左手最奥の一番手前の部屋へと移動。
陸くん&空くん&大地くんは、兄弟だしミツハルさんご夫妻の隣の3人部屋へと移動。
ヒロアキさんご夫妻と、海ちゃん&天ちゃんは新規追加した右手最奥の手前の部屋から割り振り。
これで空きになった出入り口入ってすぐの右手側2人部屋に新しく来られる神々の部屋として、
3部屋を確保です。
ちなみに始祖の神様の奥の2部屋(2人部屋)に、理の神様方と万物の神様方となりました。
で、拡張が済んだら荷物の移動を皆さんにお願いして、俺はまた年越し蕎麦の準備です。
(まだ9時過ぎなのでね・・・)
そうこうしていたら、魂の神様より来訪の連絡が。
こちらの準備も粗方終わったし、お待たせするのも意味が無いので、すぐに来て頂く事に。
で、到着早々に新しく来られた方々が跪礼&拱手して、最初に代表してマサヒト神がご挨拶。
『最高位神様。お久しぶりにお目に掛かり、恐悦至極に御座います。
並びに他の神様方。お初にお目に掛かります。中級神マサヒトと申します。
以後宜しくお願い申し上げます。
また、上級神であらせられるリュウノスケ神様。
突然の来訪となりましたが、今後とも宜しくお願い申し上げます』
続いて同様に、トモノリ神。白雪神。吹雪神とご挨拶が続きました。
ふむ。コレが普通な対応なのね。こうして見れば、俺の対応がかなり“マズかった”と言える。
まぁ“この対応が普通”って事なら、理の神様がお怒りになるのも無理は無いよなぁ・・・。
で、こちらからも始祖の神様が最初に代表して、『大儀である。楽にせよ』とのお言葉が。
続いて俺からもご挨拶&ウチの家族や他の方々もご紹介。
一応俺って上級神だけど、気持ち的には下級神と同じだし、丁寧な対応を心掛けました。
挨拶もそこそこに、ウルズさん(分体に戻りました)が、
『時間的にも先に食べちゃわないとね。“駆けつけ一杯”って言うし』
って事で、マサヒトさん(既にご新規4柱からも、“さん呼び”で了承済みです)達は、
年越し蕎麦を“ズルズル”・・・。
やはり元日本人的にはかなり懐かしかったらしく、非常に喜んで頂けました。
白雪さんと吹雪さんへの“年越し蕎麦”の説明は、エッスィーさんに丸投げです。
つーかさ?確かに“丼蕎麦”も“一杯”って数えるけどさぁ。
“駆けつけ一杯”の一杯とは意味が違うっての・・・。
余談ですが、今話中に出てきた“駆けつけ一杯”ですが、
正確には“駆けつけ三杯”が正しい様です。本当に余談ですが^^;