第206話 原初の3柱揃い踏み 女神も居るよ その4
一応お断りを。
今話中で出てくる、アーティスト名についてですが、本当に宣伝等の他意は御座いません。
単純に名前を決める参考を検索していた時に、丁度ネタ良いに出来そうな名前だったので、
“使わせて貰った”程度の事が採用した理由です。
もし“なろう”の規約違反に抵触するような場合は、その辺りの話をバッサリ削除。
その上で、改めて名前の変更を行うつもりです。 予めご了承下さい。
「・・・はぁ・・・分かりました。受け入れます。それでいいんでしょう?全くもう・・・」
『ごめんね。んで、ありがと~』
『『感謝する』』
もう完全に押し切られた形です。完敗ですわ。
「んじゃ、さっさと分体を作りますか? それとも、もう少し風呂酒を楽しまれますか?」
『まだまだワシはイケルぞ? それにしても、急に前向きになったのぅ?』
「単に諦めただけですよ・・・。 面倒事はとっとと済ませたいと言うか・・・。
受け入れ辛かった理由は・・・多分・・・ですが。私が・・・その、言い方は悪いのですが、
“私のテリトリーに、良く知らない方々が入られる事”に、若干の抵抗感があったせいでしょうね。
お忘れかも知れませんが、私って“引き籠りの神”なんですよ? その辺をお忘れなく。
なので、人見知りの私としては、いきなり長期滞在者が増える事に抵抗を感じていたのでしょうね」
『なるほどのぅ。お主の気持ちも分からいでは無いが、その辺は諦めぃ』
『『済まぬな』』
「はいはい。だからもう諦めましたって・・・」
『そうじゃったな。まぁ許せ。お主もそのうち慣れるわい。
・・・あ~。どうせならワシも分体になっておいた方が良かったのぅ。
早よぅ“酒豪”スキルも習得したいしな。
まぁええわい。スキル習得を急ぐ事もあるまいて。もう少しだけ、風呂酒を楽しむとするかのぅ』
「はいはい。分かりましたよ・・・。
まぁそれはそれで良いとして、理の神様方のこの世界でのお名前ってどうしますか?
もうこの世界で分体として過ごされる事が決定事項なら、必須なんですが?」
『あぁ!それ決めなくちゃいけなかったんだっけ。
兄上様方?この世界で生活する、分体の名前が必要となるのですが、
何かご希望は御座いますか?』
『『名前だと?』』
『はい。
この世界では、リュウノスケくんが元居た地球での、“日本人的な名前”が使用出来ないんです。
で、分体で生活する為には、新たな名前が必要になってくるんですが・・・。
ちなみに私は“マスター オブ ソウルズ”から取って、“ウルズ”と名乗って居ます。
始祖の神様は“オリジン”から、“ジン”さんですね。
ちなみに、分体だと、基本的には誰に対しても敬称略になります。
まぁある程度は呼ぶ方の自由ですが、兄上様方も“さん付け”程度になるのはご了承下さい。
例外は始祖の神様ことジンさんだけですね。ジンさんだけは全員に対して呼び捨てになって居ます。
注意点としてはそれぐらいですかね?
まぁこの世界の基本である、“誰に対しても敬意を持って”ってのは我々も基本方針ですので、
例え人類であったとしても、兄上様方の“様付け”がなくなる程度の事だとご理解下さい』
『『ふむ。なるほど・・・』』
『んじゃ、兄上様方の分体の名前を早速決めちゃおうか。
ミツハルくん?“理”とか“万物”って英語だと何て言うんだっけ?』
「え~っと・・・“理”を拡大解釈して、理由とすれば、“reason”かな?
“万物”も拡大解釈して、森羅万象とかだと“the whole creation”でしょうか?
“creation”が“創造”って意味で、“whole”の方が“全体”って意味だったかな?
その辺りから引っ張って来た方が、良いんじゃないでしょうか?」
『兄上様方。如何でしょうか?』
『ふむ。“reason”か・・・“rean”だけ取って“リアン”ならばどうだ?』
『どう?リュウノスケくん?』
「問題無いかと。理の神様の分体は“リアン”さんで行きましょう。
んじゃ、万物の神様の方ですね。如何でしょうか?」
『むぅ・・・。ミツハル神。我を表す良い単語は無いのか?』
「自分の知る限り、“万物”となると・・・やはり単語では難しいですね」
『そうか・・・』
『兄上様?私が決めても宜しいでしょうか?』
『む?変な名前でなければ、構わんが?』
『では、“lecrea”で“レクレー”なんて如何でしょうか?』
『ふむ。まぁ良かろう』
「え!? 魂の神様っ!ソレ提案しちゃうんですかっ!?」
『ん?リュウノスケくん?何か問題でもあるの?』
「いや、万物の神様がそれで良いと言うのなら、私は問題有りませんが・・・」
言えない・・・地球にそういう名前のアーティストが居て(スペルは違うけど)、
その楽曲の中に、“God is Enough(神様は十分です)”って曲がある事を・・・。
普通、“lecrea”なら“レクレア”だと思うんだがなぁ・・・。
魂の神様がソレを知ってて提案したのだとしたら、自虐もいいところだな・・・。
『じゃ、万物の神様は“レクレー”さんと言う事で。私は“レクレー兄さん”と呼ばせて貰います。
後は“芽生えを司る女神”と“結実を司る女神”なんだけど・・・。
リュウノスケくん? 何か良い名前ってないかな?』
「ん~と・・・ミツハルさん?
確か地球の神話にも“芽生え”や“結実”を司る女神様って居られませんでしたっけ?
私の記憶では、それぞれ“春”と“秋”を司る女神様だったと思うのですが?」
「あ~。そんな神話もあったかな?・・・確かにあった様な気がしますね。
それよりも、そもそもの女神様をお呼びするお名前を、先に決めてしまいませんか?
ご本人不在で、我々だけで勝手に決めてしまうのも何ですが」
「そうですね。
一応後から確認は取るとして、仮に“春の神様”と“秋の神様”としておきましょうか。
で・・・あの女神様の神話上でのお名前って、何でしたっけ?」
「え~っと・・・」
『確か、春が“タロ”。秋が“カルポ”だね。 それで行く?』
「ですね。“タロウ”はダメだと思いますが、“タロ”ならイケルと思います。
まぁ女神様に、“タロウ”なんて名前は付けたらダメな気がしますしから、問題無いかと」
『了解。こっちは本人に確認してからって事で。
一応は兄上様方の伴侶となられる方々でしょう?兄上様方もそれで宜しいでしょうか?』
『『かの女神が自身で了承したのならば、我らは構わんぞ』』
『では一旦決まりと言う事で、後で確認を取っておきましょう。
それじゃ、改めて。新しい神々の来訪に! 乾杯!』
「「「「「「「「『乾杯!』」」」」」」」」
その後、改めてプチ宴会へと突入。理の神様も万物の神様も、多少は慣れたみたいです。
ただ、始祖の神様と同じく基本的には“神の分体以外は”呼び捨てで呼ぶ事になりました。
どうやら“原初の3柱”の矜持として、上位の者としての威厳を保つ事に拘りがあるみたい。
まぁその辺は、それぞれの神様の個性だし、
そもそも俺ら(ヒロアキさんやミツハルさんも含む)からすれば、めっちゃ先輩の神様なんだから、
俺らをも含めて、今更呼び捨てにされた所で抵抗はありませんがね。
それでも俺らに対しては、“殿呼び”してくれているので、妥協点を模索中って感じかな?
まぁ今は下級神の“神として存在しているタリズ達の存在”が一緒に居るって事で混乱中って所。
タリズ達自身は“呼び捨て希望”だったので、その辺が“問題をややこしくしている”原因。
下級神であるタリズ達が、
「主様よりも、我々が、より敬意を払われるのはおかしい」と、主張したのが原因なんですがね。
ある程度親睦を深めた所で、一旦上がります。んで軽い昼食の後、女性組と交代です。
女性組の方は美の神様のおかげで、問題無く打ち解けてくれていたみたいです。
それと、名前に関してもこちらの提案をすんなりと飲んで頂けました。
つーかここに来る時点で、この世界に長期滞在&分体の話自体は聞いていたらしいです。
始祖の神様達の確信犯だな、こりゃ。 もう今更だし、どうでもいいけどね。
ちなみに、春の神様も秋の神様も。2柱共既に分身体らしいです。
5対5だそうなので、
一応あっちの世界(始祖の神様が統治し、理の神様達が寝ている世界)での対応も問題無いそうな。
で、俺は一旦神体に戻って、“モノリスの書”を持って始祖の神様達に合流。
理の神様達による、“モノリスの書”の強化と、この世界で使う分体用の新しい首飾り。
ついでに衣類なんかの用意をします。
先に衣類を“創造魔法”で作成。他の皆さんと同じにしました。
スキルレベル上げ目的で縫製しても良かったんだけど、正直邪魔臭かったので時間短縮。
次いで分体用の新しい首飾りの作成。
理の神様&春の神様は、左手に本。右手に苗木を持った天使をモチーフに。
万物の神様&秋の神様は、同じく左手に本(他に良いアイデアが無かったので)。
右手に林檎っぽい果実を持った天使をモチーフとしました。
で、それぞれの首飾りに“来訪者の分体”スキルを付与したら、お渡しして俺の作業は終了です。
『しかし、改めてリュウノスケ殿の神体を見ると、間違いなく上級神であるな。
しかもかなり上位の神とお見受けする・・・。
核などは、我らをも上回っておるのでは無いか?』
「そうなんですかね? まぁ私にとっては、どうでも良い事なので余り気にして居ません。
理の神様方もお気になさらず。
と言いますか、私って基本的には分体で過ごして居ますしね。
神としての核やら格なんてどうでもいいんですよ、私はね」
『がっはっは。リュウノスケは相変わらずじゃのう。
まぁそれが良くもあり、悪くもあるんじゃがな?」
「そんなどうでも良い事はさておき、とっととご褒美を下さい。こちらはやる事やりましたし」
『じゃな。理の神よ。万物の神よ。準備は良いか?』
『はい。一瞬だけになってしまいますが、全力で事に当たります』
『うむ。頼んだぞ』
理の神と万物の神様が“モノリスの書”に手を乗せて、少ししたら、“モノリスの書”が微発光。
これで強化が終わったのかな?
『・・・うむ。問題無い様じゃ。ご苦労じゃった』
『『はっ』』
「有難う御座いました。んじゃ、これで終了ですかね?」
『あ、リュウノスケくん。ちょっと待って』
「何でしょうか?」
『“モノリスの書”に追加して欲しい事があるんだけど、お願い出来ないかな?』
「内容にもよりますが・・・何です?」
『ん~。状態異常を1つ。それに付随する形で、耐性系を1つと魔法を1つ追加してくれない?
ついでに別口で耐性系を1つかな?』
「どういった内容ですか?」
『前に渡した書類に記載してあったんだけど、状態異常で“幻覚”ってのを追加して欲しいんだよ。
それに関連する耐性と、魔法もね。 後は“痛覚耐性”かな?』
「とりあえず・・・“痛覚耐性”ですか?」
『そそ。要は“痛いのを我慢出来るスキル”って感じ。
あ!だからって、“全く痛みを感じない様にはならない”様にしてね?痛覚も大事な感覚だから』
「はぁ。まぁ構いませんけど、そんなスキルって必要なんですか?」
『いや~。分体だと、まだまだ筋肉痛が酷くってさぁ。
スキルレベル上げにも支障が出ているんだよ。で、“あったら便利かな~?”と』
「そんなもん、自然な事なんですから、我慢して下さいよ~」
『まぁまぁ。減るもんじゃないし、追加してくれない? ね?お願い』
「まぁいいですけどね・・・。
で、もう1つの“幻覚系”って言えばいいのかな?そっちは何故です?」
『これは記述漏れって感じかな?
地球でも毒キノコなんかを食べたら幻覚を起こす場合があったじゃない?それと一緒だよ。
アレって今ある状態異常だと、“混乱”に近いと言えばそうだけど、一応別物だしね』
「あぁなるほど。それなら了解です。 あ~。まだまだ記述漏れがありそうだなぁ・・・」
『まぁ何かの機会に、また教えてあげるよ。
とりあえず近々で無かったら困りそうなのはそれぐらいかな?
既に一部人類なんかが、毒キノコを食べて中毒を起こしていた連中が居たからね。
今後もある可能性が高いし、早めに修正しておいた方が良いでしょ?』
「そうなんですか? あちゃ~。了解しました。早速加筆修正します」
で、魂の神様提案のスキルなんかを追加しました。
幻覚の状態異常・幻覚耐性・幻覚魔法・幻覚解除魔法・痛覚耐性って所ですね。
後、さらに魂の神様の要望で“偏差射撃”スキルも追加になりました。
よっぽど年始の空中模擬戦で勝ちたいのね・・・。(かなりゴネられて、俺の根負けって感じ)
ちなみに幻覚魔法に関しては、魔法的に丁度良いので、“幻影魔法”の下位スキルにもしました。
ざっくり記述を考えたり、上位下位の繋がりを決めたら“ぽわ~ん”“パン!”で終了です。
「・・・さて、OKかな?」
『大丈夫じゃろ。
リュウノスケよ。少し早いが、そろそろ年越し蕎麦を始めんか?』
「ん?私は別に構いませんが、何故ですか?」
『他の面々とも理の神らと慣れて貰わんとの。
じゃからいつもよりは少し早めに“年越しの宴会”がしたいんじゃよ』
「あぁそれが良いですね。了解です。
って言っても、女性組がお風呂から出てからの話になりますけど?」
『勿論じゃ』
「んじゃ、私は準備してきますね。皆さんはリビングでお待ち下さい」
『うむ』
『『承知した』』
『よろしくね~』
独り先に戻って、分体の再作成。で、年越し蕎麦の準備を・・・。
準備が粗方終わった辺りで、女性組がお風呂から上がってきました。
相変わらずローズ系の入浴剤を使った模様。春の神様も秋の神様も、堪能されたご様子です。
まぁウチの世界は湯帷子を着用しての混浴じゃないので、女性同士盛り上がったみたい。
ルナに風呂酒用のお酒類を渡しておいて正解でした。
で、全員揃って年越し蕎麦を“ズルズル”・・・とは行かず、
この世界の年越し蕎麦がお初な4柱は、若干嫌な顔をされて居ます。
始祖の神様&魂の神様に目配せして、その辺の説明を丸投げ~。
少しは納得して頂けたのか、なんとか全員で“ズルズル”・・・。正直疲れるわぁ・・・。
後は毎年恒例の宴会へと突入・・・だったんだけど、
開始早々にミツハルさん(エッスィーさん)から、新たな提案が・・・。
「リュウノスケさん?ちょっと良いでしょうか?」
「何でしょうか?」
「自分もお連れしたい神々が居られるのですが、お連れしても構いませんか?」
「は?」
『あぁ!彼らの事か。
ん~。丁度良い機会だし、良いんじゃない?
リュウノスケくんが良いなら、私が連れてくるよ?彼らも暇しているだろうしね』
「へ?」
「ウルズさん。お願い出来ますか?」
『OKOK。で、リュウノスケくん?どうかな?
一応リュウノスケくん達と同郷の神々なんだけどさ?』
「またさらに増えるんですかっ!?」